世界最高峰のサッカーリーグと言われるイングランド・プレミアリーグ。三笘薫選手や遠藤航選手、冨安健洋選手など、近年は多くの日本人選手がこの華やかな舞台で活躍しています。彼らの活躍を見て、「もっと多くの日本人選手がプレミアリーグに行けばいいのに」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、そこには非常に厳格な「移籍条件」という高い壁が存在します。
プレミアリーグへの移籍は、単に相手クラブからオファーがあれば成立するわけではありません。選手の実力はもちろんのこと、イギリス政府が定める「労働許可証(ワークパーミット)」を取得しなければ、たとえ契約書にサインをしたとしても、試合に出場することはおろか、入国してチームに合流することさえ許されないのです。なぜ、これほどまでに条件が厳しいのでしょうか?そして、日本人選手たちはどのようにしてその難関を突破しているのでしょうか。
この記事では、複雑で難解とされるプレミアリーグの移籍条件について、労働許可証のポイント制度(GBE)や、最近導入された新しい救済措置(ESC枠)、さらにはチーム編成に関わる登録ルールの詳細まで、専門的な知識がない方にもわかりやすく丁寧に解説していきます。このルールを知ることで、移籍市場のニュースがより深く理解できるようになり、サッカー観戦の楽しみ方が大きく広がるはずです。
プレミアリーグ移籍条件の最難関!「労働許可証」とGBE制度の基本

プレミアリーグへの移籍を語る上で、避けて通れないのが「労働許可証(ワークパーミット)」の問題です。世界中のどのリーグよりも条件が厳しく、多くのスター選手や有望な若手選手がこの許可証を取得できずにプレミアリーグ入りを断念してきました。まずは、なぜこれほどまでに厳しいルールが設けられているのか、その背景と基本的な仕組みについて見ていきましょう。
イギリスのEU離脱(ブレグジット)がもたらした決定的な変化
かつて、プレミアリーグにはこれほど複雑なポイント制度は存在していませんでした。特にEU(欧州連合)加盟国の国籍を持つ選手であれば、労働許可証の審査を受けることなく、自由にイングランドのクラブへ移籍することができたのです。これが、フランスやスペイン、ドイツなどの選手がプレミアリーグに数多く在籍していた大きな理由の一つでした。
しかし、2020年末にイギリスがEUから完全に離脱(ブレグジット)したことで、状況は一変しました。EU圏内の選手であっても、EU圏外の選手(日本人や南米の選手など)と全く同じように、厳格な審査を受けて労働許可証を取得しなければならなくなったのです。これは、「イギリス国内の労働者の雇用を守る」という政治的な意図と、「世界中から最高レベルの才能だけを集めたい」というリーグ側の意図を調整した結果でもあります。
この変更により、以前なら青田買いで獲得できていた欧州の若手選手も、一定の実績がなければ獲得できなくなりました。その一方で、条件さえ満たせば国籍に関係なく平等に評価されるようになったため、日本人選手にとっては以前よりも公平な土俵になったとも言えますが、依然としてハードルが高いことに変わりはありません。
プレミアリーグでプレーするために必要な「GBE」とは
現在のプレミアリーグで労働許可証を取得するために必要なのが、FA(イングランドサッカー協会)から発行される「GBE(Governing Body Endorsement)」という推薦状です。直訳すると「統括団体の承認」となります。イギリス内務省は、このGBEが発行された選手に対してのみ、労働ビザを発給します。
GBEを取得するためには、FAが定めた客観的な評価基準をクリアしなければなりません。これは、監督が「この選手はうまいから欲しい」と言ったところで認められるものではなく、あくまで「数字」と「実績」に基づいた厳正な審査が行われます。この審査システムこそが、通称「ポイント制度」と呼ばれるものです。
この制度の目的は、プレミアリーグの質を落とさないために「最高水準の選手」だけを受け入れることにあります。そのため、たとえ将来性があっても、現時点での実績が乏しい選手は、このGBEの審査でふるい落とされてしまうのです。
移籍の合否を決める「15ポイント」のボーダーライン
GBEシステムにおいて最も重要な数字、それが「15ポイント」です。FAは選手の経歴を様々な角度から数値化し、合計スコアを算出します。この合計スコアが15ポイント以上であれば、自動的にGBEが発行され、労働許可証の取得が可能になります。
逆に言えば、どれだけ魅力的なオファーがあっても、このポイントが15ポイントに届かなければ、原則としてプレミアリーグでプレーすることはできません。かつて、アーセナルに移籍した浅野拓磨選手(現・マジョルカ)が、労働許可証が下りずにドイツのクラブへレンタル移籍を余儀なくされたのは、この基準(当時の旧基準含む)を満たせなかったことが原因です。
15ポイントを獲得するためには、代表チームでの活動や所属クラブでの成績など、多岐にわたる項目でポイントを積み上げる必要があります。ギリギリ10〜14ポイントの選手には、別途審査委員会(Exceptions Panel)に提訴して認められるケースもありましたが、基本的にはこの「15ポイント」が合否を分ける絶対的なラインとして機能しています。
自動的に許可が下りる「オートパス」の基準
15ポイントを積み上げる計算をしなくても、条件を満たせば即座にGBEが発行される「オートパス(自動承認)」というルートも存在します。これは主に、FIFAランキング上位国の代表選手を対象としたものです。
具体的には、直近の一定期間(通常は24ヶ月、21歳以下は12ヶ月)における国際Aマッチ(代表戦)への出場割合が基準となります。対象となる国のFIFAランキングが高いほど、求められる出場割合は低くなります。
【オートパスの目安】
・FIFAランク1位〜10位の国:代表戦の30%以上に出場
・FIFAランク11位〜20位の国:代表戦の45%以上に出場
・FIFAランク21位〜30位の国:代表戦の60%以上に出場
・FIFAランク31位〜50位の国:代表戦の75%以上に出場
日本代表のFIFAランキングは20位前後を推移していることが多いため、概ね「60%〜70%以上」の代表戦に出場していれば、オートパスで移籍が可能になります。三笘薫選手や遠藤航選手のように、日本代表の主力として定着している選手であれば、このルートでの移籍が最もスムーズです。
合否を分けるポイント制度(GBE)の評価項目を詳しく解説

オートパスの基準を満たせない選手の場合、ポイントの積み上げ方式で15ポイントを目指すことになります。では、具体的にどのような項目が評価され、点数化されるのでしょうか。ここからは、GBEポイント制度の核心部分について詳しく解説していきます。この仕組みを理解すると、なぜ日本人選手が一度ベルギーやスコットランドなどのリーグを経由するケースが多いのか、その理由がはっきりと見えてきます。
日本代表での出場試合数とFIFAランキングの重要性
まず最初の評価項目は、やはり「代表チームでの活動実績」です。オートパスの基準には届かなくても、代表戦に出場していれば、その出場割合に応じてポイントが加算されます。
例えば、FIFAランキング20位前後の日本代表選手の場合、出場割合がオートパス基準(約60%)に達していなくても、例えば40%以上の試合に出場していれば数ポイントを獲得できます。全く代表に招集されていない選手はここで0ポイントとなりますが、少しでも代表歴があることは大きなアドバンテージとなります。
また、ここで参照されるFIFAランキングは、移籍時点の最新ランキングではなく、過去12ヶ月〜24ヶ月の「平均ランキング」が用いられることが一般的です。そのため、一時的にランキングが上がったとしても、長期的に安定した順位を維持していることが重要になります。日本代表が強くなり、ランキングを上げることは、個々の選手の海外移籍を後押しすることに直結しているのです。
所属クラブのリーグレベル「バンド(Band)」による格差
次に、ポイント計算で最も大きなウェイトを占めるのが、「現在所属しているクラブがどのリーグに属しているか」という点です。FAは世界中のリーグをレベルごとに「バンド(Band)」という階級に分けて管理しており、上位のバンドに所属しているほど高いポイントが得られる仕組みになっています。
【リーグのバンド分け(例)】
・Band 1:プレミアリーグ、ブンデスリーガ、ラ・リーガ、セリエA、リーグ・アン(欧州5大リーグ)
・Band 2:ポルトガル、オランダ、ベルギー、トルコ、イングランド2部など
・Band 3:ロシア、ブラジル、アルゼンチン、スコットランドなど
・Band 4:チェコ、クロアチア、スイスなど
・Band 5:Jリーグ(J1)、オーストリア、デンマークなど
ここで注目すべきは、Jリーグ(J1)が2023年の改定でBand 6からBand 5へ格上げされたことです。これにより、Jリーグでプレーする選手が得られる基本ポイントが増加しました。しかし、依然として欧州5大リーグ(Band 1)や、ベルギー・オランダ(Band 2)との差は歴然としています。これが、Jリーグから直接プレミアリーグへ行くよりも、一度欧州の中堅リーグ(Band 2や3)で実績を積んでからステップアップする方が、ポイントを稼ぎやすいと言われる最大の理由です。
国内リーグや大陸大会での出場時間割合
所属しているリーグのレベルだけでなく、「そのリーグでどれだけ試合に出ているか」も厳しくチェックされます。基本的には、国内リーグ戦の全プレー時間のうち、何パーセント出場したかが計算されます。
例えば、Band 1(ブンデスリーガなど)で90%以上の時間に出場していれば、それだけで10ポイント以上を獲得できることもあり、移籍のハードルは一気に下がります。一方、Band 5のJリーグの場合、たとえ全試合フル出場しても、Band 1の選手と比べると獲得できるポイントは少なくなります。
また、国内リーグだけでなく、大陸大会(ヨーロッパならチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ、アジアならAFCチャンピオンズリーグ)での出場時間も加点対象になります。JリーグのクラブがACL(AFCチャンピオンズリーグ)で勝ち進み、そこで選手が多く出場することは、個人のポイント獲得においても非常に大きな意味を持つのです。
所属クラブの最終順位と国際大会での成績
個人の出場時間に加え、所属クラブの成績もポイントに反映されます。具体的には、「国内リーグでの最終順位」と「大陸大会での進行度」が評価されます。
優勝したチームの選手には高いポイントが与えられ、中位・下位チームの選手よりも有利になります。また、大陸大会(ACLなど)でグループステージを突破し、ベスト8やベスト4に進出した場合もボーナスポイントが加算されます。つまり、「強いチームの主力選手」であることが、労働許可証取得への近道となるわけです。
このように、GBEポイント制度は「個人の代表歴」「所属リーグの格」「個人の出場時間」「チームの成績」という4つの要素を掛け合わせて判定されます。これらすべてを高いレベルで満たして初めて、15ポイントという合格ラインが見えてくるのです。
ポイント不足の選手を救う新ルール「ESC枠」の全貌

ここまで解説した通り、通常のGBEポイント制度で15ポイントを獲得するのは容易ではありません。特に、日本のような非欧州圏の若手選手にとっては、実力があってもポイントが足りずに断念せざるを得ない状況が続いていました。しかし、2023年夏、この状況を大きく変える画期的な新ルールが導入されました。それが「ESC枠」です。
2023年に導入されたESC(Elite Significant Contribution)とは
ESCとは「Elite Significant Contribution(エリートとしての重要な貢献)」の略称で、簡単に言えば「ポイントが足りない才能ある選手のための特別枠」のことです。これまで15ポイントの基準を満たせず、労働許可証が下りなかった選手でも、このESC枠を利用すれば、プレミアリーグのクラブに加入し、即座に試合に出場することが可能になりました。
この制度は、ブレグジット後に厳しくなりすぎた獲得制限を緩和し、各クラブが世界中から有望な若手(ダイヤの原石)を発掘・獲得しやすくするために作られました。これは「ポイントは足りないけれど、将来絶対にスターになる」とクラブが判断した選手を、ルールに縛られずに獲得できるチャンスを与えるものです。
各クラブが保有できるESC枠の人数と変動条件
もちろん、ESC枠で何人でも無制限に獲得できるわけではありません。各クラブが保有できるESC枠の数には制限があり、通常は「2枠」からスタートします。つまり、1チームにつき最大2名までは、ポイント不足の選手を獲得・登録できるのです。
さらに、この枠は最大で「4枠」まで増やすことが可能です。枠を増やす条件は、「イングランド代表資格を持つ選手(EQP)をどれだけ試合で起用したか」という実績に基づきます。自国の選手を積極的に育成・起用しているクラブには、ご褒美として外国人選手を自由に獲得できる枠が多く与えられる仕組みになっているのです。
多くのプレミアリーグクラブは、少なくとも2枠、多いクラブでは4枠のESC枠を持っています。この貴重な枠を誰に使うか、それは各クラブのスカウティング戦略の腕の見せ所とも言えます。
Jリーグからの直接移籍が可能になった背景
このESC枠の導入は、日本人選手、特にJリーガーにとって非常に大きな追い風となりました。これまでは、日本代表に定着していない若手選手がJリーグからプレミアリーグへ直接移籍することは、ポイント不足のため事実上不可能でした。
しかし、ESC枠を使えば、代表歴が浅くても、あるいはJリーグでの実績しかなくても、クラブ側が「欲しい」と思えば獲得できるようになりました。実際に、坂元達裕選手がイングランド2部(チャンピオンシップ)のコヴェントリーへ移籍したり、町田ゼルビアから平河悠選手がブリストル・シティへ移籍したり(いずれも当時は2部ですが、ルールはプレミアと同じFA管轄)といった事例が増えているのは、このESC枠の恩恵や、それに伴うルールの柔軟化が大きく関係しています。
もちろん、プレミアリーグのクラブが貴重なESC枠を日本人選手に使うには、それ相応の実力とポテンシャルを示す必要がありますが、「制度上の門前払い」がなくなったことは画期的な進歩と言えるでしょう。
ESC枠から正規の労働許可証へ移行するための道筋
ESC枠で加入した選手は、永遠にその枠を使い続けるわけではありません。加入後、プレミアリーグでの試合出場を重ねることで、正規のGBEポイントを獲得することができます。そして、12ヶ月後の再審査などで15ポイントの基準をクリアすれば、正規の労働許可証に切り替わります。
正規の許可証に切り替われば、クラブのESC枠が一つ空くことになります。すると、クラブはまた別の新しい才能をESC枠で獲得できるようになります。つまり、ESC枠で加入した選手には「早く試合に出て活躍し、自分の力で正規の許可証を勝ち取る」ことが求められるのです。これは選手にとっても、早く環境に適応するための健全なプレッシャーとなります。
労働許可証だけではない!プレミアリーグの「選手登録枠」のルール

労働許可証の問題をクリアしても、まだ安心はできません。プレミアリーグには、チーム編成に関する「選手登録ルール」というもう一つのハードルが存在します。クラブはお金に物を言わせてスター選手を乱獲すればよいわけではなく、決められた人数の枠内でチームを作らなければなりません。
トップチームの登録枠「25人」と外国人選手の扱い
プレミアリーグの各クラブがシーズンごとに登録できるトップチームの選手数は、最大25人と決められています。この25人のリストに入らなければ、リーグ戦に出場することはできません。
この25人の枠の中で、特に重要なのが「ホームグロウン選手(自国育成選手)」以外の選手、つまり一般的に言う「外国人選手」の人数制限です。ルール上、ホームグロウン選手ではない選手は、25人のうち最大17人までしか登録できません。
多くのビッグクラブは、世界中から優秀な外国人選手を集めているため、この「17人枠」はすぐに埋まってしまいます。日本人選手が移籍するためには、この激戦区である17人の枠の一つを勝ち取る必要があるのです。
「ホームグロウン選手」が8人以上必要な理由
「最大17人まで」というルールの裏返しとして、25人の枠をフルに使うためには、残りの8人以上を「ホームグロウン選手」で埋めなければなりません。もしホームグロウン選手が6人しかいない場合、そのチームは25人登録することができず、17人+6人で合計23人のチーム編成でシーズンを戦わなければならなくなります。
これは、イングランド国内で育った選手の出場機会を確保するためのルールです。そのため、イングランド人の実力者は移籍市場で非常に高値で取引される傾向があります(通称「イングリッシュ・プレミアム」)。クラブは、貴重な外国人枠を誰に使うか慎重にならざるを得ず、これが日本人選手の移籍の障壁となることもあります。
21歳以下の選手(U-21)が受けられる登録上の特例
ここで一つ、非常に重要な例外ルールがあります。それは「21歳以下の選手(U-21)」は、25人の登録枠の制限を受けないというルールです。
シーズン開幕時の規定日(通常は1月1日)時点で21歳以下の選手であれば、国籍に関係なく、25人のリストに名前を載せなくても無制限に試合に出場させることができます。つまり、21歳以下の若い日本人選手であれば、満員の「外国人枠17人」を圧迫することなく獲得できるため、クラブにとっては非常に獲得しやすい存在となります。
ブライトンなどが世界中から若手の有望株を積極的に獲得できるのは、このU-21ルールを最大限に活用しているからです。若いうちにプレミアリーグへ挑戦することは、登録ルールの面から見ても非常に理にかなった戦略なのです。
国籍は関係ない?ホームグロウンの意外な定義
「ホームグロウン選手」=「イングランド人選手」と思われがちですが、実は国籍は条件ではありません。定義は「21歳の誕生日を迎えるシーズン終了までに、イングランドまたはウェールズのサッカー協会に加盟するクラブに、3シーズン(または36ヶ月)以上在籍していた選手」です。
例えば、スペイン人のセスク・ファブレガス選手や、フランス人のポール・ポグバ選手などは、10代の頃からイングランドのクラブに所属していたため、ホームグロウン選手として扱われていました。もし日本人選手が高校生年代でイングランドのクラブのアカデミーに入り、そこで3年間過ごせば、将来的に日本人でありながら「ホームグロウン選手」として登録されることになります。
日本人選手がプレミアリーグへ移籍するための現実的なルート

これまで解説してきた労働許可証のポイント制度(GBE)やESC枠、そして選手登録枠のルールを踏まえると、日本人選手がプレミアリーグへ移籍するためには、いくつかの「勝ちパターン」となるルートが見えてきます。
日本代表(A代表)に定着してポイントを稼ぐ王道ルート
最も確実なのは、やはり日本代表(A代表)で不動の地位を築くことです。FIFAランキング20位前後の日本において、代表戦の出場率が70%を超えてくれば、オートパスまたはそれに近い高ポイントを獲得でき、Jリーグからの直接移籍も十分に視野に入ります。
ただし、これはすでに国内でトップクラスの実績を持つ選手に限られます。若手がこのルートを目指すには、まずJリーグで圧倒的な結果を残し、早いうちに代表監督の信頼を勝ち取る必要があります。
ベルギーやドイツなど欧州他リーグを経由するメリット
現在、最も主流となっているのがこの「経由地ルート」です。まずは労働許可の条件が比較的緩やかなベルギー(Band 2)やオランダ(Band 2)、あるいはドイツ(Band 1)などのリーグへ移籍します。
これらのリーグはJリーグよりもバンドランクが高いため、そこで試合に出場することで効率よくGBEポイントを稼ぐことができます。また、スカウトの目にも留まりやすくなります。冨安健洋選手(ベルギー→イタリア→イングランド)や鎌田大地選手(ドイツ→イタリア→イングランド)などがこの典型例です。
三笘薫選手や遠藤航選手が移籍できた理由を分析
三笘薫選手の場合、川崎フロンターレからブライトンへ完全移籍しましたが、当時は労働許可証のポイントが足りませんでした。そこで、ブライトンは彼をすぐにベルギーのサン=ジロワーズへレンタル移籍させました。ベルギーで1年間プレーし、活躍してポイントを稼いだことで、翌シーズンに晴れて労働許可証を取得し、プレミアリーグデビューを果たしました。
一方、遠藤航選手の場合は、ドイツ・ブンデスリーガ(Band 1)のシュトゥットガルトでキャプテンを務めるほどの実績があり、日本代表のキャプテンでもありました。ポイントは十分に満たしていたため、リヴァプールへの電撃移籍がスムーズに実現しました。彼らの例は、ルールの仕組みを理解し、戦略的にキャリアを進めることの重要性を示しています。
今後のJリーグ選手に求められるプレミア挑戦の条件
今後は、新設された「ESC枠」を活用して、Jリーグから直接プレミアリーグ(または英2部)へ挑戦するケースが増えてくるでしょう。そのためには、単にうまいだけでなく、「21歳以下」という若さの武器を持っているか、あるいは「誰が見ても明らかな特別な才能(エリート性)」を持っているかが重要になります。
また、英語でのコミュニケーション能力も、適応の早さを判断する上でスカウトから見られるポイントの一つです。ルールは複雑ですが、実力と準備さえあれば、道は確実に開かれています。
まとめ:プレミアリーグ移籍条件を理解して観戦を楽しもう
今回は、プレミアリーグ移籍条件の核心となる労働許可証(GBE)のポイント制度や、新しいESC枠、選手登録のルールについて詳しく解説してきました。
要点を振り返ると、以下のようになります。
・移籍には「労働許可証」が必須で、15ポイント以上のGBEスコアが必要。
・日本代表での出場歴や、所属リーグの格(バンド)がポイントに大きく影響する。
・ポイントが足りなくても、「ESC枠」を使えば才能ある選手は移籍が可能になった。
・「25人の登録枠」や「ホームグロウン制度」も移籍の成否に関わる重要な要素。
・「21歳以下」の選手は登録枠の制限を受けないため、移籍のチャンスが大きい。
一見すると理不尽にも思える厳しいルールですが、これらはすべて「リーグの質を世界最高峰に保つ」ために設計されたものです。この高いハードルを乗り越えてピッチに立つ日本人選手たちは、まさに選ばれしエリートだと言えるでしょう。
次に移籍ニュースを見るときは、「この選手はポイント足りてるかな?」「ESC枠を使うのかな?」「ホームグロウン枠の影響はあるかな?」といった視点で見てみてください。きっと今までとは違った深みのあるサッカーの楽しみ方ができるはずです。
メモ:プレミアリーグのルールはシーズンごとに微調整されることがあります。最新の移籍市場を楽しむためには、定期的に情報のアップデートをチェックすることをおすすめします。



