ACL歴代優勝クラブを総まとめ!日本勢の活躍や最多タイトル獲得チームとは

ACL歴代優勝クラブを総まとめ!日本勢の活躍や最多タイトル獲得チームとは
ACL歴代優勝クラブを総まとめ!日本勢の活躍や最多タイトル獲得チームとは
海外サッカー事情

アジア最強のクラブチームを決める戦い、それがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)です。Jリーグのクラブが世界の強豪と真剣勝負を繰り広げる姿に、胸を熱くした経験がある方も多いのではないでしょうか。特に「ACL歴代優勝」という言葉で検索される方は、過去にどのチームが栄冠を手にしたのか、そして日本勢がどのような歴史を歩んできたのかを詳しく知りたいと考えているはずです。

2024年からは大会名称が「ACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)」へと変更され、アジアの戦いは新たな時代に突入しました。しかし、これまでの激闘の歴史を知ることで、これからの観戦が何倍も面白くなることは間違いありません。この記事では、ACLの歴代優勝クラブを一覧で振り返りつつ、日本勢の輝かしい記録や、アジアのライバルたちとの関係について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

ACL歴代優勝クラブの一覧と大会の歴史

まずは、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)の歴代優勝クラブを振り返ってみましょう。この大会は、アジア各国のリーグ王者やカップ戦優勝チームが集い、アジアナンバーワンの座を争う最も権威ある大会です。2002年に大会形式が刷新されてから現在に至るまで、数多くのドラマが生まれてきました。

ACLと前身大会の違いについて

「ACL」という名称が定着していますが、実はその前身となる大会が存在していたことをご存知でしょうか。かつては「アジアクラブ選手権」という名前で開催されており、日本の読売クラブ(現・東京ヴェルディ)や古河電工(現・ジェフユナイテッド千葉)などが優勝を果たしています。

しかし、現在のサッカーファンが一般的に「ACL」として認識しているのは、2002-03シーズンに「アジアクラブ選手権」と「アジアカップウィナーズカップ」が統合されてリニューアルしてからの大会です。この再編によって、賞金規模や注目度が格段に上がり、各国のクラブがより本気でアジアの頂点を目指すようになりました。本記事では、この2002-03シーズン以降の現行ACLを中心とした記録をご紹介します。

歴代優勝クラブの完全リスト

ここでは、2002-03シーズンから直近の大会までの歴代優勝クラブと準優勝クラブを一覧で紹介します。どの国のクラブが強いのか、時代の流れとともに勢力図がどう変わってきたのかを見てみましょう。

【ACL歴代優勝・準優勝クラブ一覧】

年度 優勝クラブ(国) 準優勝クラブ(国)
2023/24 アル・アイン(UAE) 横浜F・マリノス(日本)
2022 浦和レッズ(日本) アル・ヒラル(サウジアラビア)
2021 アル・ヒラル(サウジアラビア) 浦項スティーラース(韓国)
2020 蔚山現代(韓国) ペルセポリス(イラン)
2019 アル・ヒラル(サウジアラビア) 浦和レッズ(日本)
2018 鹿島アントラーズ(日本) ペルセポリス(イラン)
2017 浦和レッズ(日本) アル・ヒラル(サウジアラビア)
2016 全北現代モータース(韓国) アル・アイン(UAE)
2015 広州恒大(中国) アル・アハリ(UAE)
2014 WSワンダラーズ(豪州) アル・ヒラル(サウジアラビア)
2013 広州恒大(中国) FCソウル(韓国)
2012 蔚山現代(韓国) アル・アハリ(サウジアラビア)
2011 アル・サッド(カタール) 全北現代モータース(韓国)
2010 城南一和天馬(韓国) ゾブ・アハン(イラン)
2009 浦項スティーラース(韓国) アル・イテハド(サウジアラビア)
2008 ガンバ大阪(日本) アデレード・U(豪州)
2007 浦和レッズ(日本) セパハン(イラン)
2006 全北現代モータース(韓国) アル・カラマ(シリア)
2005 アル・イテハド(サウジアラビア) アル・アイン(UAE)
2004 アル・イテハド(サウジアラビア) 城南一和天馬(韓国)
2002/03 アル・アイン(UAE) BECテロ・サーサナ(タイ)

東アジアと西アジアの勢力争い

一覧表を見ていただくとわかるように、ACLの歴史は「東アジア勢(日本、韓国、中国、オーストラリア)」と「西アジア勢(サウジアラビア、イラン、UAE、カタール)」による激しい主導権争いの歴史でもあります。初期の頃は、アル・アインやアル・イテハドといった中東のクラブが圧倒的な強さを誇っていました。豊富な資金力を背景に強力な外国籍選手を補強し、大会を支配していたのです。

しかし、2006年以降は流れが変わります。韓国のKリーグ勢や日本のJリーグ勢が組織力とスタミナを武器に台頭し、東アジアのクラブがトロフィーを独占する時代が続きました。特に2010年代前半の広州恒大(中国)の登場は衝撃的で、アジアサッカーのレベルを一気に引き上げたと言われています。そして近年、サウジアラビアが国を挙げてサッカー強化に乗り出したことで、再び西アジアのクラブ、特にアル・ヒラルが猛威を振るうようになり、勢力図は拮抗しています。

日本のJリーグ勢によるACL優勝と激闘の記録

ここからは、日本のサッカーファンにとって最も気になる、Jリーグ勢の活躍にスポットを当てていきます。これまでに日本勢は合計で5回のACL優勝を成し遂げています。それぞれの優勝には、語り継がれるべきドラマと感動がありました。ここでは特に印象的な4つのトピックに分けて解説します。

浦和レッズ:アジアを赤く染めた絶対王者

ACLにおける日本勢の歴史を語る上で、浦和レッズの存在は欠かせません。浦和レッズはこれまでに3度のアジア制覇(2007年、2017年、2022年)を成し遂げており、これは日本勢で最多の記録です。彼らの強さの秘密は、ホームスタジアムである埼玉スタジアム2002が作り出す圧倒的な雰囲気にあります。

2007年、日本勢として初めてACL(現行方式)を制した際の決勝戦は伝説となっています。イランのセパハンを相手にホームで勝利し、満員のスタンドが揺れるほどの歓声に包まれました。また、2017年と2022年の決勝では、いずれもアジア最強の呼び声高いサウジアラビアのアル・ヒラルと対戦。苦しいアウェイ戦を耐え抜き、ホームの大声援を背に勝利をもぎ取るスタイルは、まさに「ACLの戦い方」を知り尽くしたクラブと言えるでしょう。

ガンバ大阪:攻撃サッカーで掴んだ栄冠

浦和レッズに続き、日本勢として2度目の優勝を果たしたのが2008年のガンバ大阪です。当時のガンバ大阪は、遠藤保仁選手をはじめとする黄金の中盤を擁し、見ていて楽しい圧倒的な攻撃サッカーを展開していました。決勝の相手はオーストラリアのアデレード・ユナイテッドでしたが、ホームとアウェイの両方で合計5得点を挙げる圧勝劇を見せつけました。

ガンバ大阪の優勝が特筆すべき点は、その後のFIFAクラブワールドカップでの活躍にもつながっていることです。準決勝で当時の欧州王者マンチェスター・ユナイテッドと対戦し、3-5という壮絶な打ち合いを演じました。敗れはしたものの、日本のクラブが世界のトップレベル相手に真っ向から攻撃を挑んだ試合として、今も多くのファンの記憶に刻まれています。

鹿島アントラーズ:悲願達成と常勝軍団の意地

国内タイトルでは圧倒的な数を誇りながら、なかなかアジアのタイトルに手が届かなかったのが鹿島アントラーズです。「内弁慶」と揶揄されることもありましたが、2018年にその歴史を塗り替えました。この年の鹿島は、怪我人が続出する苦しいチーム状況でしたが、ジーコ氏がテクニカルディレクターとしてベンチに座り、チームに「勝者のメンタリティ」を注入しました。

決勝ではイランの強豪ペルセポリスと対戦。ホームでの第1戦を2-0で勝利すると、敵地アザディ・スタジアムでの第2戦では、完全アウェイのブーイングの中、鉄壁の守備で0-0の引き分けに持ち込みました。この優勝によって、鹿島アントラーズは主要タイトルすべてを獲得する「グランドスラム」を達成。常勝軍団としての意地を見せつけた大会となりました。

横浜F・マリノスと新たな挑戦者たちの奮闘

3つのクラブに続けとばかりに、近年では他のJリーグクラブもアジアの舞台で奮闘しています。記憶に新しいのが、2023/24年シーズンの横浜F・マリノスです。クラブ史上初めて決勝に進出し、UAEのアル・アインと対戦しました。ホームでの第1戦を見事な逆転勝利で飾りましたが、酷暑と完全アウェイの雰囲気に包まれた第2戦で涙を飲み、惜しくも準優勝となりました。

また、川崎フロンターレやヴィッセル神戸なども、近年は安定してグループステージを突破し、上位進出を狙える力をつけています。ACLを勝ち抜くには、国内リーグとは異なるフィジカルの強さや、移動の疲労を考慮した選手層の厚さが求められます。日本勢全体がそのノウハウを蓄積しつつあり、第4、第5の優勝クラブが誕生する日もそう遠くはないでしょう。

数字で見るACL:最多優勝回数や国別ランキング

サッカーは感情のスポーツですが、数字を通して見ることで新たな発見があります。ここでは、ACLにおける優勝回数や国別の成績をランキング形式で見ていきましょう。どのクラブが真の「アジアの盟主」なのか、データから読み解きます。

クラブ別最多優勝ランキング

これまでのACL(および前身のアジアクラブ選手権を含む通算記録)において、最も多くのタイトルを獲得しているクラブはどこでしょうか。

【ACLクラブ別優勝回数ランキング】

  • 1位:アル・ヒラル(サウジアラビア) – 4回
  • 2位:浦項スティーラース(韓国) – 3回
  • 2位:浦和レッズ(日本) – 3回
  • 4位:アル・イテハド(サウジアラビア) – 2回
  • 4位:全北現代モータース(韓国) – 2回
  • 4位:蔚山現代(韓国) – 2回
  • 4位:広州恒大(中国) – 2回
  • 4位:アル・アイン(UAE) – 2回
  • 4位:マッカビ・テルアビブ(イスラエル※現在はUEFA所属) – 2回
  • 4位:エステグラル(イラン) – 2回

圧倒的な存在感を放つのが、サウジアラビアのアル・ヒラルです。通算4回の優勝に加え、準優勝も5回経験しており、決勝進出回数だけで見れば群を抜いています。まさにアジアにおけるレアル・マドリードのような存在と言えるでしょう。日本からは浦和レッズが3回で2位タイにつけており、アジアのエリートクラブとしての地位を確立しています。

国別優勝回数ランキングと特徴

次に、国別の優勝回数を見てみましょう。これは、その国のリーグ全体のレベルを示す指標ともなります。

  • 1位:韓国(Kリーグ) – 12回
  • 2位:日本(Jリーグ) – 8回
  • 3位:サウジアラビア – 6回

※前身大会を含む通算記録です。

国別で見ると、韓国(Kリーグ)が頭一つ抜けています。浦項、城南、全北、蔚山など、複数のクラブが優勝を経験しており、リーグ全体の層の厚さと、アジアの戦いにおける勝負強さが際立っています。日本のJリーグ勢も健闘していますが、特定のクラブにタイトルが集中している傾向があります。

注目すべきは、近年サウジアラビア勢が猛追している点です。国からの強力なバックアップを受け、クリスティアーノ・ロナウドやネイマールといった世界的なスーパースターを獲得するなど、リーグ全体のレベルアップが著しいです。これからのACLは、復活を遂げたサウジアラビア勢に、日本と韓国がどう対抗していくかという構図が強まっていくでしょう。

大会形式の変遷と「ACLE」への進化

ACLは、その歴史の中で何度も大会形式(フォーマット)を変更してきました。そして2024/25シーズンからは、過去最大規模の改革が行われ、「ACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)」として生まれ変わりました。これまでのACLと何が変わったのか、そのポイントを解説します。

「ACL」から「ACLE」へ:選ばれし者たちの戦い

これまでのACLは参加チーム数が多く、グループステージでの実力差が大きい試合も見受けられました。しかし、新設された「ACLE」は、出場枠が24チームに絞り込まれました。これにより、アジア各国のトップ中のトップしか参加できない、まさに「エリート」な大会となりました。

大会形式も大きく変わりました。従来の「4チームごとのグループリーグ」ではなく、東西12チームずつに分かれた「リーグステージ」が採用されました。スイス式トーナメントに似た形式で、各チームは異なる8チームと対戦し、その成績上位8チームが決勝トーナメントに進みます。対戦相手の抽選運による不公平感が減り、より実力が反映されやすいシステムになったと言えます。

優勝賞金の大幅増額と外国人枠の撤廃

大会の価値を高めるために、賞金も大幅に増額されました。ACLEの優勝賞金はなんと1200万ドル(約17〜18億円)に設定されました。これは従来のACL優勝賞金の約3倍にあたり、Jリーグの優勝賞金と比較しても破格の金額です。クラブにとっては、リーグ戦以上に経営へのインパクトが大きい大会となりました。

さらに、戦術面で大きな影響を与えるのが「外国人枠の撤廃」です。これまでは試合に出場できる外国籍選手の数に制限がありましたが、ACLEではこの制限がなくなりました(※各国リーグの登録規定には依存します)。これにより、資金力のある中東のクラブは、ヨーロッパの強豪クラブ並みのスター軍団を形成して挑んでくることが予想されます。Jリーグ勢にとっては脅威ですが、ファンにとっては世界レベルのプレーが見られるチャンスでもあります。

【ACLEの主な変更点まとめ】

  • 大会名が「AFCチャンピオンズリーグエリート」に変更
  • 参加チーム数が40から24に縮小
  • 優勝賞金が約400万ドルから1200万ドルへ約3倍増
  • 外国人選手の出場枠制限が撤廃

ACLを制することの価値とクラブW杯への道

なぜ、各国のクラブはこれほどまでにACL優勝にこだわるのでしょうか。もちろん「アジアNo.1」という称号は魅力的ですが、それ以上に大きな「実利」があるからです。それは、世界への切符である「FIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)」への出場権です。

世界への扉を開く唯一の鍵

ACLで優勝することは、世界の強豪クラブと公式戦で戦える唯一のルートを確保することを意味します。クラブW杯には、ヨーロッパ王者(レアル・マドリードやマンチェスター・シティなど)や南米王者が参加します。通常、Jリーグのクラブがこれらのチームと対戦できるのは親善試合に限られますが、クラブW杯では「世界一」をかけた真剣勝負ができます。

過去には、鹿島アントラーズがレアル・マドリードを延長戦まで追い詰めたり、ガンバ大阪がマンチェスター・ユナイテッドと撃ち合ったりと、世界を驚かせる試合をしてきました。選手にとっても、自身の価値を世界にアピールする絶好の機会となります。

メモ:クラブW杯も新フォーマットへ
2025年からはクラブW杯も32チーム参加の大型大会へとリニューアルされます。ACLの直近の優勝クラブ(アル・ヒラル、浦和レッズ、アル・アイン、そして2024/25の王者)には、この新クラブW杯への出場権が与えられます。ACL優勝の価値は、以前にも増して高まっているのです。

クラブのブランド力と財政への貢献

優勝賞金やクラブW杯の出場給など、金銭的なメリットも計り知れません。獲得した資金は、選手の補強や育成組織の充実、スタジアムの改修などに投資でき、クラブをより強くする好循環を生み出します。また、「アジア王者」という肩書きは、海外のスポンサーを獲得したり、優秀な外国籍選手をリクルートする際にも大きな武器となります。

まとめ

まとめ
まとめ

今回は「ACL歴代優勝」をキーワードに、歴代のアジア王者や日本勢の激闘の歴史、そして新しくなったACLEについて解説してきました。記事の要点を振り返りましょう。

  • 歴代最多優勝はサウジアラビアのアル・ヒラル(4回)
  • 日本勢では浦和レッズ(3回)、ガンバ大阪、鹿島アントラーズが優勝を経験している。
  • 国別では韓国勢が最多優勝回数を誇り、日本とサウジアラビアが追う展開。
  • 2024/25シーズンからは「ACLE」となり、賞金増額やフォーマット変更でさらにレベルが高まった。
  • 優勝することで、巨額の賞金とクラブW杯への出場権が得られる。

ACLは、単なるアジアの大会という枠を超え、世界へとつながる夢の舞台です。過去の歴史を知ることで、これから繰り広げられる熱戦の重みがより深く理解できるはずです。これからの日本勢が、強力なライバルたちを倒して再びアジアの頂点に立つ瞬間を、ぜひ一緒に応援しましょう。

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