世界中のサッカーファンを魅了するイングランドのプレミアリーグ。そのトップチームは、1年間で一体何試合を戦っているのでしょうか。特に、大きな国際大会が予定されている2026年に向けて、試合数に変化はあるのか気になる方も多いでしょう。
この記事では、プレミアリーグの基本的な試合数から、カップ戦などを含めた年間の総試合数、そして過密日程が生まれる背景まで、サッカー初心者の方にもわかりやすく解説します。2026年のプレミアリーグの試合数がどうなるのか、この記事を読めばその仕組みと展望がきっと見えてくるはずです。
プレミアリーグの試合数、2026年はどうなる?

まず最初に、プレミアリーグの基本的な試合数と、2026年の見込みについて解説します。リーグ戦の仕組みを理解することが、全体の試合数を把握する第一歩です。
プレミアリーグの基本的な試合数
プレミアリーグのリーグ戦における1チームあたりの年間試合数は38試合です。 これは、所属する20チームが、それぞれのホームスタジアムと相手のスタジアムで1試合ずつ対戦する「ホーム&アウェー方式」を採用しているためです。
この38試合の結果によって、勝ち点(勝利:3点、引き分け:1点、敗戦:0点)が与えられ、シーズン終了時の合計勝ち点で順位が決定します。 リーグ全体の総試合数は、380試合にもなります。
20チームによるホーム&アウェー方式
プレミアリーグは、現在20のクラブで構成されています。 シーズンが終了すると、成績下位の3チームが下部リーグである「EFLチャンピオンシップ」に降格し、代わりにチャンピオンシップの上位チームが昇格してくる仕組みです。 これにより、リーグの競争力と新鮮さが保たれています。
毎年8月に開幕し、翌年の5月まで約9ヶ月間にわたって全38節の熱戦が繰り広げられます。 週末を中心に試合が組まれますが、年末年始の過密日程や、シーズン中のカップ戦などにより、週の半ばに試合が行われることも少なくありません。
2026年も試合数は変わらない見込み
現時点(2025年9月)で、プレミアリーグのチーム数や大会方式に変更が加えられるという公式な発表はありません。そのため、2026年のシーズンも、これまで通り各チーム38試合を戦うリーグ戦が基本となる見込みです。
ただし、後述するように2026年には夏にFIFAワールドカップが開催されるため、リーグ戦の開幕時期やシーズン中の日程に影響が出る可能性は考えられます。2022年のカタールワールドカップが冬に開催された際には、プレミアリーグは約1ヶ月半の中断期間を設け、例年とは異なるスケジュールでシーズンを進行しました。
プレミアリーグだけじゃない!年間の総試合数の内訳
プレミアリーグのチームは、リーグ戦以外にも複数の大会に参加しており、年間の総試合数は38試合を大きく上回ることがほとんどです。特に、上位チームは国内外のカップ戦を並行して戦うため、その試合数は非常に多くなります。
国内カップ戦①:FAカップ
FAカップは、1871年に始まった世界で最も歴史のあるサッカー大会です。 プロ・アマ問わず、フットボール・アソシエーション(FA)に登録するすべてのクラブに参加資格があるのが特徴で、下部リーグのチームがプレミアリーグの強豪を破る「ジャイアント・キリング」が起こりやすいことでも知られています。
プレミアリーグの20チームは、大会の3回戦から登場します。 トーナメントは一発勝負で行われ、決勝まで勝ち進んだ場合、最大で6試合を戦うことになります。
国内カップ戦②:EFLカップ(カラバオカップ)
EFLカップ(現在はスポンサー名を冠して「カラバオカップ」として知られています)は、プレミアリーグとイングリッシュ・フットボール・リーグ(EFL)に所属する全92クラブが参加する大会です。 FAカップと同様にノックアウト方式で争われますが、準決勝のみホーム&アウェーの2試合で行われる点が特徴です。
欧州の大会に参加しているプレミアリーグの上位チームは3回戦から、それ以外のプレミアリーグチームは2回戦から出場します。決勝まで勝ち進んだ場合、最大で6〜7試合を戦うことになります。
欧州カップ戦①:UEFAチャンピオンズリーグ(CL)
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)は、ヨーロッパのクラブチームの頂点を決める最高峰の大会です。プレミアリーグからは、前シーズンのリーグ戦上位チームに出場権が与えられます。
2024-25シーズンから大会フォーマットが大きく変更されました。これまでのグループステージが廃止され、出場36チームが1つのリーグで戦う「リーグフェーズ」が導入されています。
- リーグフェーズ: 各チームが異なる8チームと対戦(ホーム4試合、アウェー4試合)。
- 決勝トーナメント:
- リーグフェーズの上位8チームがラウンド16へ直接進出。
- 9位から24位のチームは、ラウンド16進出をかけてプレーオフ(ホーム&アウェー)を戦う。
この新方式により、決勝まで進んだ場合の試合数は、これまでの13試合から最大で15試合または17試合に増加します。
欧州カップ戦②:UEFAヨーロッパリーグ(EL)
UEFAヨーロッパリーグ(EL)は、チャンピオンズリーグに次ぐ格式を持つヨーロッパのクラブ対抗戦です。 プレミアリーグからは、リーグ戦の上位チームや国内カップ戦の優勝チームなどに出場権が与えられます。
こちらもCLと同様に、2024-25シーズンからフォーマットが変更され、リーグフェーズ(8試合)と決勝トーナメントで構成されます。決勝まで進んだ場合の最大試合数は、CLと同じく15試合または17試合となります。
欧州カップ戦③:UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)
UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL)は、2021-22シーズンに新設された第3の欧州カップ戦です。 主に、CLやELの出場権を逃したクラブにヨーロッパの舞台で戦う機会を提供します。カラバオカップの優勝チームなどが出場権を得ます。
大会形式はCLやELに準じており、決勝まで進んだ場合の最大試合数も同様に15試合または17試合です。
| 大会名 | 1チームあたりの最大試合数 | 概要 |
|---|---|---|
| プレミアリーグ | 38試合 | 国内リーグ戦 |
| FAカップ | 6試合 | 国内カップ戦(プロ・アマ参加) |
| EFLカップ(カラバオカップ) | 6〜7試合 | 国内カップ戦(プロのみ) |
| UEFAチャンピオンズリーグ(CL) | 15〜17試合 | 欧州カップ戦(最上位) |
| UEFAヨーロッパリーグ(EL) | 15〜17試合 | 欧州カップ戦(2番手) |
| UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(ECL) | 15〜17試合 | 欧州カップ戦(3番手) |
なぜ試合数が多い?過密日程が生まれる背景

プレミアリーグのチーム、特にトップクラブの試合数が多いのはなぜでしょうか。その背景には、イングランドサッカーが持つ歴史や経済的な事情が深く関わっています。
伝統と放映権料がもたらす多くの大会
イングランドでは、リーグ戦に加えてFAカップとEFLカップという2つの主要な国内カップ戦が開催されています。 これはヨーロッパの他の主要リーグ(スペイン、ドイツ、イタリアなど)が国内カップ戦を1つしか持たないのと比べると大きな特徴です。
世界最古の歴史を持つFAカップは、国内で非常に高い権威を誇ります。 また、EFLカップも若手選手の育成の場として重要な役割を担ってきました。 これらの大会が持つ伝統的な価値に加え、テレビ放映権料などの経済的なメリットが大きいため、簡単には廃止できないのが実情です。
近年の国際大会の増加
近年、FIFA(国際サッカー連盟)やUEFA(欧州サッカー連盟)が主催する国際大会が増加・拡大していることも、過密日程に拍車をかけています。
代表的な例が、2025年から出場チーム数を32に拡大して開催されるFIFAクラブワールドカップです。また、前述の通り、UEFAチャンピオンズリーグも2024-25シーズンから試合数が増加する新フォーマットに移行しました。 これらの変更は、クラブや選手にとって名誉や収益増につながる一方、さらなる負担増を意味します。
選手への影響と「ターンオーバー制」
試合数が増えれば、当然ながら選手への肉体的な負担は増大します。移動を含めた疲労の蓄積は、パフォーマンスの低下や怪我のリスクを高める大きな要因です。特に、代表チームにも選ばれるようなトップ選手は、クラブでの試合に加えて代表ウィークにも参加するため、ほとんど休息の時間がありません。
こうした過密日程に対応するため、多くの監督が採用しているのが「ターンオーバー制」です。これは、特定の選手に頼り切るのではなく、多くの選手を起用してローテーションを組むことで、主力選手の疲労を軽減し、チーム全体のコンディションを維持しようとする戦略です。試合数の多いプレミアリーグのチームにとって、選手層の厚さはシーズンを戦い抜く上で非常に重要な要素となっています。
過去にあった試合数の変更と今後の可能性

プレミアリーグの試合日程は常に一定だったわけではなく、社会情勢や国際大会の影響を受けて柔軟に(あるいは強制的に)変更されてきました。ここでは、過去の事例と2026年に向けた展望を解説します。
コロナ禍での異例のシーズン
世界的に新型コロナウイルスが流行した2019-20シーズンおよび2020-21シーズンは、プレミアリーグも大きな影響を受けました。2019-20シーズンは、約3ヶ月の中断を経て、夏に無観客で再開。2020-21シーズンは、開幕が遅れた影響で、例年以上に過密な日程で試合が消化されました。
この時期には、選手の負担を考慮して一時的に交代枠が3人から5人に増えるなどの特別ルールも導入されました。この経験は、いかにリーグ日程がデリケートなバランスの上に成り立っているかを示す事例となりました。
ウィンターブレイクの導入とその変遷
選手の休息を目的として、プレミアリーグでは2019-20シーズンからウィンターブレイク(冬休み)が導入されました。1月下旬から2月上旬にかけて、1節分の試合を2週に分けて開催することで、各チームに短い休暇を与える仕組みです。
しかし、前述のコロナ禍や、2022年のカタールワールドカップ開催など、イレギュラーな事態が発生したシーズンには、このウィンターブレイクが短縮されたり、事実上なくなったりすることもありました。 今後も、国際大会の日程などによっては、ウィンターブレイクの扱いは流動的になる可能性があります。
2026年ワールドカップが与える影響
2026年には、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国共催でFIFAワールドカップが開催されます。この大会は、出場国が48カ国に拡大される初の大会であり、大会期間も長くなることが予想されます。
開催時期は通常の夏(6月〜7月)に戻りますが、大会規模の拡大がプレミアリーグの2025-26シーズンおよび2026-27シーズンのスケジュールに影響を与える可能性があります。
まとめ:2026年のプレミアリーグの試合数を理解しよう

この記事では、「プレミアリーグ 試合数 2026」というキーワードを軸に、プレミアリーグの試合数の仕組みや内訳、そして今後の展望について解説しました。
最後に、記事のポイントを振り返ってみましょう。
- プレミアリーグのリーグ戦は、1チームあたり年間38試合行われる。
- 2026年シーズンも、リーグ戦の試合数が38試合である点は変わらない見込み。
- 強豪チームは、国内カップ戦(FAカップ、カラバオカップ)や欧州カップ戦(CL、EL、ECL)に参加するため、年間の総試合数は50〜60試合以上に達することがある。
- 2024-25シーズンから欧州カップ戦の試合数が増加し、選手の負担はさらに増している。
- 2026年のワールドカップ開催に伴い、リーグ全体のスケジュールに何らかの調整が入る可能性がある。
プレミアリーグの試合数の多さは、その人気の高さと歴史の深さの表れでもあります。各チームが過酷な日程の中でどのように戦い、タイトルを目指していくのか。試合数の背景を知ることで、サッカー観戦がより一層面白いものになるはずです。



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