日本代表がグループF最終戦で対戦するスウェーデンには、アレクサンデル・イサクやヴィクトル・ギェケレシュなど、欧州のトップレベルで実績を残してきた攻撃選手がそろっています。
その中でも日本にとって特に厄介な存在になり得るのが、ニューカッスル・ユナイテッドに所属するアンソニー・エランガです。
オランダ戦では途中出場からわずか数分で最終ラインの背後へ抜け出し、イサクのスルーパスを受けてゴールを記録したため、日本戦でも速さを生かしたカウンターや終盤の切り札として警戒する必要があります。
ただし、オランダ戦の得点だけを見てエランガを万能なストライカーと評価するのは適切ではなく、得点数、チャンスメイク、起用される位置、スウェーデン全体の戦い方を分けて考えることが重要です。
ここでは、オランダ戦で見せたプレーを起点に、エランガのスピードがどの場面で脅威になるのか、日本代表がどのように対策すべきか、先発と途中出場で危険度がどう変わるのかを具体的に整理します。
アンソニー・エランガは日本戦で危険

結論から言えば、エランガは日本戦で十分に危険な存在ですが、常にボールを支配して攻撃を組み立てる司令塔タイプではありません。
最大の武器は、相手がボールを失った瞬間に加速し、広いスペースへ飛び出して一気にゴール前まで進める能力です。
日本が押し込む時間を増やすほどエランガの守備位置も下がりますが、その状態で不用意にボールを失うと、逆に彼が最も力を発揮できる展開を与えることになります。
オランダ戦の一撃
2026年6月20日に行われたワールドカップのオランダ戦で、エランガは後半56分に投入され、59分にスウェーデンの唯一の得点を挙げました。
得点場面では、イサクが前向きにボールを持った瞬間に守備ラインの背後へ走り出し、相手ディフェンダーより先にスルーパスへ追いついてゴールまで運んでいます。
オランダが4点をリードしていた状況だったため試合の勝敗を左右する一撃ではありませんでしたが、途中出場直後でも試合の速度に入り、少ない準備時間で決定的な仕事ができることを示しました。
FIFA公式マッチレポートでも、この得点はエランガの突破から生まれた反撃の一撃として紹介されており、日本の守備陣にとっても分かりやすい警戒材料です。
日本戦では同じ形をそのまま再現するとは限りませんが、パスの出し手が前を向いた瞬間にエランガを見失えば、数秒で決定機まで持ち込まれる可能性があります。
爆発的な加速
エランガの速さは単に最高速度が高いだけではなく、静止に近い状態から一気にギアを上げ、数歩で相手の横へ並べる加速力に価値があります。
プレミアリーグ公式データによると、2024-25シーズンには時速36.66キロを記録し、リーグ全体でも上位に入るスプリント能力を示しました。
2025-26シーズンにも時速36.35キロが計測されているため、オランダ戦の突破は一度だけ偶然に生まれたものではなく、クラブで継続的に発揮してきた能力の延長と考えられます。
日本の守備者が最初の一歩で先行していても、ボールとゴールを同時に見ながら後方へ走る状況では速度を上げにくいため、エランガに外側から追い越される危険があります。
対策では走り始めてから競争するのではなく、パスコースを消しながら早めに身体の向きを整え、最高速度へ入る前に進路を狭めることが必要です。
裏への抜け出し
エランガが最も危険になるのは、足元で何度もボールを触る場面より、守備者の視野から一度消えて最終ラインの背後へ飛び出す場面です。
味方が中盤で前を向くまで大きく動かず、パスを出せる姿勢になった瞬間に走り始めるため、守備側がボールだけを見ていると対応が遅れます。
特にサイドのセンターバックとウイングバックの間は、どちらが走者を受け渡すのか曖昧になりやすく、エランガが斜めに走ることで守備の基準点をずらされます。
- 外側から一気に縦へ走る
- 中央へ斜めに侵入する
- 守備者の背中側で待つ
- 味方の前向きな瞬間に加速する
- こぼれ球から二度目の走りを狙う
日本は最終ラインだけに対応を任せず、中盤がパスの出し手へ圧力をかけ、精度の高いスルーパスを蹴らせないところから守る必要があります。
イサクとの連係
オランダ戦のゴールで重要だったのはエランガの速さだけではなく、イサクが守備者を引きつけながら適切なタイミングでパスを出したことです。
イサクは自らフィニッシュへ進めるだけでなく、中央でボールを収めて周囲の走りを利用できるため、エランガを追う守備者はボール保持者にも注意を向けなければなりません。
| 選手 | 主な役割 | 日本が警戒する点 |
|---|---|---|
| エランガ | 背後への加速 | 走り出しの見落とし |
| イサク | 保持とラストパス | 前向きで持たせない |
| ギェケレシュ | 中央での突破 | 接触後の前進 |
| 中盤 | 早い縦パス | パスコースの制限 |
日本がエランガだけを警戒して守備ラインを下げれば、イサクがライン間で自由にボールを受けやすくなるため、一人の速さだけに反応する守り方は避けるべきです。
前線へのパスを制限しつつ、受けられた場合は周囲が連動して走者を確認するという二段階の対応が求められます。
途中出場の怖さ
エランガは先発でも脅威になりますが、疲労が出始めた時間帯に投入された場合は、相対的なスピード差がさらに大きくなります。
守備者は試合終盤になるほど判断と身体の反応がわずかに遅れ、前方への攻撃参加から自陣へ戻るスプリントを何度も繰り返すことが難しくなります。
その状態でフレッシュなエランガが入れば、一対一の速さだけでなく、戻る距離、カバーの遅れ、守備者同士の間隔まで利用される可能性があります。
オランダ戦では投入から約3分で得点しているため、日本も交代が告げられた段階からマークの受け渡しを確認し、最初の数プレーを特に慎重に進めなければなりません。
日本がリードして終盤を迎えた場合は、攻撃人数を増やし続けるより、エランガのいる側に守備の人数を残し、相手の狙いを限定する判断も重要になります。
左右両サイドの対応力
エランガは右サイドを主戦場にできる一方、左側から縦へ運んだり、中央へ入ってフィニッシュを狙ったりすることもできます。
右に配置された場合は縦へ走ってクロスを供給する形と中央への斜めの侵入があり、左に配置された場合は相手サイドバックの外側を押し下げる役割を担えます。
試合中に立ち位置を交換されると、日本側も担当する選手が変わるため、個人の癖を把握するだけでは守備の基準が保てません。
重要なのはエランガがどちらのサイドにいるかだけでなく、同じ側にイサクが流れているか、中盤の選手が前向きか、外側に追い越す選手がいるかまで確認することです。
単独で仕掛ける場面より、味方の移動によって守備者の視線が分散した瞬間に加速する場面のほうが、実際の危険度は高くなります。
得点力の見方
オランダ戦でゴールを決めたため得点力が注目されますが、エランガは毎試合大量のシュートを放つ純粋な得点専門選手ではありません。
ノッティンガム・フォレストでプレーした2024-25シーズンのプレミアリーグでは6得点11アシストを記録しており、ゴール数以上に味方の得点を生み出す働きが目立ちました。
同シーズンは速攻の起点と出口を担い、広いスペースを運んでクロスや折り返しを届ける能力によって、チームの欧州大会出場権獲得に貢献しています。
したがって、日本が警戒すべき得点力とは、狭い場所から難しいシュートを何本も決める能力ではなく、カウンターで高確率の一対一を作り、少ないシュートを得点へ変える能力です。
自ら決める形とラストパスを出す形の両方があるため、守備者がシュートコースだけを消すと、中央へ走り込む味方への折り返しを許す恐れがあります。
日本への危険度
エランガの日本戦における危険度は高いものの、試合開始から終了まで同じ水準になるわけではなく、日本のボール保持とスコアによって変動します。
日本が自陣で慎重に構えてスペースを与えなければ、彼の速度を生かせる距離は短くなり、足元で受けてから複数人を抜く仕事が必要になります。
反対に、日本が得点を求めて両サイドを高く上げ、中盤でも前向きな人数を増やせば、ボールを失った瞬間に広大な走路を渡すことになります。
| 試合状況 | 危険度 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 日本が押し込む | 高い | 背後の空間が広がる |
| 日本が構える | 中程度 | 加速距離を消せる |
| 試合終盤 | 非常に高い | 疲労による速度差 |
| スウェーデンが遅攻 | 中程度 | 密集で長所が薄れる |
| 日本の攻撃直後 | 非常に高い | 守備配置が崩れやすい |
危険な選手だから最初から守備ラインを極端に下げるのではなく、失った直後の数秒間を組織的に管理し、走らせる前に攻撃を止める考え方が現実的です。
オランダ戦のゴールを分解すると脅威の正体が見える

オランダ戦の得点は、エランガが長い距離を単独でドリブルして複数人を抜いたゴールではありません。
パスの出し手、走り出すタイミング、守備者の身体の向きが重なり、彼のスピードを最大限に利用できる状況が作られていました。
日本が対策を考える際も、最後にシュートを打った選手だけを見るのではなく、得点へ至る前の準備と守備のずれを分解する必要があります。
交代直後の動き
途中出場した選手は試合の流れをつかむまで時間が必要になることもありますが、エランガは入った直後から最終ラインの位置と背後の広さを確認していました。
最初から頻繁に足元へボールを要求するのではなく、相手が前へ出た瞬間を待ち、スプリントの価値が最も高くなる場面を選んでいます。
- 守備ラインの高さを確認
- センターバックの視線を確認
- パスの出し手へ身体を向ける
- オフサイドラインの手前で待つ
- 前向きの瞬間に一気に加速
この動きはボールに触れていない時間が長いため映像では見落とされやすいものの、実際には得点の成否を決める重要な準備です。
日本の交代選手も自分の役割だけを確認するのではなく、エランガが投入された場合には立ち位置を声で共有し、試合へ入る最初の動きから監視する必要があります。
パスの出し手との関係
速い選手を止める方法として守備ラインを下げる考え方がありますが、パスの出し手を自由にすれば、低い位置からでも精度の高いボールを通されます。
オランダ戦ではイサクが顔を上げて前を向けたため、エランガは迷わず背後へ走り、守備側は走者とボールの両方へ対応しなければならなくなりました。
| パス保持者の状態 | エランガの選択 | 守備側の対応 |
|---|---|---|
| 前向きで自由 | 背後へ全力疾走 | 早くラインを下げる |
| 背中向き | 足元で待つ | 強く寄せる |
| 外側へ追い込まれる | 中央へ斜めに走る | 内側を閉じる |
| ボールが浮く | セカンドを狙う | 回収位置を整える |
日本はパスを受けるエランガと同時に、イサクや中盤の供給役へ圧力をかけ、顔を上げる時間そのものを減らす必要があります。
パスの質を落とせれば、エランガが先に走り出してもボールが長くなり、ゴールキーパーやカバー役が処理できる確率を高められます。
大差の試合から読めること
オランダが5-1で勝利した試合だったため、エランガの得点を守備強度が落ちた時間帯の慰めの一撃と見る意見も考えられます。
確かにオランダは4点をリードしており、同点の試合と同じ緊張感やリスク管理が続いていたとは限りません。
しかし、相手の状況を差し引いても、交代直後に一本のスルーパスから得点へ到達した速さ、走路の選択、最後の落ち着きは日本が無視できない要素です。
大差がついた試合から分かるのは、エランガがスウェーデンの攻撃を一人で立て直せるということではなく、流れが悪い試合でも一瞬のスペースから得点を作れるということです。
日本が優位に進めていても集中を緩めず、スコアではなくピッチ上の配置によって危険度を判断する必要があります。
日本代表が警戒すべき守備のポイント

エランガ対策では、足の速い守備者をぶつけるだけでは十分ではなく、チーム全体で走り出す条件を消すことが重要です。
日本はボールを保持して相手を動かせる一方、サイドの選手が高い位置を取った直後に失うと、最終ラインの横に大きな空間が生まれます。
攻撃の質を落とさずにカウンターを防ぐためには、ボールを持っている段階から失った後の配置を準備しておかなければなりません。
最終ラインの背後
エランガに対して最終ラインを高く保つ場合は、単に横一列をそろえるだけでなく、ボール保持者へ十分な圧力がかかっているかを基準に上下する必要があります。
相手が前向きで自由にボールを持っているのに高い位置を維持すれば、エランガが走る距離とパスを通す空間を同時に与えてしまいます。
- 圧力が弱い場合は早めに下がる
- 走者を受け渡す声を絶やさない
- 中央へ入る斜めの走路を閉じる
- ゴールキーパーとの距離を保つ
- 逆サイドの絞りを遅らせない
反対にパスの出し手へ強く寄せられている場面では、ラインを上げてオフサイドを狙い、エランガの走り出しを早すぎるものにする選択も可能です。
一律に下がる守備では中盤との間が広がるため、ボールへの圧力と連動して高さを変えることが対策の中心になります。
ボール保持時のリスク
エランガへの最善の守備は、スウェーデンがボールを持った後に始まるのではなく、日本が攻撃している段階から始まっています。
両サイドの選手が同時に高い位置へ進み、中央の選手までペナルティーエリア付近へ入ると、ボールを失った際にカウンターを遅らせる人が不足します。
| 日本の配置 | 主なリスク | 必要な準備 |
|---|---|---|
| 両翼が高い | 外側が空く | 中盤を後方に残す |
| 中央へ人数集中 | 回収役が減る | 逆側が早く絞る |
| 横パスが増える | 奪われ方が悪化 | 前進経路を確保 |
| 終盤の総攻撃 | 長い走路を渡す | 守備要員を残す |
攻撃時に一人か二人がエランガの近くへ残り、奪われた瞬間に前を向かせない配置を取れば、スピード勝負へ入る前に攻撃を遅らせられます。
攻撃人数を減らすことが目的ではなく、誰が前進し、誰がカウンターの出口を管理するのかを明確にすることが重要です。
一対一の対応
エランガと一対一になった守備者は、最初からボールを奪い切ろうとして大きく足を出すより、進行方向を限定して味方の戻る時間を作るべきです。
縦へ突破されることを恐れて外側を閉じすぎると、中央へ切り込まれてシュートやスルーパスを選ばれるため、ゴールに近い内側を優先する必要があります。
身体を正面に向けたまま後退すると左右への反応が遅れるため、半身になって相手とゴールの両方を視野へ入れ、接触できる距離を保つことが理想です。
エランガはスピードに乗ると小さな接触では止まりにくいため、ファウル覚悟で後方から追いかける状況を作る前に、走路へ身体を入れなければなりません。
一人で完全に止めることより、中央への侵入を遅らせて二人目の守備者と挟むことが、失点確率を下げる現実的な対応です。
スウェーデン攻撃陣の中で担う役割

スウェーデンには特徴の異なる前線の選手がいるため、エランガだけを切り離して分析すると実際の攻撃像を見誤ります。
中央で身体を張れる選手、ライン間で受けられる選手、背後へ走る選手を組み合わせることで、相手守備の高さに応じて攻め方を変えられる点が強みです。
エランガはその中で幅とスピードを加え、中央の選手へ集まりやすい守備を横へ広げる役割を担います。
イサクとの補完関係
イサクは長身でありながら足元の技術が高く、中央でボールを受けて自ら運ぶだけでなく、周囲の選手を使って攻撃を前進させられます。
エランガが背後へ走れば相手センターバックは簡単に前へ出られなくなり、その結果としてイサクがライン間で受ける空間も生まれます。
| 局面 | イサク | エランガ |
|---|---|---|
| 速攻 | パスの中継 | 背後へ加速 |
| 遅攻 | 中央で保持 | 外側に幅を取る |
| ゴール前 | 中央へ侵入 | 折り返しを供給 |
| 相手の高いライン | 走者へ配球 | 一対一を狙う |
日本がエランガを恐れて外側へ守備者を増やせば、イサクが中央で受けやすくなるため、両者の距離を分断する守備が必要です。
中盤がイサクへの縦パスを制限し、最終ラインがエランガの走りを管理できれば、二人が同時に力を発揮する状況を減らせます。
ギェケレシュとの違い
ギェケレシュは中央で相手を背負い、強さを生かして前進したり、自らシュートへ持ち込んだりする能力が高い選手です。
エランガは同じスウェーデンの攻撃選手でも、接触しながら中央を突破するより、空いた場所を見つけて速度で先に進む形を得意とします。
- ギェケレシュは中央の強さ
- エランガは外側の速さ
- ギェケレシュは保持から前進
- エランガは走りながら前進
- 両者の同時起用で守備幅が拡大
日本が中央のギェケレシュを囲むことだけに集中すると、外側でエランガが一対一になり、逆にサイドへ人数を寄せると中央の圧力が弱まります。
相手の名前に反応して配置を大きく変えるのではなく、ボールの位置に応じて中央と外側の優先順位を整理する必要があります。
先発か切り札か
エランガが先発する場合は、日本のサイド攻撃をけん制し、序盤から背後への長いボールを意識させる役割が考えられます。
日本側が彼の速さを警戒して前進を控えれば、実際に何度もボールへ触れなくてもスウェーデンの守備を助ける効果があります。
一方でベンチスタートなら、スコアと日本の疲労を見ながら投入できるため、終盤のカウンター要員としての破壊力は高まります。
オランダ戦では途中出場直後に結果を残しているため、スウェーデンの指揮官が日本戦でも流れを変えるカードとして使う可能性は十分に考えられます。
日本は先発メンバーだけで危険度を判断せず、エランガがベンチにいる場合も交代時間を想定して守備側の交代カードを残しておく必要があります。
日本戦を見るときの注目ポイント

エランガの危険性を判断するには、ボールを持った回数やシュート数だけを見るのでは不十分です。
どこで待っているか、誰が前を向いたときに走るか、日本の守備ラインがどの高さにあるかを追うと、得点が生まれる前の兆候を確認できます。
テレビ観戦でも注目点を絞れば、日本が対策できている場面と危険が近づいている場面を区別しやすくなります。
起用される時間
エランガが先発に入った場合は、日本が序盤からサイドの背後を使われずに攻撃を組み立てられるかが最初の焦点になります。
途中出場の場合は、投入された直後の数分間に日本の守備陣が立ち位置を共有できているか、スウェーデンが意図的に長いボールを増やすかを確認すべきです。
- 先発なら序盤の背後
- 後半開始なら配置変更
- 60分前後なら速度差
- 終盤ならロングボール
- 日本リード時ならカウンター
特に日本のサイド選手が交代した直後は、攻守の役割分担が整理されるまで一時的なずれが生じやすく、エランガがその瞬間を狙う可能性があります。
投入時刻だけでなく、日本側の疲労、スコア、交代後の配置まで合わせて見ると、実際の危険度をより正確に判断できます。
立ち位置の変化
エランガがタッチライン付近で幅を取っている場合は、縦への突破と速いクロスによって日本の最終ラインを後退させる狙いが考えられます。
中央寄りに立っている場合は、イサクやギェケレシュがボールを受けた後のスルーパスを狙い、直接ゴールへ向かう可能性が高まります。
| 立ち位置 | 狙い | 日本の注意点 |
|---|---|---|
| 右の外側 | 縦突破 | 左側の背後 |
| 左の外側 | クロス供給 | 逆側の絞り |
| ハーフスペース | 斜めの抜け出し | 受け渡し |
| 中央 | 直接フィニッシュ | ライン間の管理 |
ボールが逆サイドにあるときも、エランガが守備者の背中側へ移動している場合は、サイドチェンジ一本で一対一が作られます。
画面にボールが映っている場面だけでなく、逆側でどの高さを取っているかを見ることが、次の攻撃を予測する手掛かりになります。
試合展開ごとの危険度
日本が先制した場合、スウェーデンは前へ出る必要があるため、エランガが高い位置で待ち、早い段階から縦へ走る回数が増える可能性があります。
同点で終盤へ入れば、両チームが勝ち点と順位を意識するため、無理に人数をかけるのか、引き分けを受け入れるのかによって彼の役割も変わります。
日本が追う展開ではサイドの選手が高くなりやすく、エランガにとって最も広いカウンタースペースが生まれるため、攻撃と同時に後方の人数を確保しなければなりません。
スウェーデンがリードしている場合は、エランガが自陣寄りで守備をしながら、奪った瞬間だけ前へ出る形が増え、日本の攻撃をためらわせる存在になります。
試合の流れによってボールへの関与が減っても危険性が消えたとは限らず、むしろ静かに待っている時間ほど次のカウンターへの警戒が必要です。
エランガを止める鍵は速さを出させない準備
アンソニー・エランガは、2024-25シーズンのプレミアリーグで時速36キロを超える速度を記録し、6得点11アシストを残した実績を持つため、日本が軽視できる選手ではありません。
オランダ戦でも途中出場から短時間でイサクのスルーパスへ抜け出して得点しており、少ない機会から試合の局面を変えられることをワールドカップの舞台で示しました。
一方で、密集した場所から一人で攻撃を組み立て続ける選手ではないため、日本がボールの出し手へ圧力をかけ、最終ラインの背後を管理し、攻撃時にも守備の人数を残せれば長所を抑えられます。
重要なのはエランガとの単純なスピード勝負を避け、走り出す前の立ち位置、パスが出る前の圧力、ボールを失った直後の切り替えによって、加速できる条件そのものを消すことです。
日本戦では先発か途中出場かにかかわらず、イサクやギェケレシュとの距離、サイドから中央へ入る動き、投入直後の最初のスプリントに注目すると、スウェーデンが狙う攻撃の形が見えやすくなります。



