サッカー練習メニュー【低学年向け】:初心者でも楽しく上達できる基本練習を紹介!

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サッカーを始めたばかりの低学年(小学校1年生~3年生)のお子さんを持つ保護者の方は、「どんな練習をさせたらいいの?」と悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。この年代の子どもたちは、集中力が長く続かなかったり、難しい練習だとすぐに飽きてしまったりすることもあります。大切なのは、サッカーを「楽しい!」と感じてもらうことです。

この記事では、サッカー練習メニューを低学年向けに、専門用語もわかりやすく解説しながらご紹介します。ドリブル、パス、シュートといった基本技術はもちろん、親子で一緒に楽しみながら取り組めるボール遊びまで、幅広く解説していきます。この記事を参考に、お子さんがサッカーをもっと好きになるきっかけを作ってあげましょう。

 

サッカー練習メニュー【低学年】を始める前に知っておきたい大切なこと

低学年向けのサッカー練習メニューを始める前に、まず保護者の方に知っておいていただきたい大切なポイントが3つあります。やみくもに練習をこなすのではなく、この年代の子どもたちの特性を理解することで、練習の効果が大きく変わってきます。

低学年の時期は「楽しむ」ことが一番大事

小学校低学年の子どもたちにとって、サッカーの練習は「トレーニング」というよりも「遊び」の延長線上にあることが理想です。 この時期に「やらされている」と感じてしまうと、サッカーそのものが嫌いになってしまう可能性があります。 大切なのは、

「できた!」という成功体験をたくさん積ませてあげること、そして何よりも親子や友達と一緒にボールを蹴る楽しさを感じてもらうことです。

例えば、練習メニューにゲーム性を取り入れたり、競争させたりするなど、子どもが夢中になれる工夫を凝らすことが上達への近道です。 保護者の方は、技術的な要求を高くしすぎず、できたことをたくさん褒めて、お子さんのやる気を引き出してあげてください。

運動神経がぐんと伸びる「ゴールデンエイジ」の入り口

子どもの運動神経が最も発達する時期は「ゴールデンエイジ」と呼ばれ、一般的に9歳から12歳頃を指します。 そして、その手前の小学校低学年にあたる6歳から8歳頃は「プレ・ゴールデンエイジ」と呼ばれ、ゴールデンエイジに向けての土台を作る非常に重要な時期です。 この時期は、神経系が急速に発達し、様々な動きを経験することで、運動能力の基礎が形成されます。

そのため、特定の技術を完璧にこなすことよりも、ボールを使って走る、止まる、方向を変えるといった多様な動きを経験させることが大切です。 この時期に楽しみながら色々な動きを経験しておくことで、ゴールデンエイジになったときに、より複雑なテクニックもスムーズに習得できるようになります。

飽きさせないための練習の工夫と声かけのコツ

低学年の子どもたちの集中力は、長くは続きません。そのため、練習メニューは短時間で区切り、次々と内容を変えていく工夫が必要です。 例えば、「10分ドリブル練習をしたら、次は5分パス練習」というように、テンポよく進めていくのがおすすめです。 また、練習内容も単調な反復練習だけでなく、「ドリブル鬼ごっこ」や「シュートでお宝ゲットゲーム」のように、遊びの要素を取り入れると子どもたちは飽きずに取り組めます。

声かけも非常に重要です。「なんでできないの?」といった否定的な言葉は避け、「今のドリブル、タッチが細かくて良かったよ!」「次はゴールを見て蹴ってみようか」など、具体的なアドバイスとポジティブな言葉で励ましてあげましょう。 保護者の方が楽しそうにしていると、その気持ちは子どもにも伝わります。ぜひ、一緒に楽しみながらサポートしてあげてください。

 

まずはボールに慣れよう!親子でできるボール遊びメニュー

本格的な練習に入る前に、まずはボールと友達になることから始めましょう。ここでは、サッカー初心者のお子さんでも、親子で楽しみながらボールに慣れることができる簡単なボール遊びメニューを紹介します。家の中や近くの公園など、少しのスペースがあればできるものばかりです。

ボールタッチ(ボールマスタリー)の基本

ボールタッチは、サッカーのすべてのプレーの基礎となる非常に重要な技術です。ボールマスタリーとも呼ばれ、ボールを自分の意のままに操る感覚を養うことを目的としています。低学年のうちは、とにかくボールにたくさん触れることを意識しましょう。 まずはその場に立ったまま、足の裏でボールをコロコロと前後に転がしたり、左右に動かしたりすることから始めます。慣れてきたら、足の裏だけでなく、インサイド(足の内側)やアウトサイド(足の外側)など、足の様々な部分を使ってボールに触れてみましょう。 この練習の目的は、ボールが足のどこに当たるとどう転がるのか、という感覚を身体で覚えることです。時間を決めて、「30秒間で何回触れるかな?」と競争するのも楽しいですよ。

足のいろいろな場所で触る練習

ボールタッチに慣れてきたら、次は足の様々な部位を使ってボールに触れる練習に挑戦してみましょう。サッカーでは、主に以下の場所を使ってボールを扱います。

足の部位 主な使い方
インサイド 正確なパス、コントロール
アウトサイド ドリブルの方向転換、パス
インステップ 強いシュート、ロングパス
足の裏 ボールを止める、方向転換
つま先 不意のシュート(トーキック)

最初は難しく感じるかもしれませんが、遊び感覚で取り組むことが大切です。例えば、親子で向かい合って、インサイドで優しくボールを蹴り合う練習から始めてみましょう。ポイントは、ボールの中心をしっかり見て蹴ることです。アウトサイドでボールを触る練習では、ボールの周りをくるくる回りながら、細かくタッチしてみるのも良いでしょう。いろいろな場所にボールを当てることで、ボールコントロールの幅が大きく広がります。

ボール運び・ドリブルの初歩

ボールに慣れてきたら、少し動きながらボールを運んでみましょう。これがドリブルの第一歩です。最初は、ボールが足から離れてしまっても構いません。まずは自分の行きたい方向にボールを運ぶことを意識させます。 練習方法としては、数メートル先に目印(ペットボトルや靴でもOK)を置き、そこまでボールを運んで戻ってくる、というシンプルなもので十分です。大切なのは、

下を向きすぎず、少し前を見ながらボールを運ぶこと。

親子で競争形式にすると、子どもは夢中になって取り組みます。 「よーいドン!」で一緒にスタートし、どちらが早く戻ってこれるか競争してみましょう。楽しみながら、自然とドリブルの基礎が身についていきます。

ドリブルがうまくなる!低学年向け基本練習メニュー

ドリブルは、サッカーの華ともいえるプレーです。ボールを自由に運べるようになると、サッカーが何倍も楽しくなります。ここでは、低学年のお子さんがドリブルの基本を身につけ、上達を実感できる練習メニューを紹介します。

まっすぐドリブルとジグザグドリブル

ドリブル練習の基本は、まっすぐ運ぶことジグザグに運ぶことです。 まずは、10メートルほどの距離をまっすぐドリブルする練習から始めましょう。このとき、ボールを強く蹴りすぎず、細かいタッチでボールにたくさん触れることを意識します。 目安としては、「1歩進むごとに1回ボールに触る」くらいの感覚です。
まっすぐドリブルできるようになったら、次はジグザグドリブルに挑戦です。マーカーやコーン、ペットボトルなどを2メートル間隔で4~5個並べ、その間を縫うようにドリブルします。 ポイントは、インサイド(足の内側)とアウトサイド(足の外側)を上手に使い分けることです。右に曲がるときは右足のアウトサイド、左に曲がるときは左足のアウトサイドを使うとスムーズに方向転換できます。この練習を繰り返すことで、ボールを自在にコントロールする感覚が養われます。

相手を意識した「だるまさんがころんだ」ドリブル

試合では、相手の動きを見ながらドリブルすることが求められます。そこで役立つのが、「だるまさんがころんだ」を取り入れたドリブル練習です。
やり方は簡単。子どもがドリブルをし、保護者の方が鬼になります。鬼が「だるまさんがころんだ」と言っている間はドリブルで進み、鬼が振り向いた瞬間にピタッとボールを止めます。ボールが動いてしまったらスタート地点に戻る、というルールです。
この練習のメリットは、ドリブルをしながら顔を上げる習慣がつくことです。 鬼(相手)の動きを見るために、自然とルックアップ(顔を上げて周りを見ること)ができるようになります。また、「止まる」という動作を練習することで、ボールを自分のコントロール下に置く技術も向上します。楽しみながら、試合で役立つ実践的なスキルが身につく一石二鳥の練習です。

コーンを使ったドリブル練習バリエーション

コーン(マーカー)を使った練習は、ドリブルのバリエーションを増やすのに最適です。ただジグザグにドリブルするだけでなく、少しルールを加えるだけで練習の質がぐっと上がります。
例えば、以下のようなバリエーションが考えられます。

  • 色の指示でターン:赤と青のコーンを複数置き、「赤!」と言われたら赤いコーンを、「青!」と言われたら青いコーンを回ってドリブルを続ける練習です。 これにより、ドリブルしながら周りの状況を認知し、判断する力が養われます。
  • 1対1の練習:コーンを相手ディフェンダーに見立てて、かわす練習をします。右にかわす、左にかわす、一度止まってから急にスピードを上げる(緩急をつける)など、様々な方法を試してみましょう。
  • コース練習:コーンやミニハードルを組み合わせて障害物コースを作り、そこをドリブルでクリアしていく練習です。 Uターンや細かい切り返しなど、多様なボールコントロールが求められるため、総合的なドリブルスキルが向上します。

これらの練習は、子どもが飽きないように、そして常に「考える」要素を加えることがポイントです。

パスとコントロールの精度を高める練習メニュー

サッカーはチームスポーツです。ドリブルでボールを運ぶだけでなく、味方に正確なパスを送り、味方からのパスをしっかり受け止める(コントロールする)技術も非常に重要になります。ここでは、パスとコントロールの基本を親子で楽しく学べる練習メニューを紹介します。

親子で対面パス(インサイドキック)

パスの基本は、インサイドキックです。足の内側のくるぶしの下あたりにある、硬くて平らな部分でボールを蹴ります。この場所で蹴ると、ボールに回転がかかりにくく、まっすぐで正確なパスを出すことができます。
まずは親子で5メートルほどの距離をとって向かい合い、対面パスの練習をしましょう。ボールを止めてから、落ち着いて相手の足元を狙って蹴ります。

インサイドキックのポイント

  • 軸足:ボールの真横に、蹴りたい方向へつま先を向けて踏み込む。
  • 蹴り足:膝と足首をしっかり固定し、コンパクトに振る。
  • インパクト:ボールの中心をインサイドの面で押し出すように蹴る。

最初はうまく飛ばなくても、繰り返し練習するうちにコツをつかめます。慣れてきたら、少しずつ距離を伸ばしたり、利き足だけでなく逆足でも挑戦してみましょう。

動いているボールを止める「トラップ」の練習

相手からのパスは、いつも足元にピタッと止まってくれるわけではありません。動いているボールを次のプレーに移りやすい場所にしっかりと止める技術を「トラップ」と言います。トラップがうまくできると、プレーに余裕が生まれ、パスやドリブル、シュートといった次のプレーへスムーズに移行できます。
練習方法は、対面パス練習とセットで行うのが効果的です。親が蹴ったボールを、子どもが足の裏やインサイドを使って止めます。

  • 足の裏でのトラップ:ボールが来るタイミングに合わせて、足の裏をボールにそっと乗せるようにして勢いを吸収します。ボールを完全に止めるのに適しています。
  • インサイドでのトラップ:ボールが足に当たる瞬間に、少し足を引くようにして衝撃を和らげます。ボールの勢いを殺しつつ、次のプレーに移りやすい場所にボールを置くことができます。

最初はゴロのボールから始め、慣れてきたら少し浮かせたボールなど、様々な種類のボールで練習してみましょう。

2人組でのパス交換&移動

サッカーの試合では、止まった状態でパスをすることはほとんどありません。常に動きながらパス交換を行います。そこで、少しレベルアップして、動きながらのパス交換に挑戦してみましょう。
簡単な練習方法としては、2人で並んでジョギングをしながらパス交換をする「並走パス」があります。最初はゆっくりとしたスピードで、お互いがパスを出しやすいように進む方向へ少し前にパスを出すのがコツです。
もう一つは、コーンを2つ置いて、その間を移動しながらパス交換をする練習です。 一人がコーンの周りを動き、もう一人がそこにパスを出します。パスを出した後は、自分も動いて次のパスを受けられる位置に移動します(これを「サポート」と言います)。 この練習により、パスの技術だけでなく、周りの状況を見て動く「オフ・ザ・ボール」(ボールを持っていない時の動き)の意識も高まります。

シュートの基本を身につける練習メニュー

サッカーの一番の醍醐味は、なんといってもゴールを決めることです。シュートが決まった瞬間の喜びは、子どもにとって最高の成功体験となり、サッカーをもっと好きになる大きなきっかけになります。ここでは、シュートの基本を身につけるための練習メニューを紹介します。

ゴールを狙う楽しさを知る「置きボールシュート」

まずは、ボールを止めた状態からシュートを打つ「置きボールシュート」で、ゴールにボールを蹴り込む感覚を養いましょう。ミニゴールや、コーンを2つ置いてゴールに見立てるので十分です。ペナルティキックのように、ゴールから5~6メートル離れた場所にボールを置き、そこからシュートを打ちます。
シュートで力強いボールを蹴るには、インステップキックを使います。足の甲の、靴紐が通っているあたりでボールの中心を捉えるのがポイントです。

インステップキックのポイント
  • 助走:ゴールに対して少し斜めから入る。
  • 軸足:ボールの横にしっかりと踏み込む。
  • 蹴り足:膝を曲げた状態から、ムチのようにしならせて振る。
  • フォロースルー:蹴った後も足を止めず、目標に向かって大きく振り抜く。最初はゴールの枠に入れることを目標にし、慣れてきたらゴールの隅を狙うなど、コースを意識して練習してみましょう。

ドリブルからのシュート練習

試合では、ドリブルで相手をかわしてからシュートを打つ場面が多くあります。そのため、ドリブルからシュートへのスムーズな流れを身につける練習が重要です。
練習方法は、まずコーンを数個置き、そこをドリブルでかわしてからシュートを打ちます。 ポイントは、シュートを打つ前に顔を上げて、ゴールの位置を確認することです。ドリブル中はボールに集中しがちですが、最後のフィニッシュの精度を高めるためには、ゴールキーパーの位置やゴールの空いているスペースを見る必要があります。
また、シュートを打つ際のボールの置き所も大切です。シュートの直前に、ボールを少し自分の前に転がすようにタッチすると、助走をつけて強いシュートが打ちやすくなります。この練習を繰り返すことで、実戦的なシュートスキルが身についていきます。

シュートゲームで実践力アップ

練習の締めくくりには、ゲーム感覚で楽しめるシュート練習を取り入れて、実践力を高めましょう。
例えば、親子でPK対決をするのは定番ですが非常に盛り上がります。お父さんやお母さんがゴールキーパー役になり、子どもがシュートを打ちます。「5本勝負で、勝った方がおやつを選べる!」といったルールにすると、子どものモチベーションも上がります。
また、複数の場所にコーンを置き、それぞれの場所からシュートを決めていく「シュートビンゴ」もおすすめです。様々な角度からシュートを打つ練習になります。キーパー役の親が左右どちらかに動くのをよく見て、空いている方にシュートを打つ練習も効果的です。 このように、楽しさの中に「相手を見る」「状況を判断する」といった要素を加えることで、ただシュートを打つだけでなく、サッカーの理解度も深まっていきます。

まとめ:低学年のサッカー練習は「楽しい」が上達への近道です

この記事では、低学年のお子さん向けのサッカー練習メニューを、基本的な考え方からドリブル、パス、シュートといった具体的な練習方法までご紹介しました。

低学年の時期に最も大切なのは、技術を完璧にこなすことよりも「サッカーって楽しい!」と感じる気持ちを育むことです。 遊びの要素を取り入れた練習や、親子でのコミュニケーションを通じて、お子さんの「もっとやりたい!」という意欲を引き出してあげましょう。 一つひとつの「できた!」という小さな成功体験の積み重ねが、大きな自信へと繋がります。

今回ご紹介した練習メニューは、あくまで一例です。ぜひ、お子さんのレベルや興味に合わせてアレンジしながら、親子で一緒にサッカーを楽しんでください。その楽しい時間が、お子さんの健やかな成長と、サッカー選手としての未来の土台を築くはずです。

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