2026年ワールドカップ（アメリカ・カナダ・メキシコ3か国共催）の開催がいよいよ近づいてきました。組み合わせ抽選会（ファイナルドロー）の動向も気になるところですが、多くのサッカーファンにとって最大の関心事は「チケットの値段」と「購入方法」ではないでしょうか。
「チケットはいつから買えるの？」「いくら用意すればいい？」という疑問を持つ方に向けて、最新の販売フェーズや価格相場、確実にチケットを手に入れるためのポイントをわかりやすく解説します。史上最大規模となる48カ国参加の熱狂を現地で味わうために、今すぐ準備を始めましょう。
2026 ワールドカップ チケット 値段の相場と販売価格
まずは、一番気になるチケットの「値段」について解説します。2026年大会は3か国での広域開催となるため、移動費も含めた予算計画が重要になりますが、ここではチケット単体の価格設定にフォーカスします。
公式販売価格の目安（最安値から最高値まで）
FIFA（国際サッカー連盟）の公式発表や直近の販売データによると、グループステージの最も手頃なチケット（カテゴリー4など）は、およそ60米ドル（約9,000円〜10,000円前後）から設定されています。これは過去の大会と比較しても、インフレを考慮すれば「想定内」の価格設定と言えるでしょう。
一方で、決勝戦や準決勝といった重要な試合の特等席（カテゴリー1）は、価格が跳ね上がります。決勝戦の最も高額な一般チケットは、6,000米ドル（約90万円以上）を超えるとされており、同じ大会でも試合の重要度によって100倍以上の価格差があるのが特徴です。まずは「自分がどのステージ（予選か決勝か）を見に行きたいか」で予算が大きく変わることを覚えておきましょう。
「ダイナミックプライシング」と価格高騰の注意点
今回のアメリカ・カナダ・メキシコ大会で特に話題になっているのが、需要に応じて価格が変動するシステムの導入検討や、転売市場での価格高騰です。当初、公式販売でも大幅な変動価格制（ダイナミックプライシング）が懸念されていましたが、FIFAは一般チケットに関してはある程度の固定価格帯を維持する方針を示しています。
しかし、公式のプラットフォーム外や、一部のプレミアムな座席では、人気カード（例：アルゼンチン戦やブラジル戦、開催国の試合）の価格が急騰する傾向にあります。特にマイアミやロサンゼルス、ニューヨークといった人気都市での試合は、定価の数倍で取引されるケースも珍しくありません。「定価で買えたらラッキー」という心構えが必要かもしれません。
開催国（アメリカ・カナダ・メキシコ）による通貨の違い
本大会は3か国で開催されますが、チケット購入時の決済通貨には注意が必要です。基本的にはFIFAのシステム上で米ドル（USD）が基準となるケースがほとんどですが、開催地によっては現地通貨（カナダドル、メキシコペソ）での表示や決済が適用される場合があります。
特に最近は円安の影響も受けるため、日本から購入する場合は「表示価格×為替レート」に加えて、クレジットカードの為替手数料も計算に入れる必要があります。60ドルのチケットでも、日本円での支払いは1万円近くになる可能性があるため、余裕を持った資金計画を立てておきましょう。
リセール市場の手数料に要注意
もし公式販売でチケットが取れなかった場合、公式のリセール（再販）プラットフォームを利用することになります。ここで注意したいのが、2026年大会特有の「手数料」です。報道によると、公式リセールで購入する場合、買い手と売り手の双方に高額な手数料（合計で30%程度など）がかかる仕組みが導入されています。
例えば、1,000ドルのチケットをリセールで買う場合、手数料が加算されて支払総額がさらに高くなる可能性があります。「定価」だけでなく、この「見えないコスト」も予算に組み込んでおくことが、現地で資金不足にならないための重要なポイントです。
チケットの種類と座席カテゴリーの選び方
ワールドカップのチケットは、単に「1試合を見る」ものだけでなく、複数のセット販売や特定のチームを追いかけるタイプなどがあります。自分の観戦スタイルに合った種類を選びましょう。
4つの座席カテゴリー（Cat 1〜4）の違い
座席は大きく分けて4つのカテゴリー（Category 1〜4）に分類されます。
・カテゴリー1（Cat 1）： メインスタンドやバックスタンドの中央エリア。ピッチ全体が見渡せる最高の場所ですが、値段も最も高額です。
・カテゴリー2（Cat 2）： コーナー付近や、カテゴリー1の外側に位置する席。臨場感と価格のバランスが良いエリアです。
・カテゴリー3（Cat 3）： ゴール裏や上層スタンド。サポーターの熱気を近くで感じたい人におすすめです。
・カテゴリー4（Cat 4）： 最も安価な席で、通常はゴール裏の上段や最上階エリアに設定されます。開催国の居住者向けに優先販売されることもありますが、一般販売されるケースもあります。
「個別試合チケット」と「チーム別シリーズ」
チケットの買い方には、主に以下のパターンがあります。
・シングルマッチチケット（Individual Match Tickets）：
特定の1試合のみを指定して購入する最も一般的なタイプです。「決勝だけ見たい」「ロサンゼルス観光のついでに1試合見たい」という人に最適です。
・チームサポーターチケット（Team Specific Ticket Series）：
「日本代表の試合を全部見たい！」というファンのためのセット券です。グループステージ3試合のセットや、決勝まで勝ち進んだ場合の権利付きチケットなどがあります。もし応援するチームが予選敗退した場合、決勝トーナメント分は返金されるか、または「その会場で行われる別の試合」のチケットに変更される等のルールが適用されます（購入時要確認）。
「会場別シリーズ」で移動を減らす
広大な北米大陸を移動するのは大変です。そこで便利なのが「ベニュー・スペシフィック・チケット（Venue Specific Ticket Series）」です。これは「ニューヨーク・ニュージャージー会場の全試合」や「ダラス会場の4試合」といったように、特定のスタジアムで開催される試合をセットにしたものです。
これならホテルを1か所に固定して滞在できるため、移動費や疲労を抑えられます。「どの国が来るかわからないけど、ワールドカップの雰囲気をたっぷり味わいたい」という方には、この会場別シリーズが非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
バリアフリー対応チケットについて
車椅子利用者や移動に制限がある方向けの「アクセシビリティチケット（Accessibility Tickets）」も用意されています。通常、このチケットには介助者1名分の座席が無料で（または非常に安価で）付帯することが一般的です。
会場内では専用の入り口や観戦エリアが設けられており、快適に観戦できるよう配慮されています。購入時には証明書の提出が必要になる場合がありますが、誰もがワールドカップを楽しめるよう設計されていますので、必要な方は必ずチェックしてください。
確実に手に入れるための購入方法と販売スケジュール
「いつ買えるのか？」を知ることは、チケット確保の戦いにおいて最も重要です。2026年大会の販売スケジュールは複数のフェーズに分かれています。
【重要】現在の販売状況と次回のチャンス（2025年12月時点）
2025年9月に行われた「Visa先行販売」や、10月の「早期抽選販売」はすでに終了しています。「もう買えないの？」と焦る必要はありません。実は、これからが本番です。
2025年12月初旬のファイナルドロー（組み合わせ抽選会）で対戦カードが決まった直後から、「ランダムセレクションドロー（第3フェーズ）」と呼ばれる大規模な抽選申し込みが開始されます（2025年12月11日〜2026年1月頃を予定）。これが、一般のファンが定価でチケットを入手する最大のチャンスです。
FIFA公式サイトでの申し込み手順
チケット購入は、原則としてFIFAの公式サイト（FIFA.com/tickets）からのみ行います。手順は以下の通りです。
1. FIFA IDの作成： メールアドレスや個人情報を登録してアカウントを作ります（無料）。
2. 申し込み（Apply）： 販売期間中に、希望の試合とカテゴリー、枚数を選択してエントリーします。抽選制の場合、早く申し込んでも当選確率は変わりません。
3. 当選発表と支払い： 当選メールが届いたら、指定された期間内にクレジットカード（Visaカード推奨）で決済を完了させます。支払いが遅れると当選が無効になるので注意が必要です。
「先着販売フェーズ」の攻略法
抽選販売が終わった後、2026年の春頃（大会直前）に「ラストミニット販売（Last-Minute Sales Phase）」が行われます。これは完全な早い者勝ち（先着順）です。
このフェーズを勝ち抜くコツは、販売開始時刻の数時間前から公式サイトにアクセスし、「待機室（Queue）」に並ぶことです。パソコンとスマホなど複数の端末を準備する人もいますが、ブラウザの更新ボタンを連打すると列の最後尾に飛ばされることがあるので、画面の指示に従ってじっと待つのが鉄則です。
「Right to Buy」デジタルアセットとは？
今大会で注目されている新しい試みが「FIFA Collect」などを通じたデジタルアセット（NFTのようなもの）の活用です。「Right to Buy（購入権）」が付与されたデジタルアイテムを持っていると、抽選を経ずに優先的にチケットを購入できる権利が得られる場合があります。
ただし、これらは投機的な側面もあり、システムが複雑な場合が多いです。一般的なファンであれば、まずは公式サイトの通常の抽選・先着販売に集中するのが安全かつ確実なルートと言えるでしょう。
特別な観戦体験！ホスピタリティパッケージの値段と内容
「抽選に外れてしまった」「並ぶのは嫌だ」「一生に一度だから贅沢したい」という方には、ホスピタリティパッケージという選択肢があります。これは、観戦チケットに飲食やラウンジ利用権がセットになった高付加価値商品です。
一般チケットよりも早く購入できるメリット
ホスピタリティパッケージの最大の特徴は、「確約」されていることです。一般チケットの抽選結果を待つことなく、在庫さえあれば今すぐにでも購入可能です。公式プロバイダー（今大会はOn Location社など）を通じて販売されており、お金さえ払えば確実に席を確保できるため、旅行のスケジュールを早く固めたい人には大きなメリットがあります。
ラグジュアリーな食事やラウンジ利用
値段は2,000米ドル（約30万円）〜と高額ですが、その分サービスは豪華です。試合前後にスタジアム内の専用ラウンジでビュッフェ形式の食事や、アルコールを含むドリンクが飲み放題になります。
真夏の開催となる北米大会では、空調の効いたラウンジで涼めるのは体力的に大きな助けになります。専用のゲートから並ばずに入場できるVIP待遇も、混雑必至のワールドカップでは非常に魅力的です。
宿泊付きパッケージの利便性
さらに高額なプランになると、スタジアム近くの高級ホテル宿泊や、ホテルからスタジアムへの送迎バスが含まれたパッケージもあります。開催都市のホテルは大会期間中、予約困難かつ価格が高騰するため、ホテル探しに奔走するストレスから解放されるのは大きな価値があります。
法人や団体での利用におすすめ
ホスピタリティパッケージには、10名以上で利用できるプライベートスイート（個室）プランもあります。企業の接待や、サッカーチームの仲間同士での豪華なツアーとして利用されることが多いです。スイートプランの場合、価格は数百万円〜数千万円規模になりますが、完全なプライベート空間でワールドカップを観戦できる体験は、他には代えがたいものです。
詐欺に注意！チケット購入時のトラブル対策と注意点
ワールドカップのような世界的イベントでは、残念ながらチケット詐欺やトラブルが多発します。大切な資金を無駄にしないために、防衛策を知っておきましょう。
必ずFIFA公式サイトを経由する重要性
最も基本的かつ重要なルールは、「FIFA公式サイト、またはFIFAが認定した公式代理店以外からは買わない」ことです。Google検索で上位に出てくるチケット販売サイトの中には、公式のように見せかけた「転売仲介サイト」が多く混ざっています。
非公式サイトで購入したチケットは、スタジアムの入場ゲートで無効と判定されるリスクがあります。実際、過去の大会でも「高額で買ったのにゲートを通れなかった」というトラブルが報告されています。
SNSや非公式転売サイトの危険性
X（旧Twitter）やInstagramなどのSNSで「チケット譲ります」という投稿を見かけることがありますが、個人間取引は極めて危険です。「先にお金を振り込んだら連絡が取れなくなった」という詐欺被害が後を絶ちません。
また、StubHubやviagogoといった有名なチケット売買サイトであっても、FIFAの規約上は「非公式」な流通ルートと見なされる場合があります。万が一入場できなかった場合、サイト側が返金保証をしてくれても、「現地まで行った交通費や宿泊費」までは補償されません。リスクを避けるなら、公式ルート一択です。
電子チケット（モバイルアプリ）の仕組み
2026年大会のチケットは、基本的にすべてモバイルチケット（スマホアプリ）で発券されます。紙のチケットは記念品などを除き、原則廃止される傾向にあります。
入場時には、専用アプリに表示されるQRコードをかざします。このQRコードは、スクリーンショット（画面キャプチャ）では無効になるよう動的に変化する仕様になっていることが多いため、「友人からスクショを送ってもらって入場する」ことはできません。スマホの充電切れや、現地でのインターネット通信環境の確保も、チケット管理の一環として準備しておきましょう。
ビザや渡航費も予算に組み込もう
チケット代の確保と同時に忘れてはならないのが、渡航手続きです。
・アメリカ： ESTA（エスタ）
・カナダ： eTA（イーティーエー）
・メキシコ： 基本的に日本人は観光ビザ免除（条件による）
これら3か国をまたいで移動する場合、それぞれの入国条件を満たす必要があります。また、航空券やホテル代も大会期間中は高騰します。チケット代だけに予算を使い果たしてしまい、「チケットはあるのに現地に行けない」とならないよう、トータルの予算管理を徹底してください。
まとめ：2026 ワールドカップ チケット 値段情報をチェックして観戦準備を始めよう
2026年ワールドカップのチケットは、グループステージの最安値で約60ドルから販売されますが、決勝戦や人気カードは高額になり、リセール市場ではさらなる価格高騰も予想されます。購入のチャンスは、2025年12月から始まる「ランダムセレクションドロー（抽選）」が最大の山場です。
【記事の要点】
・公式価格は60ドル〜6,000ドル以上と幅が広い。
・2025年12月11日頃からの抽選申し込みが最重要。
・確実に買うなら「ホスピタリティパッケージ」も検討する。
・詐欺を防ぐため、必ずFIFA公式サイトを利用する。
・アメリカ・カナダ・メキシコの移動費やビザも忘れずに準備する。
3か国共催という歴史的な大会を現地で目撃することは、一生の思い出になるはずです。まずはFIFA公式サイトでアカウントを作成し、最新の販売フェーズを見逃さないようにすることから始めましょう。しっかりと情報を集めて準備をすれば、夢のワールドカップ観戦は決して遠い夢ではありません。
