ゼロトップとは?サッカーの常識を覆した画期的な戦術をわかりやすく解説!

ルールと戦術を学ぶ

サッカーの試合を見ていると、「ゼロトップ」という言葉を耳にすることがありませんか? 「トップがゼロって、フォワードがいないの?」「誰が点を取るの?」と不思議に思う方も多いかもしれません。

ゼロトップとは、その名の通り、最前線に伝統的なセンターフォワード(CF)を配置しない特殊な戦術のことです。一見すると奇策にも思えるこの戦術ですが、現代サッカーにおいて非常に重要な戦術の一つとして認識されています。FWが1人いることを「ワントップ」、2人いることを「ツートップ」と呼ぶのに対し、特定のFWを置かないため「ゼロトップ」と呼ばれているのです。

この記事では、ゼロトップの基本的な仕組みから、それがチームにもたらすメリットやデメリット、そしてこの戦術を駆使して一時代を築いた有名なチームの実例まで、サッカー初心者の方にも理解しやすいように詳しく解説していきます。この記事を読めば、ゼロトップの奥深さがわかり、サッカー観戦がもっと面白くなること間違いなしです!

 

ゼロトップとは?基本的な仕組みを理解しよう

ゼロトップ戦術を理解するためには、まずその基本的な考え方と、関連する用語との違いを知ることが大切です。ここでは、ゼロトップがどのような仕組みで機能するのか、そしてよく似た言葉である「偽9番」との違いは何かを、わかりやすく解説していきます。

そもそも「トップ」とは何を指す?

サッカーにおける「トップ」とは、一般的にチームの最前線に位置するフォワード(FW)のことを指します。特に、中央にポジションを取るセンターフォワード(CF)を指すことが多いです。彼らの主な役割は、相手のゴールに最も近い位置でプレーし、得点を奪うことです。

センターフォワードは、味方からのパスをゴール前で受けてシュートを打つだけでなく、屈強な相手ディフェンダーと競り合いながらボールを収め、攻撃の起点になる「ポストプレー」や、相手の守備ラインの裏へ走り込んでパスを引き出す動きなども求められる、攻撃の要となるポジションです。

このように、チームの得点源として、また攻撃の基準点として非常に重要な役割を担うのが「トップ」の選手です。ゼロトップ戦術を理解する上では、まずこの「トップ=最前線のセンターフォワード」というイメージを掴んでおくことが第一歩となります。

センターフォワードが「いない」戦術

ゼロトップの最も大きな特徴は、前述したセンターフォワードのポジションに、あえて選手を配置しない点にあります。 では、誰が攻撃の中心になるのでしょうか? ゼロトップでは、本来センターフォワードがいるはずのスペースを空けておき、そのスペースにミッドフィールダー(MF)やウイングの選手が流動的に飛び出していくことで攻撃を仕掛けます。

従来のサッカーでは、相手チームのセンターバック(CB)は、味方のセンターフォワードをマークするのが主な役割でした。しかし、ゼロトップではマークすべき相手が目の前にいないため、CBは誰をマークすれば良いのか、ポジションをどう取れば良いのかという混乱に陥ります。 この相手守備陣の混乱こそが、ゼロトップ戦術の狙いの一つなのです。

最前線に特定の選手がいない代わりに、2列目の選手たちが次々とゴール前に現れるため、相手ディフェンダーは的を絞りにくくなります。 このように、特定の点ではなく、複数の選手が絡む「面」で攻撃を仕掛けるのがゼロトップの基本的な仕組みです。

偽9番(ファルソ・ヌエベ)との違い

ゼロトップと非常によく似た言葉に「偽9番(ぎきゅうばん)」があります。これはスペイン語で「ファルソ・ヌエベ」とも呼ばれ、しばしばゼロトップと混同されたり、同じ意味で使われたりすることもあります。 しかし、厳密には少しニュアンスが異なります。

  • 偽9番: フォーメーション上はセンターフォワード(伝統的に9番の背番号が多いためこう呼ばれる)として配置されている選手が、試合中に頻繁に中盤まで下りてきて、ゲームメイクなどにも関わる役割のこと。 あくまで「選手(個人)の役割」に焦点が当たっています。
  • ゼロトップ: そもそもスターティングメンバーの時点で、センターフォワードのポジションに選手を配置しない「チーム全体のシステム(戦術)」のこと。

つまり、偽9番は「選手」の動きや役割を指す言葉であり、ゼロトップは「チーム」の戦術システムを指す言葉と捉えると分かりやすいでしょう。 例えば、FCバルセロナ時代のリオネル・メッシ選手は偽9番の役割を担い、その結果としてチームはゼロトップのシステムで機能していました。 このように両者は密接な関係にありますが、その指し示す対象に少し違いがあるのです。

用語 指し示す対象 特徴
ゼロトップ チーム全体のシステム・戦術 最初からCFを置かず、MFなどが前線に飛び出す
偽9番 特定の選手の役割・動き CFの位置から中盤に下りてきてプレーする

ゼロトップがもたらすメリットとは?

ゼロトップ戦術は、なぜ多くの強豪チームに採用されてきたのでしょうか。それは、従来のサッカーの常識を覆すことで、チームに数多くの戦術的な利点をもたらすからです。ここでは、ゼロトップがもたらす主な3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。

相手ディフェンダーの混乱を誘う

ゼロトップの最大のメリットは、何と言っても相手の守備組織、特にセンターバック(CB)を混乱させられる点です。 通常、CBは相手のセンターフォワード(CF)をマンマーク(特定の相手選手に付きっきりでマークすること)するのが基本的な役割です。しかし、ゼロトップではそのマークすべきCFが目の前からいなくなります。

そうなると、CBは次のようなジレンマに陥ります。

  1. ポジションを維持するか?: 自分の守備位置に留まると、中盤に下りた偽9番役の選手をフリーにしてしまい、自由にパスやドリブルをさせてしまう。
  2. 相手についていくか?: 偽9番役の選手を追いかけて中盤までついていくと、本来守るべき最終ラインに大きなスペースが生まれてしまう。

このCBが空けたスペースを、味方のウイングや攻撃的ミッドフィールダーが見逃さず、一気に走り込みます。 これにより、相手守備陣は誰が誰をマークするのかという連携が乱れ、守備の基準点を失ってしまうのです。 マークの受け渡しが曖昧になり、守備ブロックに穴が開きやすくなること、これがゼロトップが攻撃面でもたらす非常に大きなアドバンテージです。

中盤での数的優位を作りやすい

サッカーにおいて、試合の主導権を握る上で中盤の支配は非常に重要です。ゼロトップ戦術では、本来最前線にいるはずの選手が中盤のプレーに参加するため、中盤の選手が一人増えることになります。 これにより、相手チームに対して「数的優位」を作り出すことができます。

例えば、相手が4-4-2のフォーメーションで中盤に4人配置している場合、こちらが4-3-3のゼロトップを採用すると、偽9番役の選手が下がることで中盤が「4対4」の同数ではなく「4対3」の状況を作り出せるのです。

中盤で数的優位を確保できると、ボールを保持しやすくなり、パス回しがスムーズになります。 密集したエリアでも味方選手が多いため、短いパスを繋いで相手のプレッシャーを回避し、ボールポゼッション率を高めることが可能になります。

このように、試合を落ち着かせて自分たちのペースでコントロールしやすくなる点も、ゼロトップの大きなメリットと言えるでしょう。

流動的なパスワークとポゼッション

ゼロトップは、特定の選手に頼るのではなく、チーム全体の流動性を高める戦術です。 最前線に起点となる選手がいない代わりに、中盤の選手たちがポジションチェンジを繰り返しながらパスを交換し、相手守備網の隙を探します。

この戦術を成功させるためには、選手一人ひとりに高い技術と戦術理解度が求められますが、うまく機能すれば、予測不能で多彩な攻撃パターンを生み出すことができます。 誰がフィニッシャー(ゴールを決める選手)になるかわからないため、相手は的を絞った守備が困難になります。

また、前述した中盤での数的優位は、ボールポゼッション(ボール支配)を高めることにも直結します。 自分たちがボールを持っている時間が長ければ長いほど、相手に攻撃される機会は減り、試合を優位に進めることができます。ペップ・グアルディオラ監督が率いたFCバルセロナが見せたように、圧倒的なポゼッションとゼロトップを組み合わせることで、相手を疲弊させ、試合を完全に支配することも可能になるのです。

ゼロトップの弱点・デメリット

革新的なゼロトップ戦術も、決して万能ではありません。その特殊な仕組みゆえに、いくつかの弱点やデメリットも存在します。この戦術を採用するには、チームの特性や選手の能力を慎重に見極める必要があります。ここでは、ゼロトップが抱える主な3つのデメリットについて解説します。

前線での起点を作りにくい

ゼロトップの最大のデメリットの一つは、最前線に攻撃の起点となる選手がいないことです。従来のセンターフォワードは、高身長やフィジカルの強さを活かして、ゴールキックやロングボールを前線で収める「ポストプレーヤー」としての役割も担います。これにより、チーム全体を押し上げたり、苦しい状況で一度攻撃の形を作り直したりすることができました。

しかし、ゼロトップでは最前線にそのようなターゲットマンがいないため、ロングボールを蹴ってもボールを失いやすくなります。相手に押し込まれた際に、前線でボールをキープして味方の上がりを待つ時間が作れず、守備から攻撃への切り替えが難しくなることがあります。

特に、相手のプレッシャーが厳しい試合展開では、前線で時間を作れないことが大きな弱点となり、自陣でのプレーが長くなってしまうリスクがあります。

クロス攻撃の効果が薄れる

サイドからのクロスボールは、サッカーにおける重要な得点パターンの一つです。しかし、ゼロトップ戦術ではこのクロス攻撃の効果が薄れてしまう傾向があります。なぜなら、クロスボールに合わせるべきターゲット、つまり長身でヘディングの強いセンターフォワードがゴール前にいないからです。

サイドを深くえぐって質の高いクロスを上げても、ペナルティエリア内にいるのは小柄なMFやウイングの選手ばかりで、相手の屈強なセンターバックに競り勝つのは容易ではありません。そのため、ゼロトップを採用するチームは、サイドからの単純なハイボール(高く上げるボール)による攻撃は少なくなりがちです。

攻撃のバリエーションが地上戦やショートパス主体に偏りがちになり、相手に引いて守りを固められた際に、それをこじ開けるための有効な手段が一つ減ってしまう可能性があるのです。

高い戦術理解度と技術が求められる

ゼロトップは、選手たちがピッチ上で即座に判断し、ポジションを入れ替えながら連動する必要がある、非常に高度で複雑な戦術です。 この戦術を機能させるためには、選手一人ひとりに極めて高い戦術理解度と、それを実行するための優れたテクニックが求められます。

偽9番役をこなす選手は、ストライカーとしての得点感覚と、ゲームメーカーとしてのパスセンスやビジョンを両立させなければなりません。 周りの選手たちも、常にスペースを見つけて走り込む動きや、味方との連携を意識したプレーが不可欠です。

もしチーム内に戦術を理解していない選手が一人でもいると、全体の連動性が失われ、単に前線に選手がいないだけの機能不全な状態に陥ってしまいます。 誰にでもできる戦術ではなく、選ばれた選手と優れた指導者がいて初めて成立する戦術であるため、導入のハードルが非常に高いのが大きなデメリットと言えるでしょう。

ゼロトップを成功させた有名なチームと選手

ゼロトップ戦術は、その歴史の中でいくつかの象徴的なチームによって完成度が高められてきました。これらのチームは、特定のキープレーヤーの能力を最大限に活かす形でゼロトップを導入し、サッカー界に大きなインパクトを与えました。ここでは、ゼロトップを語る上で欠かせない代表的なチームと選手を紹介します。

ASローマとフランチェスコ・トッティ

現代サッカーにおけるゼロトップの先駆けとして知られるのが、2000年代中盤、ルチアーノ・スパレッティ監督が率いたイタリアのASローマです。 当時のローマには、クラブの象徴であり、天才的なプレーメーカーであったフランチェスコ・トッティ選手が在籍していました。

スパレッティ監督は、本来トップ下の選手であったトッティを最前線に配置する「偽9番」として起用しました。 トッティはCFのポジションから頻繁に中盤に下りてきて、彼が持つ卓越したボールキープ力と視野の広さを活かして攻撃のタクトを振るいました。 相手のセンターバックがトッティについていくと、その背後に生まれた広大なスペースに、シモーネ・ペッロッタやマンシーニといった2列目の選手たちが猛然と走り込み、ゴールを陥れるという形を確立しました。 この革新的な戦術はセリエAを席巻し、トッティ自身もこのシステムで得点王に輝くなど、大きな成功を収めました。

FCバルセロナとリオネル・メッシ

ゼロトップ戦術を世界で最も有名にし、その完成度を極限まで高めたのが、ジョゼップ・グアルディオラ監督(通称ペップ)が指揮したFCバルセロナです。 その中心にいたのが、史上最高の選手と名高いリオネル・メッシ選手でした。

当初は右ウイングでプレーしていたメッシを、グアルディオラ監督は中央の偽9番として起用。 メッシは中盤に下りてきてボールを受けると、その驚異的なドリブル、正確無比なパスで相手守備網をいとも簡単に切り裂きました。 周りにはシャビやイニエスタといった天才的なパサーが揃っており、「ティキ・タカ」と呼ばれるショートパス主体のポゼッションサッカーとメッシの偽9番が見事に融合。 相手チームは、メッシを自由にさせれば決定的な仕事をされ、マークすれば背後のスペースを使われるという悪夢のような状況に陥り、バルセロナは国内外で数々のタイトルを獲得し、黄金時代を築き上げました。

スペイン代表とセスク・ファブレガス

チームだけでなく、代表チームレベルでもゼロトップは大きな成功を収めています。その代表例が、2012年の欧州選手権(EURO2012)を制したスペイン代表です。 ビセンテ・デル・ボスケ監督が率いたこのチームは、絶対的なストライカーが不在だったこともあり、大会の重要な試合でゼロトップシステムを採用しました。

このチームで偽9番の役割を担ったのが、本来はミッドフィールダーであるセスク・ファブレガス選手でした。 ファブレガスを中心に、シャビ、イニエスタ、ダビド・シルバといった小柄でテクニックに優れた選手たちが中盤でボールを支配し、流動的にポジションを変えながら相手を翻弄しました。特定のストライカーを置かない「4-6-0」とも評されたこの布陣で、スペイン代表は圧倒的な強さを見せつけ、見事に優勝を果たしました。これは、純粋なストライカーがいなくても、チームとしての組織力と戦術で頂点に立てることを証明した事例と言えます。

近年のマンチェスター・シティ

ゼロトップ戦術は過去のものではありません。現代サッカーでも、形を変えながら進化を続けています。その最先端を走っているのが、ここでもジョゼップ・グアルディオラ監督が率いるイングランドのマンチェスター・シティです。

グアルディオラ監督は、絶対的なストライカーであるアーリング・ハーランド選手が加入する以前、ケヴィン・デ・ブライネ選手やイルカイ・ギュンドアン選手、フィル・フォーデン選手といったMFの選手を偽9番として起用するゼロトップシステムを頻繁に採用していました。特定の選手に依存するのではなく、複数の選手がゴール前に飛び出すことで、より予測不能で多彩な攻撃を展開。この戦術を駆使して、世界最高峰リーグであるプレミアリーグを何度も制覇しています。これは、ゼロトップが現代サッカーにおいても非常に有効な戦術であることを示しています。

ゼロトップへの対策とは?

どんなに優れた戦術にも、必ず対抗策が存在します。ゼロトップがサッカー界に広まるにつれて、相手チームも様々な対策を講じるようになりました。ここでは、ゼロトップ戦術に対して有効とされる代表的な守備戦術を3つ紹介します。これらの対策を知ることで、試合観戦がさらに深く、面白くなるはずです。

マンマークの徹底

ゼロトップの狙いは、相手センターバック(CB)のマークの基準点を曖昧にすることにあります。 これに対する最も直接的な対策は、誰がどこに動こうと、特定の選手が責任を持ってマークし続ける「マンマーク」を徹底することです。

例えば、偽9番役の選手が中盤に下りてきた場合、CBがついていくのではなく、味方のディフェンシブハーフ(守備的なミッドフィールダー)がマークの受け渡しを受けて対応します。 CBは自分のポジションを大きく崩さずに最終ラインを維持し、代わりに中盤の選手が相手のキーマンを封じ込めるのです。

この方法を成功させるには、選手間の高度なコミュニケーションと連携が不可欠です。マークの受け渡しでミスが起これば、一瞬でフリーの選手を作られてしまうリスクもあります。

また、チーム全体でマンツーマンディフェンスを採用し、相手選手一人ひとりにマーカーを付ける「オールコートマンツーマン」という非常にアグレッシブな対策もあります。

コンパクトな守備ブロックの形成

ゼロトップチームは、選手間の距離を短く保ち、パスワークで守備網を崩そうとします。これに対しては、守備陣形全体をコンパクトに保ち、選手間のスペースを極力なくすことが有効な対策となります。

フォワードからディフェンスラインまでの縦の距離と、左右のサイドの横の距離を狭く保ち、密集した守備ブロックを形成します。これにより、相手がパスを通すためのスペースを物理的に消してしまいます。特に、ペナルティエリア前の中央の危険なエリアを固めることで、相手に外側でのプレーを強要し、決定的なチャンスを作らせないようにします。

選手間のスペースを消すことで、ゼロトップの持ち味である流動的な動きとパスワークを封じ込めるのがこの守備戦術の狙いです。ただし、長時間守備ブロックを維持するには、選手たちの高い集中力と規律が求められます。

ディフェンシブハーフの役割

ゼロトップ対策において、ディフェンシブハーフ(ボランチとも呼ばれる)の役割は極めて重要になります。 ディフェンシブハーフは、ディフェンスラインの前に位置し、相手の攻撃の芽を摘むフィルター役を担うポジションです。

ゼロトップの偽9番役の選手が中盤に下りてきた際に、最初にプレッシャーをかけるのがこのディフェンシブハーフです。 彼らが相手のキーマンに自由にプレーさせず、前を向かせないように厳しい守備をすることで、相手の攻撃のリズムを断ち切ることができます。

また、CBが相手選手につられてポジションを空けた場合に、そのスペースを素早くカバーリングする役割も担います。 優れたディフェンシブハーフがいるチームは、ディフェンスラインが安定し、ゼロトップの流動的な動きにも冷静に対応することが可能になります。彼らのフィルター機能が、ゼロトップ戦術を無力化する上で大きなポイントとなるのです。

まとめ:ゼロトップ戦術を理解してサッカー観戦をさらに楽しもう

今回は、サッカーの「ゼロトップ」戦術について、その基本的な仕組みからメリット・デメリット、歴史、そして対策に至るまで、幅広く解説してきました。

この記事の要点をまとめると以下のようになります。

  • ゼロトップとは、伝統的なセンターフォワードを置かないシステムのこと。
  • 最大のメリットは、相手ディフェンダーを混乱させ、中盤で数的優位を作りやすいこと。
  • デメリットとして、前線の起点が作りにくく、選手に高い能力が求められる点が挙げられる。
  • ローマのトッティバルセロナのメッシなどが「偽9番」としてこの戦術を体現した。
  • 対策としては、マンマークの徹底やコンパクトな守備ブロックの形成が有効。

ゼロトップは、一見すると奇妙に見えるかもしれませんが、サッカーの戦術的な奥深さを象徴する非常に興味深いシステムです。この戦術の仕組みや狙いを理解することで、ピッチ上で選手たちがどのような駆け引きをしているのかが見えるようになり、サッカー観戦が何倍も楽しくなるはずです。

次にサッカーの試合を観るときは、ぜひ「今日はゼロトップかな?」「偽9番の選手はどう動いているかな?」といった視点で注目してみてください。きっと新たな発見があるでしょう。

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