Jリーグを観戦する楽しみの一つに、各クラブが誇る個性豊かなマスコットたちの存在があります。試合の勝敗だけでなく、彼らの愛らしい動きやSNSでの発信に癒やされているファンは数多く存在します。かつては毎年恒例のイベントとして大きな盛り上がりを見せていた「総選挙」などを通じて、ファンの間で熱い順位争いが繰り広げられてきました。
この記事では、Jリーグマスコットの人気順がどのように決まっていたのか、そして現在ファンから愛されているキャラクターたちの魅力をたっぷりとご紹介します。これからスタジアムへ足を運ぶ方も、すでに推しがいる方も、ぜひマスコットたちの奥深い世界を楽しんでください。
Jリーグマスコット人気順を知るには?「総選挙」の歴史と現在

Jリーグのマスコットたちの人気を語る上で欠かせないのが、長年にわたって開催されていた公式イベントの存在です。サポーターたちが熱狂し、クラブの威信をかけて戦ったランキングイベントは、今のマスコット文化の土台を作りました。
ここでは、人気順を決める指標となっていた「総選挙」の歴史や、イベント終了後の現在の状況について解説します。
10年以上続いた「Jリーグマスコット総選挙」とは
「Jリーグマスコット総選挙」は、Jリーグの開幕を告げる風物詩として、2013年から2023年まで毎年開催されていた一大イベントでした。FUJIFILM SUPER CUPという大きな試合に合わせて行われ、各クラブのマスコットがセンターポジションを巡って熾烈な争いを繰り広げていたのです。
ファンは期間中にSNSや公式アプリを通じて、自分のお気に入りのマスコットに投票を行いました。この投票数がそのまま人気順としてランキング化され、上位に入ったマスコットは集合写真で目立つ位置に立てるという特典がありました。そのため、サポーターたちは組織票を呼びかけたり、選挙ポスターを作ったりと、本当の選挙さながらの熱気を見せていたのです。
このイベントのおかげで、普段はサッカーに詳しくない層にもマスコットの魅力が伝わり、新たなファンを獲得するきっかけにもなりました。単なる順位付けにとどまらず、各キャラクターの個性を全国にアピールする貴重な場として機能していたといえるでしょう。
2023年で終了した背景とファンの反応
多くのファンに愛されたマスコット総選挙ですが、2023年の開催をもってその歴史に幕を下ろしました。終了の理由については公式から詳細な発表があったわけではありませんが、イベントとしての役割を十分に果たしたことや、競争よりも共存や多様性を重視する時代の流れなどが推測されています。
最後の総選挙となった2023年は、横浜F・マリノスの「マリン」が初優勝を飾り、有終の美を飾りました。このニュースに対し、ファンからは「毎年の楽しみがなくなって寂しい」「推しを一位にする目標が消えてしまった」といった惜しむ声が多く上がりました。
一方で、「順位をつけずにみんなを愛でたい」「殺伐とした争いがなくなるのは良いことかもしれない」という肯定的な意見も見られました。マスコットたちは順位に関係なく、それぞれのホームタウンで愛される存在であるべきだという原点回帰の考え方も広まっています。
現在の人気を測る指標はSNSやグッズ売上
総選挙という公式のランキングがなくなった現在、マスコットの人気順を明確に知ることは難しくなっています。しかし、それでも「どのマスコットが人気なのか」を知るための指標はいくつか存在します。
最もわかりやすいのが、X(旧Twitter)やInstagramなどのSNSフォロワー数や、「いいね」の数です。発信力のあるマスコットは、試合がない日でも日常の様子を投稿し、多くのリアクションを得ています。バズる投稿が多いマスコットは、それだけ注目度が高いといえるでしょう。
また、クラブ公式グッズの売上ランキングや、スタジアムでのぬいぐるみ所有率なども人気のバロメーターです。特に、マスコット単体のフォトブックが発売されたり、コラボカフェが開催されたりするキャラクターは、全国区の人気を誇っている証拠です。数字で順位が出るわけではありませんが、ファンの熱量はさまざまな形で可視化されています。
歴代の人気マスコットたち!殿堂入り級のキャラクターを紹介

ここでは、過去の総選挙で輝かしい成績を残したり、現在も絶大な人気を誇ったりしている「Jリーグの顔」とも呼べるマスコットたちをご紹介します。彼らを知っておけば、Jリーグのマスコット話題についていけること間違いなしです。
横浜F・マリノス「マリノスケ」と「マリン」の躍進
近年のJリーグマスコット界を牽引しているのが、横浜F・マリノスのカモメたちです。特に甥っ子キャラクターである「マリノスケ」と、2022年にデビューしたばかりの「マリン」の人気は凄まじいものがあります。
マリノスケは、永遠の小学5年生という設定で、自由奔放な性格が愛されています。スタジアムでサポーターと一緒に手拍子をしたり、時には試合中に居眠りをするようなマイペースさがファンの心を掴んで離しません。過去の総選挙でも常に上位に食い込み、2020年には悲願の1位を獲得しました。
そして、彗星のごとく現れたのが妹分の「マリン」です。彼女は登場するやいなや、その愛らしいルックスと、SNSで見せるあざとかわいい振る舞いで瞬く間に人気爆発しました。2023年の最後の総選挙で見事に1位に輝き、マリノスケと合わせて横浜F・マリノスのマスコット力の高さを見せつけました。
名古屋グランパス「グランパスくん」の圧倒的存在感
Jリーグ創設期から活躍し、マスコット界のレジェンドとして君臨するのが、名古屋グランパスの「グランパスくん」です。シャチをモチーフにしたその姿は、一見強面にも見えますが、実はとても親しみやすい性格をしています。
グランパスくんの最大の特徴は、喋ることができる点です(SNSやブログ上のテキストだけでなく、イベント等での発信力も含め)。名古屋弁を巧みに使いこなし、サポーターや選手に対してユーモアたっぷりのコメントを投げかけます。そのトークスキルは他のマスコットにはない大きな武器となっています。
総選挙では史上初の2連覇を達成するなど、その人気は不動のものです。さらに、妻の「グランパコちゃん」、息子の「グランパスくんJr.」、娘の「グララ」というファミリー全員が愛されており、家族漫才のようなやり取りもファンの楽しみの一つになっています。まさに「王様」の貫禄を持つマスコットです。
メモ:グランパスくんは「師匠」と呼ばれることもあり、他クラブのファンからも一目置かれる存在です。
V・ファーレン長崎「ヴィヴィくん」のあざとかわいさ
「あざとかわいい」という言葉がこれほど似合うマスコットは他にいないでしょう。V・ファーレン長崎の「ヴィヴィくん」は、その愛くるしいビジュアルと仕草で、全国のサポーターを虜にしています。
オシドリとシカをモチーフにしたヴィヴィくんは、つぶらな瞳とふわふわの体毛が特徴です。スタジアムでは、深々とお辞儀をする丁寧な姿勢や、スケッチブックを使って一生懸命コミュニケーションをとる姿が見られます。その健気な様子に、対戦相手のサポーターまでもが「ヴィヴィくんのぬいぐるみを買ってしまった」という現象が後を絶ちません。
総選挙では2014年と2021年に優勝を果たしています。また、料理が得意だったり、イベントごとに凝った衣装を着こなしたりと、多才な一面も持っています。九州だけでなく、日本中から愛されるアイドル的な存在です。
北海道コンサドーレ札幌「ドーレくん」のかっこよさ
かわいいマスコットが多い中で、「かっこいい」路線で絶大な支持を得ているのが、北海道コンサドーレ札幌の「ドーレくん」です。シマフクロウをモチーフにした彼は、凛々しい眉毛と大きな翼が特徴で、頼れるアニキ分としてのポジションを確立しています。
ドーレくんの魅力は、なんといってもそのダンスパフォーマンスの高さです。スタジアムでのショータイムでは、チアリーダーたちと一緒にキレのあるダンスを披露し、観客を魅了します。時にはバック転などのアクロバットを決めることもあり、身体能力の高さはJリーグマスコット界でもトップクラスです。
また、地域貢献活動にも非常に熱心で、幼稚園訪問やテレビ出演などを通じて北海道全土で愛されています。見た目のクールさと、地元への温かい愛情のギャップが、多くのファンを惹きつけてやみません。
なぜJリーグのマスコットはこんなに愛されるのか?3つの理由

サッカーの試合を見に来たはずなのに、いつの間にかマスコットの虜になってしまう。そんな現象がJリーグでは珍しくありません。なぜ彼らはこれほどまでに人々を惹きつけるのでしょうか。
ここでは、マスコットたちが愛される主な理由を、行動や活動内容の視点から3つのポイントに絞って解説します。
スタジアムで見せる愛らしい仕草とファンサービス
マスコット人気の原点は、やはりスタジアムでの直接的な触れ合いにあります。試合前やハーフタイムにピッチ周辺を歩く彼らは、観客席に向かって手を振ったり、ポーズをとって写真撮影に応じたりと、常にファンを楽しませようとしています。
特に「グリーティング」と呼ばれる、コンコースや広場でファンと直接交流できる時間は非常に人気です。ハイタッチをしたり(感染症対策によります)、一緒に記念撮影をしたりすることで、マスコットを身近な友達のように感じることができます。
また、試合に勝ったときは全身で喜びを表現し、負けたときは選手やサポーターと一緒に悔しがる姿も見られます。チームの一員として感情を共有してくれるその姿勢が、サポーターとの絆をより強くしているのです。
SNSでの発信力がすごい!個性豊かなつぶやき
現代のマスコット人気を支えている大きな要因が、SNSの活用です。多くのマスコットが公式アカウントを持っており、日々の活動や裏話を積極的に発信しています。
その内容は単なる告知にとどまりません。「今日のおやつ」を紹介したり、他のクラブのマスコットとリプライ(返信)で漫才のような掛け合いをしたりと、それぞれの個性が爆発しています。例えば、朝の挨拶ひとつとっても、元気いっぱいな子もいれば、まだ眠そうにしている子もいて、キャラクターの性格がよく表れています。
試合がない日でもマスコットと繋がれることで、ファンの「推し活」は毎日続きます。SNSを通じて彼らの日常を覗き見ることで、親近感が湧き、ますます応援したくなるという好循環が生まれているのです。
地域活動やイベントへの参加で深まる地元愛
Jリーグのクラブは「地域密着」を理念に掲げており、マスコットはその活動の最前線に立っています。商店街のお祭り、交通安全のキャンペーン、学校への訪問など、スタジアムの外でも彼らは大忙しです。
地元のイベントにマスコットが登場すると、サッカーファン以外の子どもやお年寄りも笑顔になります。こうした地道な活動を通じて、「あの子は私たちの街のキャラクター」という認識が広まり、地域全体のシンボルとして愛されるようになります。
アウェイ(敵地)の試合に遠征することもあり、そこでは現地の名産品を食べたり、観光地を紹介したりします。その姿は「観光大使」のようでもあり、お互いの地域を尊重し合うJリーグならではの温かい文化を象徴しています。
意外な一面も?個性派・ネタ枠として愛されるマスコット

「かわいい」「かっこいい」だけがマスコットの魅力ではありません。中には、ユニークすぎる行動や設定でファンの笑いを誘い、独自の世界観を築いているキャラクターもいます。
ここでは、一度見たら忘れられない、強烈な個性を持ったマスコットたちをご紹介します。彼らの行動を知れば、マスコットの奥深さに驚くことでしょう。
大分トリニータ「ニータン」の台車移動とブログ
カメをモチーフにした大分トリニータの「ニータン」は、その移動方法が大きな話題となりました。カメであるため歩くのがゆっくりなのですが、スケジュールの都合などで急ぐ必要がある際に、スタッフが押す「台車」に乗って運ばれるようになったのです。
台車にちょこんと座って運ばれる姿があまりにもシュールで可愛らしいことから、「ニータン=台車」というイメージが定着しました。今では台車自体がデコレーションされるなど、エンターテイメントの一部として昇華されています。
また、ニータンは筆まめなことでも有名で、長年続けているブログは心温まる内容で人気です。サポーターへの感謝や、日々の出来事を丁寧な言葉で綴る姿勢は、彼の誠実な性格を表しており、多くのファンに癒やしを与えています。
ガンバ大阪「モフレム」など新世代マスコットの台頭
長い歴史を持つマスコットがいる一方で、近年新しく誕生したキャラクターたちも負けていません。その代表格が、2022年にガンバ大阪の新マスコットとして発表された「モフレム」です。
「モフモフした炎」と「フレーム(枠)」を組み合わせたネーミングの通り、丸みを帯びた愛らしいフォルムと、触り心地の良さそうな質感が特徴です。従来のマスコットの概念にとらわれないシンプルでモダンなデザインは、若い世代や女性ファンを中心に瞬く間に受け入れられました。
彼のような新世代のマスコットは、最初からSNS映えやグッズ展開を意識してデザインされていることが多く、登場直後から完成された可愛さを持っています。古参マスコットたちとのコラボレーションも含め、新しい風を吹き込んでいます。
FC東京「東京ドロンパ」のキレキレダンスパフォーマンス
タヌキをモチーフにしたFC東京の「東京ドロンパ」は、エンターテイナーとして他の追随を許しません。彼の最大の特徴は、プロ顔負けのダンススキルと、ローラースケートまで使いこなす運動神経の良さです。
スタジアムのショータイムでは、ヒップホップからブレイクダンスまで、あらゆるジャンルのダンスを完璧に踊りきります。その動きは着ぐるみとは思えないほど俊敏で、「中の人などいない」と言わせるほどのクオリティです。
普段はいたずら好きでやんちゃな性格ですが、パフォーマンスになると一変してクールな姿を見せる。このギャップにやられるファンが続出しています。ファンサービスも神対応として知られており、まさに都会のスターといった貫禄があります。
東京ドロンパの尻尾は非常に大きく、触り心地が良いことでも有名です。グッズでも尻尾を模したチャームなどが人気商品となっています。
ヴァンフォーレ甲府「ヴァンくん」の体を張った芸風
Jリーグのマスコット界で「芸人枠」として確固たる地位を築いているのが、ヴァンフォーレ甲府の「ヴァンくん」です。甲斐犬をモチーフにしていますが、その行動は犬というよりもベテラン芸人のようです。
彼は、衣装の都合で「ズボンを履いていない」ことを自らネタにすることがあります。また、水着を着てポーズをとったり、流行のお笑い芸人のモノマネを全力で披露したりと、とにかくサポーターを笑わせることに全力を注いでいます。
さらに、スタジアムではスケッチブックを使って時事ネタや自虐ネタを披露することもあり、その内容は大人もクスリと笑ってしまうほど。かわいさよりも面白さを追求するその姿勢は、多くのサポーターから「師匠」と崇められるほどのリスペクトを集めています。
推しマスコットを見つけて応援しよう!楽しみ方のポイント

ここまで紹介してきたように、Jリーグには魅力的なマスコットがたくさんいます。「この子かわいい!」「面白そう!」と気になるマスコットが見つかったら、次は実際に彼らを応援してみましょう。
ここでは、初心者でもすぐに実践できる、マスコットをより楽しむための具体的な方法をご紹介します。
スタジアムで直接会って写真を撮ってみよう
やはり一番のおすすめは、スタジアムに足を運んで「生」のマスコットに会うことです。テレビやスマホの画面で見るのとは違い、実際のサイズ感や動きの可愛さは格別です。
多くのクラブでは、試合開始の数時間前にマスコットが場外広場などに登場する時間を設けています。クラブの公式サイトやSNSで当日のスケジュールを確認し、カメラやスマホを持って会いに行きましょう。運が良ければツーショットを撮れたり、ポーズをとってくれたりします。
声をかけるときは「かわいいね!」「応援してるよ!」と伝えると、マスコットたちも喜んでリアクションを返してくれます。その一瞬のコミュニケーションが、最高の思い出になるはずです。
マスコットグッズを身につけてアピールする
推しのマスコットができたら、グッズを身につけてスタジアムへ行くのも楽しみの一つです。ぬいぐるみ、タオルマフラー、キーホルダー、Tシャツなど、さまざまなアイテムが販売されています。
特に「ぬいぐるみ(パペット)」を手につけて応援するのは定番スタイルです。マスコットが自分のグッズを持っているファンを見つけると、指を差して喜んでくれたり、駆け寄ってきてくれたりすることがあります。
最近では、日常使いできるおしゃれなデザインのグッズも増えています。バッグにさりげなくキーホルダーをつけるだけでも、気分が上がりますし、同じマスコット推しのファンと仲良くなるきっかけにもなります。
マスコット交流会やイベント情報をチェック
試合日以外にも、マスコットに会えるチャンスはあります。クラブ主催のファン感謝デーや、地域のイベント、スポンサー企業の催しなどにマスコットが出演することがあります。
こうしたイベントでは、試合の日よりも比較的ゆっくりとマスコットと触れ合える場合が多いです。サイン会や撮影会が行われることもあるので、クラブのニュースリリースをこまめにチェックしておきましょう。
また、アウェイゲームにマスコットが「出張」することもあります。普段会えない他のチームのマスコットとのコラボレーションが見られるのは、現地観戦ならではの醍醐味です。二人のマスコットがじゃれ合っている姿は、見ているだけで幸せな気持ちになれます。
Jリーグマスコット人気順のまとめと今後の楽しみ方
Jリーグのマスコットたちは、単なるチームの飾りではなく、クラブとファン、そして地域を繋ぐ大切な存在です。かつて行われていた「総選挙」は終了しましたが、人気順という形にとらわれない楽しみ方が今は広がっています。
今回の記事でご紹介したポイントを振り返ってみましょう。
・総選挙は2023年で終了し、現在はSNSやグッズ人気が指標になっている
・マリノスケ、グランパスくん、ヴィヴィくんなど歴代王者には確固たる魅力がある
・愛される理由は「ファンサ」「SNS」「地域活動」の3本柱
・ニータンやヴァンくんのような個性派キャラも大人気
・スタジアムで会い、グッズを持つことで楽しみが倍増する
これからマスコットに注目してみたいという方は、まずSNSで気になったキャラクターをフォローすることから始めてみてください。きっと、毎日のタイムラインが癒やしと笑いで彩られるはずです。そしていつかスタジアムで、彼らの愛らしい姿を直接目に焼き付けてください。あなたの「推し」が見つかることで、サッカー観戦は何倍も楽しくなることでしょう。



