楽しいサッカー練習メニュー|子供が飽きない!笑顔が増える練習法

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「いつものサッカー練習、なんだかマンネリ気味…」「子供たちにもっとサッカーを楽しんでほしい!」そう感じている指導者や保護者の方はいらっしゃいませんか?子供たちの技術を向上させることはもちろん大切ですが、それ以上に「サッカーが大好き!」という気持ちを育むことが、上達への一番の近道かもしれません。

この記事では、そんな思いに応える「楽しいサッカー練習メニュー」を豊富にご紹介します。単に技術を教えるだけでなく、子供たちが夢中になれる遊びの要素を取り入れた練習メニューばかりを集めました。ウォーミングアップからドリブル、パス、シュートといった基本技術、さらにはチームワークを高めるメニューまで、幅広く解説しています。この記事を参考にすれば、次の練習からグラウンドが子供たちの笑顔と活気で満ち溢れるはずです。さあ、一緒に楽しくて効果的な練習を始めましょう!

楽しいサッカー練習メニューで練習効果を最大化しよう

サッカーの練習と聞くと、厳しいトレーニングをイメージするかもしれません。しかし、特に子供たちにとっては、「楽しい」という感情が成長の大きな原動力となります。ここでは、なぜ楽しい練習が重要なのか、そして子供たちのやる気を最大限に引き出すための原則や声かけのポイントについて解説します。

なぜ「楽しい」練習が重要なのか?

子供たちにとって「楽しい」と感じる練習は、集中力を高め、主体的に取り組む姿勢を育むために非常に重要です。 楽しさを感じている時、子供たちの脳は活性化し、新しい技術や戦術の吸収が早まると言われています。逆に、「つまらない」「やらされている」と感じる練習は、集中力が続かず、練習の効果が半減してしまいます。

また、楽しい練習は成功体験を積み重ねやすく、自己肯定感を高める効果も期待できます。 小さな成功を喜び、仲間と笑い合う経験を通じて、「もっと上手くなりたい」「次も頑張ろう」というポジティブなサイクルが生まれるのです。 サッカーを長く続けていくためには、技術的な成長だけでなく、サッカーそのものを好きになる気持ちを育てることが何よりも大切です。 楽しい練習は、そのための土台作りと言えるでしょう。

子供のやる気を引き出す3つの原則

子供たちのやる気を引き出し、練習をより楽しいものにするためには、いくつかの原則があります。指導者や保護者の方は、以下の3つのポイントを意識してメニューを組んでみてください。

  1. 競争の要素を取り入れる
    子供たちは競争が大好きです。 個人でのタイム競争や、チーム対抗のゲーム形式を取り入れることで、練習が一気に盛り上がります。 例えば、単純なドリブル練習でも「誰が一番早くゴールできるか」といったルールを加えるだけで、子供たちの目の色が変わるはずです。 ただし、勝敗だけに固執せず、挑戦したこと自体を褒めてあげることが大切です。
  2. ゲーム性を持たせる
    練習に物語やルールといったゲーム性を持たせることも効果的です。 例えば、「鬼ごっこ」の要素を取り入れたり、「的当て」のように目標をクリアしていく形式にしたりすることで、子供たちは遊びの延長として練習に取り組むことができます。 「だるまさんがころんだ」のような、誰もが知っている遊びをサッカーに応用するのも良いでしょう。
  3. 適度な難易度の設定
    練習メニューは、簡単すぎても難しすぎても子供たちのやる気は削がれてしまいます。 「頑張ればできそう」という絶妙な難易度に設定することが重要です。 子供一人ひとりのレベルをよく観察し、必要に応じてハンデをつけたり、ルールを調整したりする柔軟性が求められます。 小さな成功体験を積み重ねられるようにサポートすることで、子供たちは達成感を得て、次のステップへと意欲的に挑戦していくでしょう。

指導者が心がけたい声かけのポイント

練習メニューと同じくらい重要なのが、指導者からの「声かけ」です。ポジティブな声かけは、子供たちのモチベーションを大きく左右します。

まず、結果だけでなく挑戦した過程(プロセス)を褒めることを意識しましょう。「ナイスシュート!」だけでなく、「今のドリブルのチャレンジ、良かったよ!」「諦めずに最後までボールを追いかけたね!」といった具体的な言葉が、子供の自信につながります。

また、失敗を責めるのではなく、どうすれば良くなるかを一緒に考える姿勢が大切です。「何でできないんだ!」と叱るのではなく、「どうしたらもっと上手くできるかな?」と問いかけ、子供自身に考えさせる機会を与えましょう。

そして何より、指導者自身がサッカーを楽しむ姿を見せることが一番の特効薬です。 指導者が笑顔で情熱的に接することで、その楽しさは自然と子供たちに伝わり、グラウンド全体の雰囲気を明るくするでしょう。

【ウォーミングアップ編】遊び感覚で心と体をほぐす練習メニュー

練習の始まりであるウォーミングアップは、ただ体を温めるだけでなく、子供たちの心を掴み、練習への期待感を高める重要な時間です。ここでは、鬼ごっこなど、遊びの要素をふんだんに取り入れた楽しいウォーミングアップメニューを紹介します。これらのメニューで、心も体も最高の準備を整えましょう。

氷鬼ごっこ(ボールあり)

「氷鬼ごっこ」は、昔ながらの遊びにサッカーの要素を加えた、ウォーミングアップに最適なメニューです。子供たちは夢中になって走り回るうちに、自然と体が温まり、ボールコントロールの基礎も身につきます。

【目的】

  • 体を温め、心拍数を上げる
  • 周りを見て判断する力(認知能力)の向上
  • ボールを奪われないようにコントロールする技術の向上

【準備するもの】

  • 人数分のサッカーボール(鬼以外)
  • マーカー(エリア設定用)
  • ビブス(鬼用)

【やり方】

  1. マーカーで適度な広さのグリッド(四角いエリア)を作ります。
  2. 鬼を1〜2人決め、ビブスを渡します。鬼はボールを持ちません。
  3. 他の子供たちは、それぞれボールを1つ持ち、グリッド内をドリブルします。
  4. 鬼はドリブルしている子供を追いかけ、タッチします。
  5. タッチされた子供は、その場でボールを足の裏で止めて「凍り」ます。凍る際は、両足を広げて立ちます。
  6. 凍ってしまった仲間は、他のドリブルしている子供が股の間にボールを通してくれたら、再び動けるようになります。
  7. 決められた時間が経過するか、鬼以外の全員が凍ってしまったら終了です。

【楽しむためのポイント】
この練習の面白さは、鬼から逃げるスリルと仲間を助ける楽しさにあります。指導者は「仲間が凍ってるぞ!助けてあげよう!」「鬼が来た、急いで逃げろ!」といった声をかけて、ゲームを盛り上げましょう。慣れてきたら、鬼の人数を増やしたり、グリッドの広さを変えたりして難易度を調整するのも良い方法です。ボールをしっかりコントロールしながら周りを見るという、サッカーにおいて非常に重要なスキルを遊びながら養うことができます。

ボール集め競争

「ボール集め競争」は、チーム対抗で行うことで非常に盛り上がるウォーミングアップメニューです。ボールを運ぶというシンプルなルールの中に、競争心やチームワークを育む要素が詰まっています。

【目的】

  • アジリティ(敏捷性)とスピードの向上
  • ボールを正確に運ぶ技術の習得
  • チームでの協調性、コミュニケーション能力の育成

【準備するもの】

  • たくさんのサッカーボール(参加人数の2〜3倍程度)
  • マーカーまたはコーン
  • ビブス(チーム分け用)

【やり方】

  1. 参加者を2つ以上のチームに分け、ビブスを配ります。
  2. フィールドの中央に、準備したボールをすべて集めておきます。
  3. 各チームの陣地(ゴール)をマーカーなどで設定します。
  4. コーチの「スタート!」の合図で、全員が一斉に中央のボールに向かって走ります。
  5. 子供たちはボールを1つずつ拾い、ドリブルで自分のチームの陣地まで運びます。ボールは手を使わずに、足だけで運びます。
  6. 一度に運べるボールは1つだけです。陣地にボールを置いたら、すぐに中央に戻り、次のボールを運びます。
  7. 中央のボールがすべてなくなったらゲーム終了です。自分の陣地に最も多くのボールを集めたチームの勝利となります。

【楽しむためのポイント】
「相手チームの陣地からボールを奪ってもOK」というルールを追加すると、ゲームがさらに白熱します。これにより、ボールを運ぶだけでなく、相手の動きを見てボールを奪う、または奪われないように守るといった、より実践的な攻防が生まれます。指導者はタイマーで時間を計り、「残り30秒!」などと声をかけると、終盤のデッドヒートを演出できます。チームで作戦を立てさせるのも、コミュニケーション能力の向上に繋がるでしょう。

しっぽ取りゲーム

「しっぽ取りゲーム」は、鬼ごっこの一種で、特にコーディネーション能力(体を巧みに動かす能力)を高めるのに効果的なメニューです。 相手の動きを予測しながら素早く体を動かす必要があり、サッカーに必要な俊敏性や状況判断能力を養います。

【目的】

  • コーディネーション能力、俊敏性の向上
  • 相手との駆け引き、状況判断能力の育成
  • 体を動かすこと自体の楽しさを体感する

【準備するもの】

  • ビブスやタオルなど、「しっぽ」になるもの(人数分)
  • マーカー(エリア設定用)

【やり方】

  1. マーカーで適度な広さのグリッドを作ります。
  2. 参加者はそれぞれ、ズボンの後ろにビブスなどを挟んで「しっぽ」をつけます。
  3. 全員がグリッド内に入り、コーチの合図でスタートします。
  4. 子供たちは、自分のしっぽを取られないように逃げながら、他の子のしっぽを取りに行きます。
  5. しっぽを取られた子は、グリッドの外に出ます。
  6. 決められた時間内に、最も多くのしっぽを集めた子の勝ち、または最後までしっぽを取られずに残っていた子の勝ちとします。

【楽しむためのポイント】
このゲームは個人戦でもチーム戦でも楽しめます。チーム戦にする場合は、最後まで一人でも味方が残っていたチームの勝利となります。さらにサッカーの要素を加えるなら、全員がボールをドリブルしながら行う「ドリブルしっぽ取り」に発展させるのがおすすめです。ボールをコントロールしながら相手のしっぽを狙い、自分のしっぽを守るという複数のタスクを同時にこなすことで、より高度なボールコントロール技術と判断力が求められます。

【ドリブル編】ボールと友達になるための楽しい練習メニュー

ドリブルはサッカーの基本中の基本です。しかし、単調なドリブル練習は子供たちを飽きさせてしまう原因にもなりかねません。 ここでは、ゲーム感覚で楽しみながら、ボールと「友達」になれるようなドリブル練習メニューを紹介します。競争や変化を取り入れることで、子供たちは自然とボールに触れる時間を増やし、技術を向上させていくでしょう。

ジグザグドリブル競争

マーカーやコーンを並べて行う「ジグザグドリブル」は定番の練習ですが、ここに「競争」の要素を加えるだけで、子供たちの目の輝きが変わります。 タイムを計ったり、リレー形式にしたりすることで、楽しみながら正確なボールタッチとスピードを養うことができます。

【目的】

  • 細かいボールタッチとボディコントロールの習得
  • スピードに乗った状態でのドリブル技術の向上
  • 競争を通じて集中力と向上心を引き出す

【準備するもの】

  • マーカーまたはコーン(1レーンにつき5〜10個)
  • サッカーボール(人数分)
  • ストップウォッチ(任意)

【やり方】

  1. マーカーを2〜3m間隔で一列に並べ、複数のレーンを作ります。
  2. 子供たちは各レーンのスタート地点にボールを持って並びます。
  3. コーチの合図で、マーカーをジグザグにかわしながらドリブルで進みます。
  4. 最後のマーカーを回ったら、今度はまっすぐスタート地点までドリブルで戻ります。
  5. タイムを計って個人で競ったり、チーム対抗のリレー形式で行ったりします。

【楽しむためのポイント】
この練習をさらに楽しくするためには、様々なバリエーションを加えるのが効果的です。 例えば、「右足だけでドリブル」「左足だけでドリブル」「足の裏だけでドリブル」といった制限を設けることで、子供たちは苦手な足や特定のボールタッチを集中的に練習できます。 また、リレー形式にする際は、次の走者にパスをつなぐルールにすると、パス練習の要素も加わります。指導者は「〇〇君、タイムが縮まったね!」「〇〇チーム、いい勝負だ!」と具体的に声をかけ、競争を盛り上げましょう。

信号ゲーム

「信号ゲーム」は、指導者の指示に合わせてドリブルの動きを変える、遊び心満載の練習メニューです。色の指示を聞き分ける判断力と、それに合わせて体を動かす反応速度を同時に鍛えることができます。

【目的】

  • ドリブル中の状況判断力と反応速度の向上
  • ボールを止めたり、動かしたりする基本的なコントロール技術の習得
  • 聞く力、指示に従う集中力の育成

【準備するもの】

  • サッカーボール(人数分)
  • マーカー(エリア設定用)

【やり方】

  1. マーカーで広めのグリッドを作り、子供たちはその中で自由にドリブルをします。
  2. 指導者は「信号」の色を叫び、子供たちはその色に応じたアクションを取ります。
    • 青信号!:自由にドリブルを続ける
    • 黄信号!:スピードを落として、ゆっくりドリブルする
    • 赤信号!:その場でボールを足の裏でピタッと止める
  3. 指示にうまく従えなかったり、ボールをコントロールできなかったりした子は、簡単な罰ゲーム(例:リフティング5回など)を行います。
  4. 慣れてきたら、新しい色の指示を追加します。
    • 紫信号!:ボールの上に座る
    • 白信号!:ボールをお尻で隠す

【楽しむためのポイント】
このゲームのポイントは、指導者がテンポよく、時にはフェイントを交えながら指示を出すことです。「あーお!」「あ、あ、あか!」のように少し意地悪な指示を出すと、子供たちは笑いながらも必死に耳を澄ますでしょう。予期せぬ指示に素早く反応する能力は、試合中に刻一刻と変わる状況に対応する力に直結します。子供たちから新しい色のルールを募集するのも、主体性を引き出す上で面白い試みです。

ドリブルしっぽ取り

ウォーミングアップでも紹介した「しっぽ取りゲーム」に、ドリブルの要素を加えた応用メニューです。 自分のボールをコントロールしながら相手のしっぽを狙うという、2つのことを同時に行う難しさがあり、子供たちの技術と判断力を大きく向上させます。

【目的】

  • ボールを体から離さずにコントロールする技術(ボールキープ力)の向上
  • 周囲の状況を把握しながらプレーする能力(認知・判断)の育成
  • 対人プレーにおける駆け引きの感覚を養う

【準備するもの】

  • サッカーボール(人数分)
  • ビブスやタオルなど、「しっぽ」になるもの(人数分)
  • マーカー(エリア設定用)

【やり方】

  1. マーカーで適度な広さのグリッドを作ります。
  2. 参加者はそれぞれボールを1つ持ち、ズボンの後ろに「しっぽ」をつけます。
  3. コーチの合図で、グリッド内でドリブルをしながら、他の子のしっぽを取りに行きます。
  4. 自分のボールがグリッドの外に出たり、しっぽを取られたりしたら、グリッドの外に出ます。
  5. 最後までグリッド内に残っていた子の勝利です。

【楽しむためのポイント】
この練習では、ボールと相手を同時に見ることが求められます。自分のボールばかり見ていると、すぐにしっぽを取られてしまいますし、相手ばかり見ているとボールコントロールがおろそかになります。顔を上げてドリブルする(ルックアップ)ための、非常に効果的なトレーニングと言えるでしょう。 指導者は「ボールを守りながら、相手のしっぽを狙え!」「周りをよく見て!」と声をかけ、子供たちが意識すべきポイントを伝えてあげましょう。狭いエリアで行うことで、より細かいボールタッチと素早い判断が必要になり、練習効果が高まります。

【パス&コントロール編】仲間との連携を深める練習メニュー

サッカーはチームスポーツであり、仲間との連携、特にパスとボールコントロールは勝利のために不可欠です。ここでは、単なる対面パスの反復練習ではなく、楽しみながら自然とパスの精度や判断力、そしてボールを正確に止める・動かす技術(トラップ)が身につく練習メニューを紹介します。

鳥かご(ロンド)

「鳥かご」、スペイン語で「ロンド」と呼ばれるこの練習は、世界中のトップチームでもウォーミングアップなどで採用されている定番メニューです。鬼ごっこの要素があり、子供たちも大好きで夢中になって取り組みます。

【目的】

  • 正確なパスの技術と判断力の向上
  • ボールを受ける前の準備(予備動作)と正確なボールコントロール
  • 攻守の素早い切り替えの意識付け

【準備するもの】

  • サッカーボール(1つ)
  • マーカー(エリア設定用、任意)
  • ビブス(鬼用)

【やり方】

  1. 参加者を4〜6人のグループに分けます。人数に応じてマーカーで円や四角のエリアを作ると分かりやすいです。
  2. 各グループで鬼を1人(人数が多い場合は2人)決めます。
  3. 鬼以外のプレーヤーは円を描くように立ち、鬼は中央に入ります。
  4. 円の外側のプレーヤーは、鬼にボールを奪われないようにパスを交換し続けます。
  5. 鬼は、パスをカットするか、パス交換しているプレーヤーがボールコントロールをミスしたボールに触れば、鬼から解放されます。
  6. パスをカットされたプレーヤー、またはコントロールミスをしたプレーヤーが次の鬼となります。

【楽しむためのポイント】
この練習をより効果的にするためには、「ツータッチ以内」「ワンタッチ」といったボールタッチ数の制限を設けるのがおすすめです。これにより、ボールを受ける前に「次にどこへパスを出すか」を考えておく必要が生まれ、判断のスピードが格段に向上します。また、「パスを10本連続で繋いだら鬼の罰ゲーム」といったルールを加えると、パスを繋ぐ側の一体感が高まり、さらに盛り上がります。指導者は「良い準備!」「ナイスパス!」など、良いプレーを具体的に褒めてあげましょう。

パスで的当てゲーム

「パスで的当てゲーム」は、正確なキックを身につけるのに最適な練習です。ただパスをするだけでなく、「的に当てる」という明確な目標があるため、子供たちは高い集中力で取り組むことができます。

【目的】

  • インサイドキックなど、狙った場所にボールを蹴る技術の向上
  • キックの強弱をコントロールする感覚の習得
  • 成功体験によるモチベーションの向上

【準備するもの】

  • サッカーボール
  • 的になるもの(マーカー、コーン、ペットボトルなど)

【やり方】

  1. 2人1組になります。
  2. 2人の間に、的となるマーカーなどを置きます。
  3. 少し離れた位置から、相手にパスを出すようにして、中央の的を狙います。
  4. 的にボールを当てることができたら1ポイント。先に目標ポイントに到達した方の勝ちです。
  5. 慣れてきたら、距離を伸ばしたり、利き足ではない方の足で蹴るルールを追加したりします。

【楽しむためのポイント】
この練習は個人戦だけでなく、チーム対抗戦にするとさらに楽しめます。 複数のレーンを作り、チーム全員で的に当てた総数を競う形式です。また、動く的にチャレンジするのも面白いでしょう。例えば、コーチがゆっくり転がすタイヤの穴を狙ってパスを通すといった工夫をすれば、動いている味方にパスを出す練習にも応用できます。 「おしい!」「あとちょっと!」といった声かけで、チャレンジする雰囲気を盛り上げてあげましょう。

手つなぎパスリレー

「手つなぎパスリレー」は、ユニークなルールでチームワークを育むのにぴったりの練習メニューです。2人1組で手をつなぎながらドリブルとパスを行うことで、お互いの呼吸を合わせることの重要性を体感できます。

【目的】

  • チームメイトとの協調性、コミュニケーション能力の育成
  • 息を合わせて動くためのボディコントロール
  • 楽しみながらパスとドリブルの連携を学ぶ

【準備するもの】

  • サッカーボール(チーム数分)
  • マーカーまたはコーン(コース設定用)

【やり方】

  1. 2人1組になり、隣同士でしっかりと手をつなぎます。
  2. 複数のチームを作り、リレー形式で競います。
  3. スタートの合図で、各チームの最初のペアが手をつないだままドリブルを始めます。
  4. 2人で協力してボールを運び、コーンを回ってスタートラインに戻ります。ドリブルはどちらの選手が行っても構いません。途中でパス交換をしながら進むのが理想です。
  5. スタートラインに戻ったら、次のペアにパスをしてバトンタッチします。
  6. アンカーのペアが最初にゴールしたチームの勝利です。

【楽しむためのポイント】
この練習の鍵は、2人のコミュニケーションです。「右に行くよ!」「今パスして!」といった声をかけ合うことが、スムーズなドリブルにつながります。最初はぎこちなくても、繰り返すうちにお互いの動きを予測できるようになり、自然と連携が深まっていくでしょう。手をつないでいるため、スピードを出しすぎるとバランスを崩してしまいます。スピードよりも、2人の歩幅やタイミングを合わせることを意識させましょう。転んでも笑い合えるような、和やかな雰囲気作りが大切です。

【シュート編】ゴールを決める喜びを味わう練習メニュー

サッカーの最大の醍醐味は、なんといってもゴールを決める瞬間です。 その喜びを何度も味わうことで、子供たちのサッカーへの情熱はさらに高まります。ここでは、ゲーム感覚で楽しみながらシュートの正確性やパワーを向上させることができる練習メニューを紹介します。単にボールを蹴るだけでなく、試合の状況を意識したメニューで、ゴールゲッターを育てましょう。

PK(ペナルティキック)対決

PK対決は、そのシンプルさと緊張感から、子供たちが大好きな練習メニューの一つです。キーパーとの1対1の駆け引きは、キックの技術だけでなく、強い精神力も鍛えてくれます。

【目的】

  • プレッシャーのかかる状況での正確なキック技術の習得
  • ゴールキーパーとの駆け引き、コースを狙う意識の向上
  • 集中力と精神力の強化

【準備するもの】

  • サッカーゴール(ミニゴールでも可)
  • サッカーボール
  • マーカー(ペナルティマーク用)

【やり方】

  1. 参加者をキッカーとキーパーのグループに分けます。あるいは、全員がキッカーとなり、順番にキーパーを務める形でも構いません。
  2. ゴールから一定の距離にマーカーでペナルティマークを設置します。距離は年齢に応じて調整してください。
  3. キッカーは一人ずつペナルティマークからシュートを打ちます。
  4. 全員が蹴り終わったら、ゴール数を競います。チーム対抗戦にすると、より一層盛り上がります。
  5. キーパーを務めた子も、しっかりと褒めてあげましょう。

【楽しむためのポイント】
この練習をさらに楽しくするには、ワールドカップのPK戦さながらの演出をするのがおすすめです。キッカーの名前をアナウンスしたり、ゴールが決まったらチーム全員で喜んだりすることで、本番のような臨場感が生まれます。また、キッカーに対して「ゴールの右隅を狙ってみよう」「キーパーの逆をついてみよう」といった具体的なアドバイスを送ることで、ただ蹴るだけでなく、駆け引きを意識するようになります。キーパーにも「ボールをよく見て!」「大きく見せよう!」と声をかけ、役割の重要性を伝えましょう。

コーン倒しシュートゲーム

ゴールにシュートを決めるだけでなく、「的を倒す」という要素を加えることで、よりゲーム性が高まり、子供たちは夢中になります。 この「コーン倒しシュートゲーム」は、楽しみながらキックの正確性を養うのに最適なメニューです。

【目的】

  • 狙った場所にボールを正確に蹴るコントロール能力の向上
  • 様々な角度からのシュート練習
  • 集中力と、的を倒す達成感の獲得

【準備するもの】

  • サッカーゴール
  • サッカーボール
  • 的になるコーンやペットボトル(複数)

【やり方】

  1. ゴールの中に、コーンを複数立てます。
  2. ペナルティエリア付近に、いくつかのシュートポイントをマーカーなどで設定します。
  3. 子供たちは順番に、好きなシュートポイントからボールを蹴り、ゴール内のコーンを狙います。
  4. コーンを倒したら1点、といった形でポイントを競います。チーム対抗戦にしても面白いでしょう。
  5. すべてのコーンが倒れたらゲーム終了。最も多くのポイントを獲得した個人またはチームが勝利です。

【楽しむためのポイント】
コーンの配置を工夫することで、難易度を調整できます。例えば、倒しにくい隅の方に置いたコーンは高得点にするなど、ルールに変化をつけると戦略性が生まれます。また、ただシュートを打つだけでなく、ドリブルからシュートという流れを取り入れると、より実践的な練習になります。 例えば、「マーカーをドリブルでかわしてからシュート」といった形です。 子供たちがどうすればコーンを倒せるか、自分たちで考え、工夫する姿を引き出してあげましょう。

動くゴールを狙え!

試合中のゴール前は、常に状況が変化しています。この練習では、コーチがゴール役となって動くことで、静止したゴールを狙うだけでは養えない、実践的なシュート感覚を身につけます。

【目的】

  • 動いている目標(相手)を見て、シュートコースを判断する能力の育成
  • 状況に応じたキックの強弱や種類の使い分け
  • 試合に近い状況でのシュート精度の向上

【準備するもの】

  • サッカーボール
  • マーカーやコーン(ゴールエリア設定用)

【やり方】

  1. マーカーなどで5m程度の幅のゴールエリアを作ります。
  2. コーチがゴールエリア内に入り、「動くゴール」役となります。コーチは両手を広げ、その間がゴールです。
  3. 子供たちは、少し離れた場所からドリブルを開始し、コーチの動きを見ながらシュートを打ちます。
  4. コーチは左右にゆっくりと動き、シュートコースを限定します。
  5. コーチの腕の間にシュートを通すことができたらゴールとなります。

【楽しむためのポイント】
この練習の面白さは、コーチとの駆け引きにあります。コーチは子供たちのレベルに合わせて動きの速さや幅を調整してあげましょう。上級生には、シュートを打つ瞬間にフェイントをかけて動くなど、意地悪な動きをしてみるのも面白いかもしれません。子供たちには、「コーチの動きをよく見て、空いているコースを狙おう!」「シュートを打つと見せかけて、逆を突いてみよう!」と声をかけ、相手を見て判断することの重要性を伝えましょう。この練習は、相手ディフェンダーの股を抜くシュートや、キーパーの手が届かないコースを狙う感覚を養うのに役立ちます。

まとめ:楽しいサッカー練習メニューで子供の可能性を広げよう

この記事では、子供たちが笑顔でサッカーに取り組めるような、楽しい練習メニューをスキル別にご紹介しました。

ウォーミングアップでは鬼ごっこや競争を取り入れて心と体をほぐし、ドリブル練習ではゲーム感覚でボールと友達になることを目指しました。パス練習では「鳥かご」や「的当て」を通じて仲間との連携を深め、シュート練習ではPK対決や動くゴールを狙うことでゴールを決める喜びを存分に味わえるように工夫しています。

大切なのは、練習の中に「競争」「ゲーム性」「適切な難易度設定」といった要素を取り入れ、子供たちの「楽しい!」という気持ちを引き出すことです。 指導者のポジティブな声かけも、子供たちのやる気を育む上で欠かせません。

これらの楽しいサッカー練習メニューを通じて、子供たちが技術を向上させるだけでなく、サッカーそのものを心から大好きになってくれることが一番の願いです。サッカーの楽しさを知った子供たちは、自ら考え、挑戦するようになり、その可能性を無限に広げていくことでしょう。

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