2026年6月21日に行われたFIFAワールドカップ2026グループF第2戦で、日本代表はチュニジア代表を4-0で下し、今大会初勝利を挙げました。
初戦のオランダ代表戦を2-2で終えていた日本にとって、チュニジア戦は単に勝ち点3を獲得するだけでなく、得失点差を伸ばしながら最終節のスウェーデン代表戦へ進むことが求められる重要な一戦でした。
結果だけを見れば危なげのない大勝ですが、開始4分の先制点、上田綺世の2ゴール、伊東純也の抜け出し、3バックの安定した対応などを細かく見ていくと、日本が狙いどおりに試合を進められた理由が明確になります。
一方で、相手の守備強度が落ちた時間帯に攻撃が停滞したこと、サイドからボールを入れられた場面があったこと、交代後の連係には改善の余地が残ったことから、4-0というスコアだけで優勝候補としての完成度を判断するのは早いでしょう。
ここでは日本代表対チュニジア代表の試合結果、得点者、スタメン、フォーメーション、戦術、選手評価、守備の成果、今後の課題、決勝トーナメント進出条件、次戦スウェーデン戦の注目点まで、本日の戦いから読み取れる要素を整理します。
日本代表のチュニジア戦振り返りは4-0完勝でも課題を残した一戦

日本代表のチュニジア戦を振り返るうえで最初に押さえたい結論は、勝ち点3と得失点差を同時に獲得した理想的な結果でありながら、すべての時間帯で相手を完全に支配した試合ではなかったという点です。
日本は開始直後に先制してチュニジアの試合計画を崩し、前半のうちに追加点を奪うと、後半にもカウンターとサイド攻撃から2点を加えました。
攻撃陣が決定力を示しただけでなく、無失点で終えたこと、主力の出場時間を調整できたこと、久保建英が先発にいない状況でも複数の攻撃ルートを作れたことが、この勝利の価値を高めています。
試合結果
日本代表対チュニジア代表の試合結果は4-0で、前半を2-0、後半を2-0として日本が今大会初勝利を収めました。
得点者は前半4分の鎌田大地、前半31分と後半38分の上田綺世、後半24分の伊東純也で、シャドー、センターフォワード、サイドアタッカーがそれぞれ得点に関与するバランスの良い形になりました。:contentReference[oaicite:0]{index=0}
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | FIFAワールドカップ2026 |
| 節 | グループF第2戦 |
| スコア | 日本4-0チュニジア |
| 前半 | 日本2-0チュニジア |
| 後半 | 日本2-0チュニジア |
| 日本の勝ち点 | 4 |
初戦で勝ち点1を得ていた日本は、この勝利によって2試合を終えて勝ち点4とし、ラウンド32進出へ大きく前進しました。
大量得点以上に重要なのは、チュニジアへ反撃のきっかけを与えないまま試合を終え、得失点差をプラス4まで伸ばしたことで、最終順位や3位チーム同士の比較でも有利な材料を得られた点です。
4得点の流れ
日本の4得点は同じ形の繰り返しではなく、左サイドの連係、中央からのミドルシュート、縦に速い攻撃、右サイドからのクロスという異なるルートから生まれました。
前半4分の先制点では、中村敬斗が左サイドで前向きにボールを運び、ペナルティーエリア内へ入った鎌田大地が技術の高いフィニッシュでネットを揺らしたため、日本は試合の主導権を早い段階で握れました。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
前半31分には板倉滉からボールを受けた上田綺世が迷わず右足を振り抜き、相手守備陣がブロックを整える前に追加点を奪っています。
後半24分の3点目は田中碧の縦パスを上田がワンタッチで伊東純也につなぎ、伊東が背後へ抜け出してゴールキーパーとの1対1を落ち着いて決める、縦に速い日本らしい攻撃でした。
後半38分には右サイドを崩した佐野海舟のクロスを上田が頭で合わせて4点目を奪い、グラウンダーのパスだけでなくクロスからも得点できることを示しました。
早い先制点
チュニジア戦最大の分岐点は開始4分の先制点であり、このゴールによって日本は相手が用意していた守備的な試合運びを早々に崩すことができました。
チュニジアは初戦でスウェーデン代表に大敗していたため、日本戦では守備の人数を確保し、試合を落ち着かせながらカウンターやセットプレーで得点機会を探したかったと考えられます。
しかし、開始直後に失点したことで前へ出る必要が生じ、最終ラインと中盤の間隔が広がったため、日本は鎌田大地や伊東純也がボールを受けるスペースを確保しやすくなりました。
日本にとっても、勝たなければならないという緊張が高まりやすい第2戦で早く先制できたことは大きく、ボールを急いで前へ運ぶ必要がなくなったことで、田中碧と佐野海舟を中心に落ち着いて攻撃を組み立てられました。
一方で、ノックアウトステージでは先制できずに時間が進む展開も想定されるため、今回のように早い時間帯でゴールが入らない試合でも焦れずに攻め続けられるかは今後の確認事項です。
上田綺世の2得点
上田綺世は2得点に加えて伊東純也のゴールにも関与し、日本代表のセンターフォワードとして求められる決定力、ポストプレー、背後への動き、空中戦の強さを一試合の中で示しました。
1点目はペナルティーエリアの外側から強いシュートを打ち切ったもので、ゴール前でクロスを待つだけではなく、自ら運んで得点を完結できる現在の上田の成長が表れています。
伊東の得点につながったワンタッチパスでは、自分でボールを保持せず、相手センターバックを引きつけながら最も速くゴールへ向かえる選択をしたため、プレーの判断も高く評価できます。
2点目は佐野海舟のクロスにタイミングを合わせたヘディングで、相手守備者の前へ入りながらコースを変えるというセンターフォワードらしい得点でした。
オランダ戦後に疲労を考慮して別メニュー調整を行っていた状況でも結果を残した点は心強い一方、決勝トーナメントを見据えるなら、上田へ負担が集中しないように小川航基や後藤啓介を含めた前線の使い分けも必要になります。
鎌田大地の働き
鎌田大地は開始4分に先制点を挙げただけでなく、相手の中盤と最終ラインの間に立ち、チュニジアの守備基準を曖昧にする役割を担いました。
鎌田が中央に固定されず左サイドや低い位置まで動くことで、中村敬斗が高い位置を取るスペースが生まれ、田中碧や佐野海舟から前線へ通すパスコースも増えています。
ゴール場面では中村の仕掛けに合わせてペナルティーエリアへ入り、守備者が対応しにくいタイミングと角度からフィニッシュしたため、偶然ボールがこぼれてきた得点ではありません。
ボールを持っていない場面でも上田と並んで相手のパスコースを限定し、チュニジアが中央から簡単に前進することを防いだ点は、得点映像だけでは伝わりにくい貢献です。
鎌田を早めに交代させられたことも次戦へ向けた好材料ですが、相手がより強く前から圧力をかけてきた場合に、低い位置まで下がりすぎずゴール前の怖さを維持できるかが重要になります。
伊東純也の得点
伊東純也の3点目は、チュニジアの反撃意欲を大きく削ぐと同時に、日本の縦に速い攻撃が世界大会でも有効であることを示した得点でした。
田中碧が相手の守備陣形が整う前に縦パスを入れ、上田綺世がワンタッチでボールの速度を落とさず、伊東が背後へ抜け出した一連の流れには無駄なプレーがありませんでした。
伊東はゴールキーパーとの1対1で慌てず、相手の動きを見ながら低いシュートを決めており、スピードだけでなく最後の局面における冷静さも発揮しています。
右ウイングバックではなく上田の近くに立つシャドーとして起用されたことで、伊東は長い距離をドリブルするだけではなく、最終ラインの背後へ直接飛び出す機会を得られました。
久保建英が起用できない場合でも、伊東の縦への速さと堂安律の内側へ入る動きを組み合わせれば、右サイドから異なる攻撃パターンを作れることが確認できた点も大きな収穫です。
無失点の価値
4得点が注目される試合ですが、日本代表にとって同じくらい価値があるのは、チュニジアの攻撃を無失点に抑えたことです。
冨安健洋、板倉滉、伊藤洋輝の3バックは、相手のロングボールに対して前へ出る選手と背後をカバーする選手の役割を整理し、中央で簡単に起点を作らせませんでした。
チュニジアがサイドからクロスを入れた場面やペナルティーエリア内へ侵入した場面でも、板倉のクリアや冨安のブロックによってシュートコースを限定できています。
鈴木彩艶も前半終了間際のボールを安定して処理し、無理に攻撃を急がず、味方の配置が整ってからビルドアップを再開することで試合のテンポを管理しました。
ただし、後半立ち上がりにはサイドから入れられたボールに対して中央の選手が一瞬フリーになる場面もあったため、スウェーデンのように高さと決定力を備える相手には、クロスを上げさせない守備まで徹底する必要があります。
試合全体の評価
日本代表のチュニジア戦を総合的に評価すると、勝ち点、得点数、得失点差、無失点、主力の出場時間管理という複数の目的を達成した完成度の高い試合だったといえます。
特に、得点を奪った直後に守備が緩まず、前半2-0から後半も追加点を狙い続けた姿勢は、グループステージの順位決定で得失点差や総得点が影響する可能性を考えても重要でした。
- 開始4分に先制
- 前半で2点差
- 上田綺世が2得点
- 異なる形から4得点
- 3バックが無失点
- 主力を途中交代
- 得失点差を改善
その一方で、2-0となった後には安全なパスが増えて攻撃の速度が落ち、チュニジアの守備ブロックを外側から眺める時間も生まれました。
4-0という結果を過大評価するのではなく、相手の強度が上がったときにも同じプレーを再現できるかという基準で振り返ることが、次戦以降の日本代表を正しく見極める視点になります。
4-0を生んだ日本代表の戦術

日本代表は基本布陣として3-4-2-1を採用し、ボールを持つ場面では両ウイングバックが高い位置を取り、鎌田大地と伊東純也が上田綺世の周囲で流動的に動きました。
守備では前線から中央へのパスコースを限定し、チュニジアが長いボールを蹴ったところを3バックとダブルボランチが回収する設計が機能しています。
単純に選手個人の能力差で押し切ったのではなく、相手が守りにくい立ち位置を作り、ボールを奪った直後には縦へ速く進むという共通認識が4得点につながりました。
3-4-2-1の配置
日本のスタメンは鈴木彩艶をゴールキーパーに置き、冨安健洋、板倉滉、伊藤洋輝が3バックを形成する3-4-2-1でした。
中盤中央には佐野海舟と田中碧、右ウイングバックに堂安律、左ウイングバックに中村敬斗が入り、伊東純也と鎌田大地が上田綺世の後方を支えています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
| 位置 | 先発選手 |
|---|---|
| GK | 鈴木彩艶 |
| 右CB | 冨安健洋 |
| 中央CB | 板倉滉 |
| 左CB | 伊藤洋輝 |
| 右WB | 堂安律 |
| 中央MF | 佐野海舟 |
| 中央MF | 田中碧 |
| 左WB | 中村敬斗 |
| シャドー | 伊東純也 |
| シャドー | 鎌田大地 |
| FW | 上田綺世 |
攻撃時には堂安と中村が幅を取り、鎌田と伊東が内側へ入ることで、チュニジアのウイングバックとセンターバックに誰を捕まえるべきか迷わせました。
板倉が中央から縦パスを狙い、冨安と伊藤が運びながら相手の一列目を越えたため、中央とサイドのどちらからでも攻撃を始められたことが配置上の強みです。
縦パスの狙い
日本がチュニジアの守備を崩した大きな理由は、横パスを回すだけでなく、相手の中盤と最終ラインの間へ縦パスを入れ続けたことです。
田中碧は前を向ける瞬間を逃さず、上田綺世や鎌田大地の足元へボールを入れ、佐野海舟は相手のカウンターを警戒しながら攻撃を支えました。
- 上田の足元へ入れる
- 鎌田をライン間で使う
- 伊東を背後へ走らせる
- 逆サイドへ展開する
- こぼれ球を中央で回収する
3点目の場面では、田中から上田への縦パスが守備ブロックを一気に突破し、上田のワンタッチと伊東の走りによって相手が戻る時間を与えませんでした。
強豪国との対戦では縦パスを狙った瞬間にボールを奪われる危険も増えるため、受け手だけでなく、失った直後に回収する選手の位置まで準備しておくことが欠かせません。
守備への切り替え
日本は攻撃が終わった直後に近い選手がボールへ圧力をかけ、チュニジアが前線へ正確なパスを出す時間を与えないことでカウンターを抑えました。
堂安律と中村敬斗も最終ライン付近まで戻り、外側のスペースを埋めたため、3バックが広い範囲を一人で守らなければならない状況は限定されています。
チュニジアがロングボールを選択した場合には、板倉滉を中心に競り合い、田中碧と佐野海舟がセカンドボールへ寄せる形が整っていました。
無失点という結果は守備者だけの成果ではなく、上田綺世、鎌田大地、伊東純也が前線からパスコースを限定したことで、相手の攻撃方向を予測しやすくしたチーム全体の成果です。
ただし、交代選手が入った後には守備の開始位置や寄せるタイミングがわずかにずれる場面もあり、試合終盤まで共通基準を維持することが今後の課題になります。
チュニジア戦の選手評価

チュニジア戦では2得点1関与の上田綺世が最も目立つ結果を残しましたが、4-0は一人の活躍だけで生まれたスコアではありません。
鎌田大地の先制点、中村敬斗の左サイドでの前進、伊東純也の背後への走り、田中碧の縦パス、佐野海舟の運動量、3バックの安定感がつながったことで、攻守のバランスを崩さず得点を重ねられました。
選手評価ではゴールやアシストだけを見るのではなく、相手を動かした立ち位置、ボールを失った後の対応、味方のために空けたスペースまで含めて判断する必要があります。
攻撃陣の評価
攻撃陣では上田綺世が最高評価の候補であり、2得点だけでなく伊東純也の得点につながるワンタッチパスでも重要な役割を果たしました。
鎌田大地は早い時間帯に先制点を奪い、伊東純也はシャドーから背後へ抜ける動きで3点目を記録し、中村敬斗は左サイドから最初のゴールを生み出しています。
| 選手 | 主な評価点 |
|---|---|
| 上田綺世 | 2得点とポストプレー |
| 鎌田大地 | 先制点とライン間の動き |
| 伊東純也 | 背後への走りと1得点 |
| 中村敬斗 | 左サイドの推進力 |
| 堂安律 | 内側の連係と守備 |
堂安律は得点には直接関与しなかったものの、右サイドでボールを受ける位置を変えながら伊東の走路を作り、守備でも相手の前進を止めました。
得点者だけを高く評価して終えるのではなく、ボールを持たずに味方のスペースを作った選手まで見ると、日本の攻撃が複数人の連動によって成立していたことが分かります。
中盤の評価
田中碧と佐野海舟のダブルボランチは、遠藤航がいない中盤でボール保持、縦パス、セカンドボール回収、カウンター対応を分担しました。
田中は3点目の起点となる縦パスを通し、相手の守備が下がった場面ではペナルティーエリア手前まで進んでミドルシュートも狙っています。
- 田中碧は縦パスを供給
- 佐野海舟は広範囲をカバー
- 両者がこぼれ球を回収
- 攻撃時の距離感を維持
- 失った直後の中央を管理
佐野は相手のカウンターを止めるだけでなく、終盤には右サイドへ進出して上田綺世の2点目をアシストし、攻撃面でも成果を残しました。
より強い相手は中盤の二人へ激しく圧力をかけてくるため、背中側から寄せられたときのボール処理や、ワンタッチで逃がす連係をさらに高める必要があります。
守備陣の評価
冨安健洋、板倉滉、伊藤洋輝の3バックは、高さ、対人守備、カバーリング、ビルドアップの役割を安定して遂行しました。
板倉は中央でロングボールを処理しながら上田綺世への縦パスで2点目の起点となり、守備と攻撃の両面で存在感を示しています。
冨安は相手がペナルティーエリア内へ入った場面でシュートコースを消し、伊藤は左サイドの背後を管理しながら中村敬斗を高い位置へ押し出しました。
鈴木彩艶には派手なセーブを連発する展開こそありませんでしたが、クロスや浮き球を落ち着いて処理し、最後方から味方へ安心感を与えています。
守備陣の評価をさらに高めるには、クロスを入れられた後に跳ね返すだけでなく、相手のサイドアタッカーへ早く寄せてクロス自体を阻止する回数を増やすことが求められます。
日本代表に残った課題

4-0で勝利した試合では問題点が見えにくくなりますが、優勝や過去最高成績を目指す日本代表にとっては、大勝した試合から改善点を探す作業が重要です。
チュニジア戦では先制後に主導権を握った一方、相手が低い位置に人数をそろえた時間帯にはボールを保持しても決定機へつなげられない場面がありました。
交代選手を入れた後の攻守の連係、サイドからクロスを許した場面、上田綺世への依存度などは、ノックアウトステージを勝ち進むために整理しておきたい論点です。
攻撃が停滞した時間
前半に2点をリードした後、日本は無理に攻める必要がなくなった一方で、安全な横パスが増え、チュニジアの守備ブロックの外側を回る時間が長くなりました。
リードを守りながら試合を管理すること自体は問題ではありませんが、相手が前へ出てこない状況で攻撃のテンポまで完全に落としてしまうと、追加点の可能性だけでなく自分たちの集中力も低下します。
| 課題 | 改善の方向 |
|---|---|
| 横パスの増加 | 縦パスの回数を保つ |
| 中央の渋滞 | 外側から相手を動かす |
| 裏への動き不足 | 前後の動きを組み合わせる |
| 攻撃速度の低下 | 奪った直後に前を見る |
鎌田大地が低い位置へ下がるだけでなく、伊東純也や中村敬斗が相手最終ラインの背後へ走ることで、足元と裏の二つの選択肢を同時に作る必要があります。
得点差が開いた後も、相手の出方に応じて速く攻める場面とボールを保持する場面を選び分けられれば、日本はより成熟した試合運びを実現できます。
クロスへの対応
日本は無失点で終えたものの、チュニジアにサイドからクロスを入れられ、中央の選手へボールが届きかけた場面が複数回ありました。
3バックは中央で跳ね返せていましたが、相手に自由な状態でクロスを蹴らせれば、上田綺世よりも高さのあるスウェーデンの攻撃陣には決定機を作られる可能性があります。
- ボール保持者へ早く寄せる
- ニアサイドを空けない
- 逆サイドの選手を確認する
- こぼれ球へ先に反応する
- ファウルでセットプレーを与えない
ウイングバックが前へ出た背後を誰がカバーするのか、センターバックが外へ引き出されたときに中央へ誰が入るのかを、相手の攻撃方向に応じて明確にしなければなりません。
無失点という結果に安心せず、クロスを上げられる前の守備まで振り返ることが、次戦スウェーデン戦の失点リスクを減らす準備になります。
交代後の連係
日本はリードを広げた後に鎌田大地、堂安律、冨安健洋、中村敬斗、上田綺世を交代させ、主力の疲労を抑えながら試合を終えました。
長い大会では主力だけで全試合を戦うことは難しいため、鈴木淳之介、菅原由勢、瀬古歩夢、鈴木唯人、後藤啓介らが本大会の空気を経験できたことには大きな意味があります。
一方で、複数の選手を同時に替えると、前線から守備を始める位置やサイドで受け渡す基準が変わり、チーム全体の距離が一時的に広がる危険があります。
今回のように十分なリードがある試合では修正する時間を確保できますが、一点差のノックアウトゲームでは交代直後の数分間が勝敗を左右する可能性があります。
交代選手には個人で結果を残すだけでなく、入った直後に周囲へ声をかけ、チームの守備基準と攻撃の立ち位置を早く共有する役割が求められます。
決勝トーナメント進出条件と次戦スウェーデン戦

日本代表はチュニジア戦の勝利によって2試合を終えて勝ち点4となり、グループF突破へ非常に有利な位置に立ちました。
2026年大会は48チームが12グループに分かれ、各組上位2チームに加えて、3位となった12チームのうち成績上位8チームがラウンド32へ進みます。:contentReference[oaicite:3]{index=3}
日本は最終節でスウェーデン代表と対戦するため、引き分け以上を確保して上位2位以内を自力で固めることが最も分かりやすい目標になります。
現在の立ち位置
日本はオランダ代表と2-2で引き分け、チュニジア代表に4-0で勝利したため、2試合で1勝1分け、勝ち点4、6得点2失点、得失点差プラス4となりました。
同じグループではオランダがスウェーデンに5-1で勝利して勝ち点4とし、スウェーデンは勝ち点3で日本との最終節を迎えます。
| 日本の最終節 | 想定される状況 |
|---|---|
| 勝利 | 勝ち点7で上位通過へ |
| 引き分け | 勝ち点5でスウェーデンを上回る |
| 敗戦 | 勝ち点4で他組との比較も視野 |
勝利すればグループ1位の可能性を残し、引き分けなら少なくともスウェーデンより上の順位を確保できるため、日本は自力で突破へ進める状況です。
敗れた場合でも勝ち点4と得失点差が残りますが、3位チーム同士の比較や他会場の結果に左右される可能性があるため、最初から引き分けを狙う消極的な戦い方は避けるべきです。
スウェーデン戦の鍵
スウェーデン戦で最も警戒したいのは、前線の高さと強さを生かしたロングボール、サイドからのクロス、セットプレーです。
チュニジア戦では3バックが空中戦に対応できましたが、スウェーデンはより高い位置でボールを収め、こぼれ球から二次攻撃を続ける力を持っています。
- クロスを上げさせない
- 競り合い後のボールを拾う
- 不用意なファウルを避ける
- 相手背後へ速く攻める
- 先制後も攻撃姿勢を保つ
日本は相手の高さに付き合って長いボールを蹴り合うのではなく、田中碧や佐野海舟を経由してボールを動かし、スウェーデンの大柄な選手を左右へ走らせる展開を作りたいところです。
チュニジア戦で得点した伊東純也のスピードや中村敬斗の仕掛けは、スウェーデンの最終ラインが前へ出た背後を攻略する武器になります。
先発変更の可能性
森保一監督はグループ突破だけでなく、その先のラウンド32も見据えて、スウェーデン戦で一部の先発を変更する可能性があります。
ただし、勝ち点4では突破が完全に確定したとは言い切れないため、主力を大幅に休ませるよりも、試合の強度を維持しながら数人を入れ替える形が現実的です。
上田綺世の疲労を考慮して小川航基を起用する選択、右サイドに菅原由勢を入れて堂安律を前方へ動かす選択、守備陣の一部を瀬古歩夢や渡辺剛へ替える選択などが考えられます。
久保建英の状態が整えば、伊東純也や鎌田大地とは異なるボール保持能力を加えられるため、相手が低い位置で守る時間帯の解決策にもなります。
誰を先発させる場合でも、チュニジア戦で機能した前線の連動と守備への切り替えを失わないことが、選手変更以上に重要です。
チュニジア戦で検索されやすい疑問

日本代表の試合後には、結果や得点者だけでなく、マン・オブ・ザ・マッチは誰か、なぜ4得点できたのか、久保建英がいない攻撃は機能したのか、決勝トーナメント進出は決まったのかといった疑問が多く生まれます。
一つのプレーだけを切り取ると評価が極端になりやすいため、試合の流れ、相手の状態、日本の配置、得点が入った時間帯を合わせて考えることが大切です。
ここでは日本代表チュニジア戦のハイライトを見た人が迷いやすいポイントを、試合内容に沿って簡潔に整理します。
最優秀選手は誰か
チュニジア戦の最優秀選手を一人選ぶなら、2得点と伊東純也のゴールへの関与を記録した上田綺世が最有力です。
上田はシュートを決めただけでなく、相手センターバックを背負って味方の前進を助け、背後へ走ることで守備ラインを下げ、クロスに合わせる動きでも違いを作りました。
| 候補 | 評価理由 |
|---|---|
| 上田綺世 | 2得点と1得点への関与 |
| 鎌田大地 | 開始4分の先制点 |
| 伊東純也 | 背後への抜け出しで得点 |
| 田中碧 | 中盤の組み立てと縦パス |
| 佐野海舟 | 守備範囲と終盤のアシスト |
先制点で試合を変えた鎌田大地、攻守を支えた田中碧と佐野海舟、無失点を支えた板倉滉も高く評価できるため、上田だけが突出していたというより、中心選手が役割を遂行した試合と見るべきです。
個人賞を決める際にも、得点数だけでなく、得点が入る前の動きや守備への貢献まで確認すると、試合の理解が深まります。
久保建英不在でも機能した理由
久保建英が先発にいない状況でも日本の攻撃が機能した理由は、久保と同じ役割を一人の選手へ求めず、複数の選手で攻撃機能を分担したためです。
鎌田大地がライン間でボールを受け、伊東純也が背後へ走り、堂安律が内側へ入り、中村敬斗が左サイドで幅と推進力を提供しました。
- 鎌田が中央をつなぐ
- 伊東が背後を狙う
- 堂安が右の連係を作る
- 中村が左から仕掛ける
- 上田が中央で基準点になる
久保のボール保持能力や狭い場所での創造性は代替しにくいものの、チュニジア戦のように縦へ速く攻められる相手には、伊東のスピードを上田の近くで生かす配置が効果的でした。
相手によって攻撃の中心を変えられることは長い大会の強みになるため、久保不在でも勝てたという見方より、久保を含めて複数の勝ち筋を用意できるようになったと評価するのが適切です。
4-0で突破は決まったのか
チュニジアに4-0で勝利した時点で、日本がラウンド32進出へ大きく前進したことは間違いありませんが、最終節を残しているため、勝利直後の段階で全条件が確定したと断定するのは避けるべきです。
2026年大会では各グループの上位2チームと3位チームの成績上位8チームが進出するため、勝ち点4と得失点差プラス4は3位になった場合の比較でも有利に働きます。
それでも他グループの3位が勝ち点4以上を獲得する可能性や、スウェーデン戦の失点数によって得失点差が変化する可能性が残っています。
最も確実なのはスウェーデン戦で引き分け以上を確保し、他会場の結果へ依存せずグループ上位で通過することです。
日本は守り切ることだけを考えるのではなく、チュニジア戦で見せた縦への速さを生かして先制点を狙い、勝利によるグループ1位通過の可能性まで追う姿勢が求められます。
4-0の価値を次戦へつなげてこそ本当の前進になる
日本代表のチュニジア戦は、鎌田大地の開始4分の先制点、上田綺世の2得点、伊東純也の抜け出し、佐野海舟のアシスト、3バックの無失点という多くの成果が詰まった4-0の勝利でした。
異なる攻撃ルートから得点し、久保建英が先発にいない状況でも攻撃を成立させ、主力を途中で休ませながら勝ち点3と大きな得失点差を獲得できたことは、グループステージ突破を目指すうえで理想に近い結果です。
ただし、攻撃が停滞した時間、サイドからクロスを許した場面、複数交代後の連係、上田綺世への負担といった課題は残っており、4-0という数字だけで日本の完成度を判断すべきではありません。
次戦のスウェーデン代表は高さ、フィジカル、セットプレーというチュニジアとは異なる武器を持つため、日本にはクロスを上げさせない守備、セカンドボールの回収、相手最終ラインの背後を突く攻撃が必要になります。
チュニジア戦の快勝を自信へ変えながらも結果に満足せず、スウェーデン戦で引き分け以上を確保して自力で上位通過を決められれば、この4-0は日本代表が過去最高成績へ進むための重要な転機だったと評価できるでしょう。




