欧州サッカーを観戦していると、チャンピオンズリーグ以外にも「ヨーロッパリーグ(UEL)」や「カンファレンスリーグ(UECL)」という名前をよく耳にするようになりました。しかし、これら二つの大会にどのような違いがあるのか、正確に把握できている方は意外と少ないかもしれません。特にカンファレンスリーグは近年新設されたばかりの大会であるため、格付けや出場条件が少し複雑に感じられることもあります。
この記事では、ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグの違いを、サッカー初心者の方にも分かりやすく丁寧に解説します。大会ごとのレベルの差や、どの順位のチームが出場できるのか、そして優勝することで得られるメリットなど、知っておきたいポイントを網羅しました。この記事を読めば、欧州カップ戦の全体像がはっきりと見えてくるはずです。日本人選手の活躍も増えている両大会の魅力を、一緒に深掘りしていきましょう。
ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグの違いとは?基本の仕組みと歴史

欧州サッカー連盟(UEFA)が主催するクラブチームの国際大会には、現在3つの主要なカテゴリーが存在します。これらは明確な階層構造になっており、チームの実力やリーグ戦の成績によって参加する大会が分かれています。まずは、それぞれの大会がどのような位置づけにあるのか、その基本的な格付けと歴史的な背景から見ていきましょう。
欧州クラブ大会における3つの格付け
欧州のクラブチームが目指す頂点は、言わずと知れた「UEFAチャンピオンズリーグ(UCL)」です。これは欧州で最も権威のある大会であり、各国のトップリーグで上位に入ったチームだけが参加を許されます。その一つ下のカテゴリーに位置するのが「UEFAヨーロッパリーグ(UEL)」であり、さらにその下に2021-22シーズンから新設されたのが「UEFAカンファレンスリーグ(UECL)」です。
このように、欧州の大会は「1部・2部・3部」のようなピラミッド型の構造になっています。かつてはチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの二層構造でしたが、現在は3つの大会が並行して開催される形となりました。これにより、より多くのクラブが欧州規模の真剣勝負を経験できる環境が整えられています。格付けが下だからといって注目度が低いわけではなく、どの大会も欧州制覇の名誉をかけた激しい戦いが繰り広げられます。
特にヨーロッパリーグは、かつての「UEFAカップ」の流れを汲む伝統ある大会です。一方でカンファレンスリーグは、より幅広い国のクラブにチャンスを与えるために誕生した新しい舞台という側面を持っています。これらの違いを理解することは、複雑な欧州サッカーの勢力図を読み解くための第一歩となります。
カンファレンスリーグが設立された背景
なぜ従来の二つの大会に加えて、わざわざカンファレンスリーグが新設されたのでしょうか。その最大の理由は、「欧州サッカーの門戸を広げること」にあります。これまでの仕組みでは、イングランドやスペインといった主要リーグのチームが上位大会を独占しがちで、小規模な国のクラブが本戦に出場する機会が非常に限られていました。
UEFAは、より多くの国や地域に欧州の舞台で戦う喜びを提供し、各国のリーグレベルを底上げすることを目指しました。カンファレンスリーグができたことで、これまで予選敗退で終わっていた中堅国の王者や、主要リーグの中位クラブにもタイトル獲得のチャンスが巡ってくるようになったのです。これは欧州全体のサッカー文化を活性化させる上で非常に大きな意義を持っています。
また、試合数が増えることで放映権料や入場料収入などの経済的なメリットが多くのクラブに分配されることも、新設の背景にあると言われています。ファンにとっても、自分の応援するチームが欧州の舞台で戦う姿を見る機会が増えるのは喜ばしいことです。このように、カンファレンスリーグは多様性と成長を促すための「第3の舞台」として重要な役割を担っています。
大会ごとのレベル感と参加チームの傾向
大会のレベル感を比較すると、やはりヨーロッパリーグの方が一段高い位置にあります。UELには、主要リーグでチャンピオンズリーグ出場権を惜しくも逃した5位や6位のチーム、あるいは各国のカップ戦優勝者が集まります。そのため、アーセナルやリヴァプール、ASローマといった世界的なビッグクラブが名を連ねることも珍しくありません。
対してカンファレンスリーグは、主要リーグの6位や7位といったチームに加え、中堅国のリーグを制覇したチームが多く参加します。UELに比べると参加チームのネームバリューはやや控えめになる傾向がありますが、それでも侮ることはできません。各国の誇りを背負ったチーム同士の対戦は非常に熱く、戦術的な工夫や隠れた名選手の発見といった楽しみ方ができるのもUECLの魅力です。
また、大会が進むにつれて上位大会のグループステージで敗退したチームが合流する仕組み(※2023-24シーズンまで)があったため、最終的な決勝トーナメントのレベルは非常に高くなります。2024-25シーズンからの新フォーマット導入により細かなルールは変更されましたが、UELが「準エリート層の激突」、UECLが「欧州全土を巻き込む熱狂の舞台」という基本的なカラーに変わりはありません。
【ポイント:3つの大会の序列】
1. UEFAチャンピオンズリーグ(最高峰の舞台)
2. UEFAヨーロッパリーグ(各国の強豪が集まる第2の舞台)
3. UEFAカンファレンスリーグ(より多くのクラブにチャンスがある第3の舞台)
どちらに出場できる?リーグ順位やカップ戦による出場条件の差

応援しているチームがどちらの大会に出るのかを決めるのは、主に前シーズンの国内リーグでの順位とカップ戦の結果です。しかし、この出場枠の割り当ては非常に複雑で、それぞれの国の「カントリー・ランキング(UEFA係数)」によって大きく異なります。ここでは、ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグの出場枠がどのように決まるのかを詳しく紐解いていきましょう。
ヨーロッパリーグ(UEL)への主な出場枠
ヨーロッパリーグへの出場権を得るためのスタンダードなルートは、主要リーグにおいてチャンピオンズリーグ出場圏内のすぐ下の順位でシーズンを終えることです。例えば、イングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガでは、通常5位のチームがUELへの切符を手にします。また、各国の国内カップ戦(日本の天皇杯に相当するもの)の優勝者にも、UELへの優先的な出場権が与えられるのが一般的です。
もし国内カップ戦の優勝者が、すでにリーグ戦の結果でチャンピオンズリーグへの出場権を獲得している場合は、リーグ戦の順位に基づいた次点のチームに権利が繰り下げられます。このように、UELは各国のトップクラスのチームが集まるように設計されています。単に順位が高いだけでなく、「タイトルホルダー」としての実力を持つチームが集結するため、大会全体の格調が保たれているのです。
さらに、チャンピオンズリーグの予選で敗退したチームも、敗退したラウンドに応じてUELに回ってくる仕組みがあります。これにより、非常に実力のあるチームがUELに流れ込むことになり、大会の競争力はさらに高まります。ファンにとっては、非常に見応えのあるカードが予選段階から楽しめる理由の一つとなっています。
カンファレンスリーグ(UECL)への主な出場枠
カンファレンスリーグへの出場条件は、より幅広い順位のチームに関係してきます。主要リーグにおいては、リーグ戦で6位や7位といった「中上位」に位置するチームが出場枠を得ることが多いです。イングランドの場合、リーグカップ(カラバオカップ)の優勝者にUECLの出場権が与えられますが、上位チームが優勝した場合はリーグ戦の順位によって枠がスライドします。
UECLの大きな特徴は、UEFAランキングで下位に位置する国々のクラブにも多くの枠が用意されている点です。これにより、エストニアやマルタ、アイスランドといった国のチームも欧州の舞台で戦うことが可能になります。彼らにとっては、この大会に出場すること自体がクラブの歴史を塗り替えるような大事件であり、毎試合が決勝戦のような緊張感に包まれます。
また、ヨーロッパリーグの予選で敗退したチームも、このカンファレンスリーグへ合流するルートが確保されています。上位大会を目指して届かなかったチームが、心機一転して「欧州タイトル」を目指す場所としての役割も果たしています。出場枠の幅広さが、大会に多様なプレースタイルとドラマチックな展開をもたらしていると言えるでしょう。
リーグランキングによって変わる出場チーム数
欧州の大会における各国の出場枠数は、過去5年間の欧州大会での成績を数値化した「UEFAカントリー・ランキング」によって厳格に決められています。このランキングが高い国ほど、より多くの上位大会出場枠を確保できます。例えば、ランキングトップのイングランドやイタリアは、自動的に多くのチームがUCLやUELに送り込まれる仕組みです。
逆にランキングが低い国は、UCLやUELへの直接の出場枠がほとんどなく、大半のチームがカンファレンスリーグの予選からスタートすることになります。この格差は厳しい現実ではありますが、カンファレンスリーグで勝利を積み重ねることで自国のランキングポイントを稼ぎ、将来的にUELやUCLの枠を増やすという道も残されています。つまり、UECLでの戦いは自国のサッカー界全体の未来を背負った戦いでもあるのです。
この係数システムがあるため、ファンは自分の国のチームだけでなく、同じリーグに所属するライバルチームの欧州での戦績にも注目することになります。ライバルが勝つことでリーグ全体のポイントが上がり、翌年以降の自分のチームの出場条件が有利になる可能性があるからです。このように、ランキングシステムは欧州サッカーに独特の連帯感と競争意識を生み出しています。
上位大会からの敗退チームが合流する仕組み
欧州カップ戦をより面白く、かつ複雑にしているのが「敗者復活」のような合流システムです。これまで、チャンピオンズリーグのグループステージで3位になったチームは、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントプレーオフへと戦いの場を移していました。同様に、ヨーロッパリーグのグループ3位チームはカンファレンスリーグへと降格合流する形になっていました。
この仕組みにより、UELやUECLの終盤には、本来一つ上のカテゴリーで戦っていた強豪チームが参戦してくることになります。大会のレベルが一気に跳ね上がる瞬間であり、ドラマチックな番狂わせが起きやすいポイントでもあります。ただし、2024-25シーズンからの新フォーマットでは、この「大会をまたいだ降格」が廃止され、各大会の中で完結する仕組みへと移行しました。
新ルールでは、各大会の参加チームが最初から最後までその大会の中で順位を競うことになります。これにより、以前のように「上位大会から強豪が降りてきて優勝をさらっていく」という現象がなくなり、最初からその大会に出場していたチームにとってタイトルの価値がより明確になりました。ルールの変遷を知ることで、現在の大会形式がいかに公平性を重視して作られているかが理解できます。
試合形式とスケジュール!大会フォーマットの共通点と相違点

ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグは、試合が開催されるタイミングや大会の進行形式において多くの共通点を持っています。しかし、参加チーム数や細かいレギュレーションには若干の違いが存在します。特に2024-25シーズンから導入された大規模なリニューアルにより、これまでの「グループステージ」という概念が大きく変わりました。新しい大会形式の特徴を整理してみましょう。
リーグフェーズの導入と新しい大会方式
これまでの欧州大会では、4チームずつに分かれたグループステージが行われてきましたが、新フォーマットでは「リーグフェーズ」という一括管理の方式が採用されました。UELとUECLのどちらも、全36チームが一つの大きなリーグに所属し、それぞれ異なる相手と一定数の試合を行います。UELでは各チームが8試合(ホーム4試合、アウェイ4試合)を行うのに対し、UECLでは6試合(ホーム3試合、アウェイ3試合)を行うという違いがあります。
この新方式の狙いは、より多くのチームと対戦機会を増やし、実力が拮抗したカードを増やすことにあります。以前のように特定のチームと2回ずつ戦うのではなく、多くの対戦相手と1回ずつ戦うことで、より新鮮なマッチアップが楽しめるようになりました。また、最終的な順位が1位から36位まで一つの表で管理されるため、得失点差一つで順位が大きく変動するスリリングな展開が期待できます。
リーグフェーズの上位8チームは、自動的に決勝トーナメント(ラウンド16)に進出します。一方で9位から24位のチームは、残り8枠をかけた「プレーオフ」を戦わなければなりません。25位以下のチームはその時点で敗退となり、上位大会への合流もありません。このシビアなルール変更により、どの試合も手を抜けない緊張感のあるものへと進化しました。
プレーオフやノックアウトステージの流れ
リーグフェーズを勝ち抜いた後は、サッカーファンにはお馴染みの「ノックアウトステージ」が始まります。ここではホーム&アウェイ方式の2試合合計スコアで勝敗を決める形式が取られます。UELとUECLのどちらも、決勝戦だけはあらかじめ決められた都市の中立地で、一発勝負の決勝戦が行われます。このファイナルの舞台に立つことは、どんなクラブにとっても最高の栄誉です。
注目すべきは、リーグフェーズからノックアウトステージへのつなぎ目となる「プレーオフ」の存在です。9位から24位という幅広い順位のチームにチャンスが残されているため、逆転劇が起きやすい構造になっています。リーグ戦で多少出遅れたとしても、このプレーオフで強豪を破れば一気に頂点まで駆け上がる道が開かれます。
また、ノックアウトステージの組み合わせ抽選においても、リーグフェーズの順位が考慮される仕組みになっています。上位で通過したチームほど、理論上は対戦相手の抽選で有利になる可能性が高いため、リーグフェーズの最後まで高いモチベーションを維持して戦うことが求められます。こうした緻密な設計が、大会全体のクオリティを高めている要因となっています。
試合が行われる曜日と放送時間のスケジュール
欧州カップ戦を視聴する際に覚えておきたいのが、開催曜日のルールです。チャンピオンズリーグが火曜日と水曜日の夜に行われるのに対し、ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグは原則として木曜日の夜(日本時間では金曜日の早朝)に開催されます。同じ曜日に膨大な数の試合が行われるため、ファンにとっては非常に忙しい「木曜の夜」となります。
キックオフ時間は、欧州の現地時間で夕方の部と夜の部の2つのスロットに分けられることが一般的です。これにより、テレビ放送などの枠が重なりすぎないよう配慮されています。日本で視聴する場合は、深夜2時台や4時台といった非常に早い時間帯になるため、ライブで観戦するにはかなりの気合が必要ですが、欧州サッカーの熱気をリアルタイムで味わえる貴重な時間です。
なお、特別な事情(スタジアムの重複利用など)がある場合に限り、稀に火曜日や水曜日に試合が前倒しされることもありますが、基本的には「木曜日はUELとUECLの日」と覚えておけば間違いありません。週末の国内リーグ戦への影響を考慮し、木曜に試合を行ったチームは、国内リーグの試合が日曜日や月曜日に設定されるなどの調整が行われるのも、欧州サッカー界の日常的な光景です。スケジュールを把握しておくことで、応援するチームの過密日程をより深く理解できるようになります。
【豆知識】UELとUECLの決勝戦は、それぞれ5月の後半に行われます。チャンピオンズリーグの決勝戦が行われる直前の週に設定されることが多く、まさに欧州シーズンのクライマックスを彩る重要なイベントとなっています。
優勝のメリットは?賞金や次年度の出場権における違い

ヨーロッパリーグやカンファレンスリーグを制覇することには、単に「トロフィーを掲げる」以上の大きな実利が伴います。特に規模の小さなクラブにとって、これらの大会での成功はクラブの歴史を大きく変え、財政的な基盤を強固にする絶好の機会です。ここでは、優勝チームに与えられる豪華な特典や、大会間で生じる経済的な格差について詳しく見ていきましょう。
優勝チームに与えられる上位大会への切符
両大会において最も大きな魅力の一つが、優勝することで翌シーズンの「上のカテゴリー」への出場権が得られるという点です。ヨーロッパリーグで優勝したチームには、翌シーズンのチャンピオンズリーグ(UCL)への出場権が自動的に与えられます。しかも、国内リーグの順位に関わらず「ポット1(最上位シード)」として扱われるため、非常に有利な条件で最高峰の舞台に挑戦できるのです。
同様に、カンファレンスリーグの優勝チームには、翌シーズンのヨーロッパリーグ(UEL)への出場権が与えられます。これにより、中堅クラブが段階的にステップアップしていく道筋が明確になっています。例えば、UECLで優勝して翌年はUELへ、そこでさらに力をつけてUCLへ……という「欧州ドリーム」を駆け上がることが理論上可能になっています。
このルールがあるため、国内リーグでトップ4に入るのが難しいチームであっても、カップ戦に全力を注いで優勝することで、一気にチャンピオンズリーグへの切符を掴み取ることができます。実際に、リーグ戦では苦戦しながらもUELで優勝し、翌年堂々とUCLを戦ったチームは過去にいくつも存在します。この一発逆転のチャンスがあるからこそ、どのチームも欧州カップ戦を最後まで諦めずに戦い抜くのです。
賞金やテレビ放映権料による経済的な格差
大会の格付けが異なる以上、得られる賞金や放映権料にも明確な差が存在します。一般的に、ヨーロッパリーグの賞金総額はカンファレンスリーグよりも高額に設定されています。本戦に出場するだけでもらえる「参加賞」的な報奨金から、勝利ごとのボーナス、そして勝ち進むごとに積み上がる進出賞金まで、UELの方がリッチな配分になっています。
具体的な金額は年度によって変動しますが、UELでの優勝はクラブに数千万ユーロ規模の増収をもたらす可能性があります。一方で、カンファレンスリーグの賞金はそれよりは控えめですが、小規模なクラブにとっては年間予算の大部分をカバーできるほどの巨額であることに変わりはありません。また、UECLは試合数が確保されているため、入場料収入やマッチデー収益を安定して見込めるというメリットもあります。
さらに重要なのがテレビ放映権の分配金です。全世界で放送される欧州大会の注目度は高く、放送される試合数に応じてクラブには多額の分配金が入ります。UELの方が世界的なビッグクラブとの対戦が多いため、テレビマネーの面でも有利になる傾向があります。しかし、UECLも新設以来、着実に視聴者数を伸ばしており、クラブ経営に及ぼすポジティブな影響は計り知れません。
クラブランキング(係数)への影響と重要性
大会での勝利は、クラブ単体の「UEFAクラブ係数」を向上させるためにも極めて重要です。この係数は、過去5年間の欧州大会での成績を数値化したもので、将来の大会におけるシード権(組み合わせ抽選の有利さ)に直結します。UELやUECLでコンスタントに勝利を積み重ねることで、クラブの格付けが上がり、より対戦相手に恵まれる「上位ポット」に入ることができるようになります。
興味深いことに、勝利でもらえるポイント自体は、UCL、UEL、UECLのどの大会でも基本的には同じように設定されています(ボーナスポイントなどは異なりますが)。つまり、レベルの高いUCLで負け続けるよりも、UECLで勝ち進んで多くのポイントを稼ぐ方が、クラブの係数を上げるという点では効率的な場合もあるのです。これにより、中堅クラブが欧州での実績を地道に積み上げることが可能になっています。
高い係数を保持することは、スカウティングや選手の獲得においても有利に働きます。「常に欧州大会で上位に食い込むクラブ」という評価は、有望な若手選手を惹きつける大きな武器になるからです。このように、目に見える賞金だけでなく、将来を見据えた無形の資産を築ける点も、これらの大会で結果を出すことの大きな意義と言えるでしょう。
| 項目 | ヨーロッパリーグ (UEL) | カンファレンスリーグ (UECL) |
|---|---|---|
| 優勝特典 | 翌年のUCL出場権 | 翌年のUEL出場権 |
| 賞金額 | 比較的高い | 中程度 |
| 主な参加層 | 主要リーグの5〜6位、カップ戦王者 | 主要リーグの6〜7位、中堅リーグ上位 |
| 注目度 | ビッグクラブ参戦で非常に高い | 欧州全土のクラブによる多様性が魅力 |
注目のクラブと見どころ!日本人選手の活躍もチェック

ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグには、チャンピオンズリーグとはまた違った独特の魅力があります。それは、普段はあまり目にする機会がない各国の強豪チームや、急成長を遂げている新興勢力の戦いが見られることです。また、近年は多くの日本人選手がこれらの舞台で主力として活躍しており、私たち日本のファンにとっても見逃せない大会となっています。
UEL・UECLで戦うビッグクラブの存在感
ヨーロッパリーグの醍醐味は、時としてチャンピオンズリーグ顔負けの豪華な顔ぶれが揃うことです。プレミアリーグのビッグ6(リヴァプール、アーセナル、マンチェスター・ユナイテッドなど)や、セリエA、ラ・リーガの伝統ある名門クラブが参加する場合、大会の華やかさは一気に増します。これらのチームにとっては「優勝して当たり前」というプレッシャーがかかる一方で、中堅クラブにとっては「ジャイアントキリング(金星)」を狙う最高の舞台となります。
一方のカンファレンスリーグでも、フィオレンティーナやアストン・ヴィラといった、主要リーグでもトップを脅かすほどの実力を持つチームが初代王者を狙って本気で戦う姿が見られます。これまで欧州のタイトルに縁がなかったクラブが、この新設大会での初優勝を目指して死に物狂いでプレーする姿は、ファンの心を強く打ちます。伝統的な強豪と、新たな歴史を作ろうとするチームが交錯する熱気は、UECLならではの見どころです。
また、これら二つの大会は、若手選手の登竜門としても機能しています。将来のスター候補が欧州デビューを飾り、その才能を世界に知らしめる瞬間を何度も目撃することができます。戦術的にも、最新のトレンドを取り入れた新進気鋭の監督たちが自慢の采配を振るう場となっており、サッカーファンなら思わず唸ってしまうような高度な攻防が随所に繰り広げられます。
多くの日本人選手が挑戦する「登竜門」としての価値
現在、欧州の主要リーグでプレーする日本人選手はかつてないほど増えており、その多くがUELやUECLの舞台に立っています。例えば、三笘薫選手や遠藤航選手、久保建英選手といった日本代表の主軸たちも、これらの大会で欧州での経験を積み、さらなるステップアップを果たしてきました。日本のファンにとっては、週半ばの早朝に日本人選手の活躍をチェックするのが恒例行事となっています。
特にカンファレンスリーグは、日本人選手が所属するベルギーやオランダ、スコットランドといったリーグのクラブが多く参加するため、非常に親しみやすい大会です。日本人選手同士の直接対決「日本人ダービー」が欧州の舞台で実現することも珍しくありません。異国の地で、現地のファンから絶大な支持を受ける日本人選手の姿を見るのは、誇らしくもあり、応援にも熱が入ります。
UELやUECLでコンスタントに結果を残すことは、選手自身の市場価値を高めることにも直結します。ここで活躍して強豪クラブのスカウトの目に留まり、ビッグ移籍を勝ち取るという成功ストーリーがいくつも生まれています。まさに、次世代のスターが羽ばたくための「最高のショーケース」となっているのです。日本人選手が欧州のタイトルを掲げる姿を見られる可能性が高いのも、これらの大会に注目すべき理由の一つです。
中堅クラブが欧州制覇を目指す熱い戦い
チャンピオンズリーグが固定化された一部のエリートクラブによる争いになりがちなのに対し、UELとUECLは「誰にでもチャンスがある」という希望に満ちた大会です。各国のリーグでは中堅に位置するクラブが、欧州全土から集まったライバルをなぎ倒し、トロフィーに手をかける。そのプロセスには、多くの感動的な物語が詰まっています。
地元に根ざした小規模なクラブが欧州遠征を行い、数千人のファンが国境を越えて応援に駆けつける光景は、サッカーが持つ地域性や情熱を改めて感じさせてくれます。カンファレンスリーグの決勝が行われる街は、たとえ小さな都市であっても、その日は欧州サッカーの中心地へと変わります。こうした「欧州の日常」としてのサッカーの深みを味わえるのが、この二つの大会の真の価値と言えるかもしれません。
格付けの違いこそあれ、選手たちがピッチで注ぐエネルギーに差はありません。UELでの緻密な戦術合戦も、UECLでの剥き出しの闘志も、どちらもサッカーの醍醐味を凝縮したものです。チャンピオンズリーグの結果だけを追うのではなく、これらの大会に目を向けることで、欧州サッカーの世界観はより豊かに、そして彩り鮮やかなものとして感じられるようになるでしょう。
【注目ポイント】
・UELはチャンピオンズリーグに匹敵する名門対決が見られることも!
・UECLは欧州中の個性豊かなクラブが入り乱れる多様性が魅力!
・多くの日本人選手が主力として出場しており、応援のしがいがある!
ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグの違いを知ってサッカー観戦を充実させよう
ここまで見てきたように、ヨーロッパリーグとカンファレンスリーグには、格付けや出場枠、そして大会の目的において明確な違いがあります。ヨーロッパリーグは欧州の準主役たちが集う高レベルな戦いの場であり、カンファレンスリーグはより多くのクラブに欧州の舞台を経験させるための、多様性に富んだ挑戦の場です。
どちらの大会も、優勝すれば「欧州王者」という栄誉だけでなく、翌シーズンの上位大会への進出という大きなリターンが約束されています。特に日本人選手が多く参戦している近年の状況を考えると、これら二つの大会の仕組みを理解しておくことは、より深く楽しく欧州サッカーを追うために欠かせない知識と言えます。木曜日の夜に開催される熱いバトルをチェックして、あなたの応援するチームや選手の冒険を最後まで見届けましょう。



