Jリーグのシーズン終盤戦、優勝争いと同じくらい、あるいはそれ以上に熱く、そしてファンの胃をキリキリと痛めつけるのが「残留争い」です。「自分の応援するチームは大丈夫だろうか?」「あと何勝すればJ1に残れるのか?」そんな不安を抱えながら、毎週末の試合結果に一喜一憂しているサポーターの方も多いのではないでしょうか。
残留争いの行方を占ううえで欠かせないキーワードが「残留ライン」です。これは、J1(あるいはJ2・J3)に踏みとどまるために最低限必要とされる勝ち点のボーダーラインのこと。この目安を知っておくことで、チームの現状を冷静に分析し、残りの試合でどのような結果が必要なのかを具体的にイメージできるようになります。
この記事では、20チーム制となり試合数が増えた2024シーズンの最新結果や過去の膨大なデータをもとに、Jリーグの残留ラインを詳しく解説します。さらに、2025年から変更された順位決定ルールについてもわかりやすくまとめました。サポーター必読の知識を身につけて、最後まで諦めずにチームを応援しましょう。
Jリーグ残留ラインとは?2024年の結果から見る新基準

まずは「残留ライン」という言葉の基本的な定義と、チーム数や試合数の変更によってこのラインがどのように変化しているのかを見ていきましょう。特に2024年シーズンは、Jリーグの歴史において大きな転換点となりました。最新のデータを踏まえた「新しい常識」を知ることが大切です。
残留ラインの定義と「降格圏」の仕組み
「残留ライン」とは、リーグ戦の最終順位において、翌シーズンも同じカテゴリー(J1ならJ1)に所属できる最下限の順位、またはその順位のチームが獲得した「勝ち点」のことを指します。これより下の順位になってしまうと、下位リーグ(J2など)への降格が決まってしまいます。
Jリーグのルールは年によって変わることがありますが、2024年シーズン以降のJ1リーグは20チーム制で行われています。このうち、年間の勝ち点が少ない下位3チーム(18位、19位、20位)が自動的にJ2へ降格するというルールです。つまり、残留するためには「17位以上」に入らなければなりません。
したがって、17位に入ったチームの勝ち点が、その年の実質的な「残留ライン」となります。シーズン中は、このラインが最終的に何点くらいになるのかを予測しながら、「あと勝ち点〇〇が必要だ」という計算をすることになります。これは単なる数字遊びではなく、チームの目標設定やモチベーションに関わる非常に重要な指標なのです。
衝撃の2024年シーズン!勝ち点40でも安心できなかった理由
長年Jリーグを見ているファンの間では、「勝ち点40を取れば残留できる」というのが定説でした。しかし、2024年シーズンの結果は、その常識を覆す衝撃的なものでした。この年はチーム数が18から20に増え、試合数も全34試合から全38試合へと増加した最初のシーズンだったからです。
2024年の最終結果を見ると、残留ギリギリの17位となった柏レイソルの勝ち点は「41」でした。一方で、降格圏の最上位である18位のジュビロ磐田は勝ち点「38」でシーズンを終えています。つまり、従来の安全圏と言われていた「勝ち点40」を取っていたとしても、得失点差などの状況次第では降格のリスクがあったということです。
実際、16位のアルビレックス新潟も勝ち点42であり、ひとつの勝ち、ひとつの引き分けが運命を分ける大混戦でした。「40点あれば大丈夫」という神話は、38試合制の導入とともに崩れ去ったと言えるでしょう。これからのJリーグでは、より高いレベルでの勝ち点積み上げが求められるようになったのです。
38試合制になって変わった「安全圏」の計算式
試合数が34試合から38試合に増えたことで、当然ながら残留に必要な勝ち点の総数も増加します。単純に試合数が増えた分だけ勝ち点が増えるわけですが、では具体的にどのくらいを目安にすればよいのでしょうか。ここで重要になるのが「1試合平均勝ち点」という考え方です。
一般的に、残留を争うチームの目標ラインは「1試合平均勝ち点 1.0」と言われています。34試合制なら34点、38試合制なら38点です。しかし、2024年の結果(17位が41点、18位が38点)を見ると、平均1.0点(=38点)では降格してしまう可能性が高いことが証明されました。
新しい安全圏の計算式としては、「総試合数 × 1.1」くらいを見積もっておくのが無難でしょう。38試合 × 1.1 = 41.8点、つまり「勝ち点42」がひとつの目安になります。もちろんシーズンごとの展開によりますが、サポーターとしては「42点」という数字をまずは安心できるゴールラインとして設定するのが良さそうです。
1試合平均勝ち点「1.1」が持つ重み
「1試合あたり勝ち点1.1」と聞くと、それほど高いハードルではないように感じるかもしれません。しかし、実際にこのペースを維持するのは残留争いをしているチームにとっては至難の業です。勝ち点1.1ペースとは、10試合戦って3勝2分5敗、あるいは2勝5分3敗くらいの成績です。
残留争いに巻き込まれるチームは、得点力不足や守備の崩壊など、何らかの課題を抱えています。その状態で、3回に1回勝つ、あるいは半分以上の試合で勝ち点を拾うというのは、並大抵のことではありません。連敗してしまうと一気に平均値が下がり、借金を返すために格上相手から勝利をもぎ取らなくてはならなくなります。
だからこそ、引き分けで得られる「勝ち点1」が非常に重みを持ちます。負ければ0ですが、引き分ければ平均値に近づくことができます。残留争いにおいては、華麗な勝利よりも、泥臭く拾った勝ち点1の積み重ねが、最終的に「平均1.1」への道を開き、チームをJ1の舞台に留まらせるのです。
過去データで振り返る!残留に必要な勝ち点の変遷

これからの残留ラインを予測するためには、過去の歴史を知ることも大切です。Jリーグには数々のドラマがあり、奇跡の残留もあれば、悲劇の降格もありました。ここでは、18チーム制時代のデータや特異なシーズンの事例を振り返りながら、残留ラインの傾向を分析していきます。
18チーム時代の「勝ち点38」神話とその崩壊
2005年から2023年まで(一部の特例年度を除く)、J1リーグは長らく18チーム制・全34試合で行われてきました。この時代のデータを見ると、残留ライン(降格圏の最上位チームの勝ち点 + 1、または残留最下位チームの勝ち点)は、おおむね36点から38点の間に収まることが多かったです。
ここから生まれたのが「勝ち点38あれば安全圏」という定説です。実際に、勝ち点38を取って降格したチームは非常に稀でした。多くのチームが、開幕前に「まずは勝ち点40」を目標に掲げていたのも、このデータに基づいています。40点あれば、ほぼ間違いなく中位以上でフィニッシュできたからです。
しかし、シーズンによっては下位チームが勝ち点を伸ばし合い、ラインが急上昇することもありました。逆に、下位が総崩れとなり、勝ち点30台前半でも残留できた年もあります。このように、「38」という数字はあくまで一つの基準であり、その年のリーグ全体のバランスによって大きく変動するものでした。
史上最も過酷だった残留争いの事例
過去のデータの中で特に際立っているのが、残留ラインが異常に高くなったシーズンです。例えば2012年は非常にハイレベルな争いとなり、最終的に16位で降格したガンバ大阪の勝ち点は「38」でした。得失点差で涙をのんだ形ですが、勝ち点38を取っても降格するという事実は、当時のJリーグファンを震撼させました。
また、2018年も記憶に残る大混戦でした。最終節までもつれ込み、16位となったジュビロ磐田は勝ち点41を獲得していました(※当時は16位がプレーオフ入れ替え戦へ回るレギュレーション)。勝ち点41を取りながらも自動残留できず、入れ替え戦に回らざるを得なかったのです。
これらの事例は、「例年通りの勝ち点なら大丈夫」という油断がいかに危険かを示しています。特に下位チーム同士の対戦で引き分けが少なく、どちらかが勝ち点3を取る試合が多いと、全体の勝ち点ベースが底上げされ、残留ラインが高騰する傾向にあります。
勝ち点だけでなく「得失点差」で泣いたチームたち
残留争いにおいて、勝ち点と同じくらい、時にはそれ以上に重要になるのが「得失点差」です。Jリーグの順位決定ルールでは、勝ち点が並んだ場合、最初に参照されるのが得失点差だからです。シーズンの最後に勝ち点が並ぶことは珍しくなく、わずか1点の得失点差が天国と地獄を分けることもあります。
過去には、勝ち点が並んだ末に得失点差で降格が決まったケースが何度もあります。例えば、大敗して得失点差を大きくマイナスにしてしまったチームは、終盤戦でライバルと勝ち点が並んだ際に圧倒的に不利になります。「0-3で負けるなら、せめて0-1で抑えておけば…」という後悔が、最終節に現実のものとなるのです。
そのため、残留争いをしているチームにとって、上位相手の試合で「大敗しないこと」は非常に重要な戦略となります。負けるにしても最小失点で食い止める、あるいは1点でも取り返して得失点差のマイナスを減らす。そうした細かい積み重ねが、最終的にチームを救う命綱となるのです。
コロナ禍の特例シーズンが残したデータの影響
2020年と2021年は、新型コロナウイルスの影響でJリーグのレギュレーションが大きく変更された特異なシーズンでした。2020年は「降格なし」という異例のルールで行われ、その反動で2021年は20チーム制・4チーム降格という非常に過酷なシーズンとなりました。
2021年の残留ラインは、4チームが降格するため例年よりも高い水準が予想されましたが、結果的に16位(残留圏)の湘南ベルマーレの勝ち点は37、17位(降格圏)の徳島ヴォルティスの勝ち点は36と、意外にも従来のラインに近い結果となりました。これは上位チーム(川崎フロンターレなど)が勝ち点を独占し、下位に勝ち点が回ってこなかったことが要因とされています。
このように、リーグ内に「圧倒的に強いチーム」や「極端に調子の悪いチーム」がいるかどうかで、残留ラインは変動します。コロナ禍のシーズンは、単なる数字のデータとしてだけでなく、リーグのパワーバランスが残留ラインに与える影響を理解するうえで貴重なサンプルとなっています。
残留ラインが変動する要因と「6ポイントマッチ」の正体

残留ラインは毎年一定ではありません。では、何がその数値を上下させるのでしょうか?ここでは、ラインを変動させる要因や、残留争いの行方を決定づける重要な試合、いわゆる「6ポイントマッチ」について解説します。
上位・中位・下位の力関係が生む「勝ち点の偏り」
リーグ全体の勝ち点の総数は決まっています(引き分けの数で多少変動しますが)。そのため、優勝争いをしている上位チームが圧倒的な強さで勝ち点を独占すると、下位チームに回る勝ち点が減り、結果として残留ラインは下がる傾向にあります。逆に上位陣が混戦で勝ち点を潰し合うと、下位にも勝ち点のチャンスが生まれ、残留ラインが上がることがあります。
また、順位表の中位に位置するチームのモチベーションも影響します。残留も優勝も関係ない「無風地帯」にいるチームが、終盤戦で下位チームに対してどのような戦いを見せるか。若手を起用して隙を見せるのか、それともプロとして徹底的に勝ちに来るのかによって、下位チームの勝ち点計算は大きく狂わされます。
このように、残留ラインは自分たちの成績だけでなく、リーグ全体の力関係や他会場の結果によって生き物のように変動します。そのため、サポーターは自分のチームの試合だけでなく、ライバルチームの対戦相手やそのモチベーションまで気にするようになるのです。
「裏天王山」と呼ばれる直接対決がすべてを決める理由
残留争いにおいて最も重要視されるのが、順位が近いライバルチームとの直接対決です。ファンやメディアからは「裏天王山」や「6ポイントマッチ」と呼ばれます。なぜ「6ポイント」なのでしょうか?
例えば、16位のチームと17位のチームが戦うとします。もし自分が勝てば勝ち点3を得て、相手は0です。その差は3ポイント広がります。しかし、もし負けてしまうと相手に勝ち点3を与え、自分は0。その差は逆に縮まるか、逆転されてしまいます。つまり、この1試合の結果によって、実質的に「勝ち点6」分の変動が両チーム間に生まれるという意味です。
この直接対決で勝利することは、単に勝ち点3を得る以上の価値があります。「ライバルの勝ち点獲得を阻止した」という事実は、精神的にも大きなアドバンテージとなります。逆にここで負けると、ダメージは計り知れません。残留争いの最終盤では、この直接対決の結果がそのまま順位に直結することが多いのです。
終盤戦の日程くん(対戦カード)が握るカギ
Jリーグファンが親しみを込めて(あるいは恨みを込めて)呼ぶ「日程くん」。リーグ戦の対戦カードを決めるスケジュールのことですが、これが残留争いに大きな影響を与えます。特にラスト5試合の対戦相手が誰なのかは死活問題です。
理想的なのは、すでに順位が確定してモチベーションが落ちている中位チームとの対戦が多いことです。逆に、優勝争いをしているトップチームや、同じく残留を懸けて死に物狂いで向かってくる下位チームとの対戦が続くと、勝ち点を積むのは非常に難しくなります。
「うちは残り試合、上位との対戦ばかりだ…」「ライバルチームは比較的楽な日程だ」といった具合に、日程表を見ながら皮算用をするのも終盤戦の風物詩です。不公平に感じることもありますが、これもまたリーグ戦の醍醐味であり、日程の妙がドラマを生む要素となっています。
夏の補強(救世主的な外国人選手など)によるブースト効果
シーズン前半で低迷したチームは、夏の移籍ウィンドウでテコ入れを図ります。ここで獲得した新戦力が活躍するかどうかが、残留ラインを大きく左右します。特に、強力な外国人ストライカーや守備を統率できるベテランDFの加入は、チームを劇的に変えることがあります。
過去には、夏に加入した「救世主」的な選手がゴールを量産し、チームを降格圏から一気に引き上げた例がいくつもあります。こうした補強に成功したチームが下位にいると、後半戦で猛烈な追い上げを見せ、残留ラインを一気に押し上げることがあります。
逆に、補強が不発に終わったり、主力を海外移籍で引き抜かれたりしたチームは、後半戦で失速し、そのまま降格圏へ沈んでいくことになります。フロント(強化部)の危機管理能力とスカウティングの質が、チームの運命を決めると言っても過言ではありません。
2025年から順位決定ルールが変更!反則ポイントの廃止

Jリーグは常に進化しており、ルールも時代に合わせて見直されています。2025年シーズンから、年間の順位決定方法について重要な変更が行われることが発表されました。これは残留争いの最後の一手にも関わる内容ですので、しっかりと把握しておきましょう。
従来の決定方法(勝ち点→得失点→総得点)のおさらい
まずは、これまでのルールを確認しておきます。2024年シーズンまでは、勝ち点が同じ場合、以下の優先順位で順位を決めていました。
- 得失点差
- 総得点数
- 当該チーム間の対戦成績(勝ち点、得失点差、総得点)
- 反則ポイント
- 抽選
通常は「得失点差」で決着がつくことがほとんどですが、稀に総得点まで並ぶことがあり、その場合は直接対決の結果、それでも並べば「反則ポイント」の少なさが順位を左右していました。
新ルールで「反則ポイント」が消えた背景と影響
2025年からは、この順位決定基準から「反則ポイント」が除外されます。新しい優先順位は以下のようになります。
- 得失点差
- 総得点数
- 当該チーム間の対戦成績(勝ち点、得失点差、総得点)
- 抽選
反則ポイントとは、警告(イエローカード)や退場(レッドカード)の数に応じて加算されるポイントで、少ないほうが上位になるルールでした。これが廃止された背景には、「審判の判定に誤りがあったとしても、ポイントは修正されないケースがある」「競技の勝敗そのものとは異なる要素で順位が決まることへの是非」などの議論があったようです。
この変更により、残留争いにおいて「カードをもらわないようにプレーする」ことの直接的な順位へのメリット(反則ポイント勝負での優位性)はなくなりました。もちろん、累積警告による出場停止はチームにとって大打撃なので、フェアプレーが重要であることに変わりはありませんが、順位決定のロジックとしてはよりシンプルに「サッカーの結果(ゴール数)」が重視される形になりました。
これからは「抽選」の可能性が少しだけ高まる?
反則ポイントという、かなり細かい差がつく指標がなくなったことで、理論上は「すべての数字が並んでしまい、抽選になる」可能性がわずかに高まりました。勝ち点、得失点、総得点、そして直接対決の成績までが完全に同じになる確率は極めて低いですが、ゼロではありません。
もし残留と降格を分ける17位と18位で完全に並んでしまった場合、運命の「抽選」が行われることになります。想像するだけで恐ろしい事態ですが、ルール上はそのような決着もあり得るということを頭の片隅に置いておく必要があります。
それでも変わらない「得失点差」の圧倒的な重要性
ルール変更があっても、変わらず最も重要なのは「得失点差」です。勝ち点で並んだときに最初に比較されるこの数字は、実質的に「勝ち点0.5」くらいの価値を持っています。
残留争いをするチームのサポーターは、負け試合の終了間際に失点をして「1-0」が「2-0」になったとき、絶望的な気分になります。それは単に点差が開いたからではなく、この「マイナス1」がシーズン終了後にボディブローのように効いてくることを知っているからです。1点の重みを噛み締めながら戦う姿勢は、2025年以降も変わりません。
J2・J3も見逃せない!カテゴリー別の残留・降格事情

ここまでは主にJ1の話をしてきましたが、J2やJ3の残留争いもまた、壮絶であり、それぞれのカテゴリー特有の厳しさがあります。特に近年は「J3への降格」や「JFLへの降格」という、クラブの存続に関わるような大きなリスクが存在しています。
J2残留ラインの傾向と「J3降格」の底なし沼感
J2リーグも20チーム制で行われており、下位3チームがJ3へ自動降格となります。J2は実力が拮抗したチームが多く、いわゆる「沼」と呼ばれる混戦になりやすいリーグです。そのため、残留ラインも年によって激しく変動しますが、基本的にはJ1と同様に「勝ち点40前後」が一つの目安となります。
J2からJ3への降格は、クラブにとって計り知れないダメージとなります。J3はDAZNでの全試合中継がない時期があったり(現在は放映権事情による)、アウェイ遠征の過酷さがあったりと、環境面での変化が大きいからです。一度落ちると簡単には上がれない「J3の沼」に怯えながら、各クラブは必死に勝ち点を積み上げます。
J3からJFLへの降格導入で変わった「最下位」の恐怖
かつてJ3リーグには「降格」がありませんでした。しかし、現在はJFL(日本フットボールリーグ)との入れ替え制度が導入されています。J3の最下位(および19位)になると、JFLの順位次第で自動降格、または入れ替え戦に回る可能性があります。
Jリーグ(プロ)からJFL(アマチュア最高峰)への降格は、「Jリーグクラブ」というライセンスやステータスに関わる重大事です。この制度が導入されたことで、J3の下位争いは以前とは比較にならないほどの緊張感に包まれるようになりました。「プロとしての意地」と「クラブの存亡」を懸けた戦いは、見る者の胸を打ちます。
プレーオフ争いと残留争いが交錯するカオスな終盤戦
J2やJ3の特徴として、上位には「昇格プレーオフ」の枠が広く設けられていることが挙げられます(J2なら3位〜6位)。これにより、リーグの中位にいるチームでも、連勝すればプレーオフ圏内、連敗すれば残留争いという状況になり得ます。
そのため、終盤戦になっても「消化試合」が少なく、どのチームも高いモチベーションを維持していることが多いです。残留争いをしているチームにとっては、相手が「プレーオフを諦めていない中位チーム」である場合が多く、勝ち点を奪う難易度が上がります。順位表の上から下まで連動して動くカオスな状況こそが、J2・J3の魅力であり怖さでもあります。
カテゴリー降格がクラブ経営に与える甚大なインパクト
なぜここまで残留ラインを気にするのか。それは「降格」がクラブ経営に直撃するからです。降格すれば、配分金(リーグから分配されるお金)が減り、スポンサー料やチケット収入の減少も避けられません。それは主力選手の放出や、チーム規模の縮小を意味します。
「たかがサッカー、たかが順位」ではないのです。地域の誇りや、クラブに関わる人々の生活が懸かっています。だからこそ、サポーターは声を枯らして応援し、選手は体を投げ出してゴールを守ります。残留ライン上の攻防には、数字だけでは語れない熱いドラマが詰まっています。
まとめ:残留ラインを見極めて最後まで応援しよう
Jリーグの残留ラインについて、2024年の最新結果や2025年からの新ルールを交えて解説してきました。要点を振り返りましょう。
【Jリーグ残留ラインのポイント】
● 新基準は「勝ち点42」が目安
試合数が38試合に増え、2024年は勝ち点41でも残留ギリギリでした。かつての「40点あれば安心」という常識は捨て、1試合平均1.1点(合計42点)を目指すのが安全圏です。
● 得失点差が命運を分ける
勝ち点で並ぶことは頻繁にあります。勝ち点1だけでなく、1ゴールの重みが最終順位に直結します。大敗を避ける粘り強さが残留への鍵です。
● 反則ポイント廃止による変化
2025年からは順位決定ルールから反則ポイントが消えます。よりシンプルに「結果(勝ち点・得失点)」が求められるようになります。
● 直接対決(6ポイントマッチ)が最重要
ライバルとの直接対決で勝つか負けるかが、残留確率を劇的に変えます。ここ一番での勝負強さが試されます。
残留争いは苦しいものです。しかし、苦難を乗り越えてJ1残留を決めた瞬間の喜びと安堵感は、優勝した時のそれに勝るとも劣らない感動があります。データや目安を知ることで、不安な心を少しだけ整理できるかもしれません。
どんなに苦しい状況でも、最後の笛が鳴るまで何が起こるかわからないのがサッカーです。残留ラインという数字を頭に入れつつ、愛するクラブがそのラインを越えられるよう、スタジアムや画面の前で最後まで熱い声援を送り続けましょう。



