グレアム・ポッター監督が率いるスウェーデン代表は、伝統的な堅守速攻だけで勝負するチームではなく、相手の配置や試合展開に応じて立ち位置を変えながら攻撃経路を作る、柔軟性の高いチームへと変化しています。
2026年ワールドカップではチュニジア代表に5対1で勝利した一方、オランダ代表には1対5で敗れており、強力な2トップを生かした攻撃力と、前から圧力を受けた際の守備面の不安定さが、短期間のうちにどちらも表面化しました。
日本代表はオランダ代表と2対2で引き分け、チュニジア代表には4対0で勝利しているため、スウェーデンにとって日本戦はグループ突破を左右する重要な一戦であり、オランダ戦と同じ守り方や試合への入り方をそのまま繰り返す可能性は低いと考えられます。
ここでは2026年6月21日時点で確認できる試合内容と、ポッター監督がブライトンなどで見せてきた戦術的な傾向を基に、スウェーデンの基本構造、攻撃と守備の特徴、日本戦で変更してきそうなポイント、日本代表が狙うべき場所まで具体的に整理します。
グレアム・ポッター監督の戦術とは

グレアム・ポッター監督の戦術を一つのフォーメーションだけで説明することは難しく、本質は選手の立ち位置を変化させながら、相手の守備に合わせて前進経路を作り直す点にあります。
クラブチームでは試合ごとに複数のシステムを使い分けてきましたが、準備期間が短い代表チームでは複雑さを抑え、現在のスウェーデンでは3バックと2トップを軸にした比較的明確な構造を採用しています。
形は3-1-4-2と表示されることが多いものの、攻撃時には両ウイングバックが上がって3-3-4に近づき、守備時には5-3-2や5-4-1に変わるため、数字よりも各局面で誰がどこへ動くかを見ることが重要です。
形を固定しない可変性
ポッター監督の最大の特徴は、選手を最初に並べた場所へ固定せず、ボールの位置、相手の守備人数、試合の流れに応じて役割を変化させる点にあり、過去にはブライトンでシーズン中に多くの異なるシステムを採用していました。
プレミアリーグ公式の戦術分析でも、ポッター監督は複数のフォーメーションを使い分け、試合中の形の変更を円滑に行える指揮官として紹介されており、対戦相手に狙いを絞らせないことが大きな武器です。
ただし代表チームではクラブのように毎日練習できないため、すべての選手に多数の動きを覚えさせるのではなく、基本の3バックを保ちながら、中盤やウイングバックの高さだけを変える現実的な運用へ調整されています。
日本戦でも開始時の並びが3-1-4-2だったとして、それが90分間続くとは限らず、日本の前線が3バックへ強くプレスをかければ中盤を一枚下げ、日本が引けばウイングバックやインサイドハーフを前へ送り出す変化が予想されます。
現在の土台は3-1-4-2
チュニジア戦とオランダ戦でスウェーデンが採用した基本形は3-1-4-2で、3人のセンターバックの前にアンカーを置き、その前方に2人の攻撃的な中盤と左右のウイングバックを並べる構造でした。
この配置はアレクサンデル・イサクとヴィクトル・ギェケレシュを同時に起用しやすく、中央に2人の得点源を残しながら、サイドの幅と中盤の人数を確保できる点がスウェーデンの選手構成に合っています。
| 位置 | 主な役割 | 日本戦での注目点 |
|---|---|---|
| 3バック | 後方からの配球 | 日本のプレスへの対応 |
| アンカー | 中央の出口を作る | 鎌田大地周辺の攻防 |
| インサイドハーフ | 前線への接続 | 日本の中盤背後へ進入 |
| ウイングバック | 幅とクロスを担当 | 日本の両翼を押し下げる |
| 2トップ | 得点と起点を担う | 3バックとの個人戦 |
一方でウイングバックが高く上がった状態でボールを失うと、3バックの外側に広いスペースが生まれるため、日本が奪った直後に素早くサイドへ展開できれば、スウェーデンの基本形そのものを守備上の弱点へ変えられます。
日本戦ではこの危険を抑えるため、オランダ戦より片側のウイングバックを低く残す形や、アンカーが3バックの前から動きすぎない形へ修正する可能性があります。
2トップを中心に前進する
現在のスウェーデンにおける最も分かりやすい攻撃の出口はイサクとギェケレシュであり、後方から細かくつなげない場面でも、どちらかへ縦パスを入れることで陣地を前へ進められます。
イサクは相手センターバックの間や中盤との間へ移動してボールを受ける技術に優れ、ギェケレシュは身体の強さと加速力を生かして背後へ走れるため、同じセンターフォワードでも異なる方法で守備陣を動かせます。
チュニジア戦では両者が得点に絡み、ポッター監督も2人が互いを補完できる関係を評価しているため、日本戦でも守備を重視して片方を外すより、2トップを残したまま中盤やウイングバックの配置を調整する可能性が高いでしょう。
日本としては2人を常に同じ高さで捕まえようとすると最終ラインが下げられるため、ボール保持者へ圧力をかけて正確な縦パスを蹴らせず、受け手との勝負になる前に攻撃の質を落とす必要があります。
中盤で立ち位置を交換する
ポッター監督の攻撃では中盤の選手が自分の担当区域にとどまらず、アンカーの脇、相手ボランチの背後、サイドの内側へ移動し、パスを受けられる角度を増やします。
スウェーデンではイェスパー・カールストレームが後方の基準点となり、ヤシン・アヤリやベンヤミン・ニグレンらが前方で位置を変えることで、2トップへの縦パスとウイングバックへの展開を使い分けています。
- アンカーが3バックの前で出口を作る
- インサイドハーフが相手ボランチの背後へ入る
- ウイングバックが大外の幅を取る
- 2トップの一人が中盤へ下がる
- 空いた場所へ別の選手が走り込む
この動きの狙いは華麗なパス交換を続けることではなく、日本の守備基準を一度ずらし、フリーになった選手から一気に前線へボールを入れることにあります。
日本が人を追いかけすぎると中央に穴が生まれますが、受け渡しを優先しすぎるとアヤリらに前を向かれるため、誰が縦パスを遮断し、誰が受け手へ寄せるかを事前に整理しておくことが欠かせません。
3バックから運び出す
スウェーデンの3バックは単にゴール前を守るための人数ではなく、相手の最初のプレスを外すための土台であり、左右のセンターバックが広がることでピッチの横幅を使ってボールを動かします。
相手が2人で追えば3バックの一人が余り、3人で追えばアンカーやウイングバックが空きやすくなるため、ポッター監督は相手がどの人数で前から来るかを見ながら出口を選びます。
ただしオランダ戦では試合開始直後からボールの失い方が悪く、前方へ出ていた選手が戻れない状態で攻撃を受けたため、配置上の数的優位が実際の安定した前進へつながらない場面が目立ちました。
日本戦では同じ失敗を避けるため、無理に短いパスで外そうとせず、ギェケレシュへのロングボールや、日本のウイングバック背後を狙う対角線のパスを早めに選ぶ場面が増えると予想できます。
ウイングバックが幅を作る
3-1-4-2で中央に2トップと2人のインサイドハーフを置くと、自然な状態では攻撃が中央へ集まりやすいため、左右のウイングバックがタッチライン付近まで開いて幅を確保します。
ウイングバックが高い位置でボールを受けられれば、クロスだけでなく、内側の中盤へ戻すパス、2トップとのワンツー、相手ウイングバックの背後への走り込みなど、複数の選択肢を作れます。
日本も3バックを採用する場合は両チームのウイングバックが向き合う形になりやすく、スウェーデンは日本のサイドの選手を守備へ押し戻すことで、伊東純也や中村敬斗らの攻撃参加を減らそうとするでしょう。
日本が押し込まれた際に最終ラインへ吸収されて5バックのまま動けなくなると、スウェーデンのインサイドハーフまで自由になるため、サイドで誰が前へ出て圧力をかけるかが重要になります。
奪った直後は縦に速い
ポッター監督には後方から丁寧にパスをつなぐ印象がありますが、相手の守備が整っていない場面では、ボール保持に固執せず素早く前線へ運ぶ判断も重視します。
現在のスウェーデンには広いスペースを走れるギェケレシュ、狭い場所でもボールを扱えるイサク、前向きに運べるアヤリがおり、ボール奪取から数本のパスでシュートまで進む条件がそろっています。
日本はチュニジア戦で攻撃人数を増やしながら得点を重ねましたが、スウェーデン戦で同じ勢いのまま両サイドを上げると、失った瞬間に強力な2トップと広い空間で対峙する危険があります。
日本戦のスウェーデンは長時間ボールを保持することより、日本の縦パスを中盤で引っかけ、守備から攻撃へ切り替わった瞬間に2トップへ届ける場面を最も大きな得点機会として狙う可能性があります。
守備基準を相手に合わせる
ポッター監督の守備は常に激しく前から追う方式ではなく、相手の後方の人数、ボールを運べる選手、危険なパスの受け手を見極め、どこから圧力を強めるかを変化させます。
日本が3バックで始める場合、スウェーデンの2トップだけでは日本の3人を完全には捕まえられないため、インサイドハーフの一人が前へ出て3対3を作るか、中央へのパスを消しながら外側へ誘導する方法が考えられます。
一方で前へ出る人数を増やしすぎると、鎌田大地や佐野海舟らが中盤の背後で前を向けるため、オランダ戦で早い時間に失点した反省から、日本戦では開始直後から全面的なハイプレスを続けない可能性が高いでしょう。
前半は5-3-2の中間守備で中央を狭くし、日本の横パスが遅くなった瞬間だけ前へ出る形にすれば、守備の安定と2トップを生かしたカウンターを両立しやすくなります。
ポッター流の攻撃はどこから始まるか

スウェーデンの攻撃を見る際は、最終的に誰がシュートを打ったかだけでなく、最初に日本の守備をどの方向へ動かしたかを確認する必要があります。
ポッター監督は後方で数的優位を作り、相手が前へ出てきた場所の背後を使う考え方を持っているため、日本が積極的にプレスをかけるほど、外された後のスペースは大きくなります。
一方で現在のスウェーデンは代表チームとして構築途中であり、短いパスだけに依存せず、2トップへの直接的なボールやセットプレーも組み合わせるため、日本は複数の前進方法を想定しなければなりません。
前進経路を使い分ける
スウェーデンは相手の守備が中央を閉じている場合はサイドへ展開し、サイドへ人数を寄せた場合はアンカーやインサイドハーフを経由して中央へ戻すため、一つの経路だけを封じても攻撃を止め切れません。
日本が前から奪いに行く局面では、最初の縦パスを消すことに加え、逆サイドのウイングバックへ送られる長いパスも警戒し、ボールと反対側の選手が内側へ絞りすぎない対応が必要です。
| 経路 | スウェーデンの狙い | 日本の対処 |
|---|---|---|
| 中央 | アンカー経由で前進 | 縦のパスコースを遮断 |
| 外側 | ウイングバックへ展開 | 受ける前から距離を詰める |
| 前線 | 2トップへ直接配球 | 前後から挟み込む |
| 対角線 | 逆サイドの背後を狙う | 反対側も深さを管理 |
日本が一つの守備方法を長く続けるとポッター監督に修正されやすいため、前から追う時間帯と中盤で構える時間帯を意図的に使い分けることが効果的です。
特にスウェーデンの3バックがボールを持った瞬間ではなく、横パスが少しずれた瞬間や受け手が自陣ゴール方向を向いた瞬間を合図にすれば、無駄な走力を抑えながら高い位置で奪える可能性が上がります。
ハーフスペースへ人を集める
スウェーデンが大外にウイングバックを立たせる目的はクロスを上げることだけではなく、日本の守備を横へ広げ、その内側にあるハーフスペースをインサイドハーフや2トップが使える状態にすることです。
日本のウイングバックが外側へ引き出され、センターバックが2トップを見て後方へ残ると、その間の区域へアヤリらが入り込み、前向きでボールを受けられるようになります。
- ウイングバックが大外で相手を引きつける
- インサイドハーフが内側の空間へ進入する
- 2トップの一人が足元へ下がる
- もう一人が最終ラインの背後を狙う
- 後方の選手が三人目へ縦パスを通す
日本の中央の選手が外側の守備を助けすぎると危険な区域が空くため、サイドでは一対一で時間を作り、中央の選手はゴールへ直結するコースを優先して守る必要があります。
スウェーデンが狙う場所を完全に消すことは難しいものの、受け手を後ろ向きにさせれば攻撃速度を落とせるため、ボールを奪い切ることより自由に前を向かせないことが重要です。
セットプレーも重要になる
ポッター監督は大会前から短期決戦ではセットプレーの重要性が増すと考えており、流れの中で前進できない時間帯でも、コーナーキックやフリーキックから得点機会を作ろうとします。
スウェーデンには高さと強さを持つセンターバックに加え、イサクやギェケレシュもゴール前へ入れるため、単純なクロスであっても複数の競り合いを連続して発生させられます。
日本は相手の最初のヘディングだけを防いでも、こぼれ球をアヤリらに拾われると二次攻撃を受けるため、マークの確認と同時にペナルティーエリア周辺を守る選手の配置も必要です。
スウェーデンが慎重に試合へ入った場合はセットプレーが最も計算しやすい得点手段になるため、日本は不用意な接触によるファウルや、守備が整う前にボールを外へ出して与えるコーナーキックを減らしたいところです。
スウェーデン守備の狙いと弱点

スウェーデンは3バックを採用しているため守備人数が多いように見えますが、前線と最終ラインの距離が広がると、中央にもサイドにも進入経路が生まれます。
チュニジア戦では攻撃の成功によって弱点が目立ちにくかった一方、オランダ戦では立ち上がりにボールを失い、外側と最終ライン背後を使われたことで短時間に失点を重ねました。
日本戦ではその反省を踏まえて守備位置を下げる可能性がありますが、下がりすぎれば日本に長くボールを持たれるため、ポッター監督がどの高さに守備基準を設定するかが大きな焦点になります。
プレスを始める合図がある
スウェーデンが前から圧力をかける際は、すべてのパスへ無条件に追いかけるのではなく、相手の選択肢が減った瞬間をプレス開始の合図にする方法が基本になります。
日本のセンターバックがタッチライン側へ追い込まれた場面、バックパスを受けた選手の体勢が悪い場面、利き足と逆側へボールが入った場面では、2トップと中盤が連動して距離を縮めてくるでしょう。
- ゴールキーパーへのバックパス
- タッチライン際への横パス
- 受け手のコントロールミス
- 中央への弱い縦パス
- 日本の選手が後ろ向きになった瞬間
日本はプレスを受けてから出口を探すのではなく、ボールが移動している間に次の受け手が立ち位置を変え、ワンタッチで逆方向へ展開できる準備をしておく必要があります。
最初の圧力を外せればスウェーデンの中盤背後には広い空間が生まれやすいため、リスクを恐れて後方だけで回すより、条件が整った場面では一気に前へ運ぶ判断が有効です。
3バックの外側が空きやすい
スウェーデンのウイングバックが攻撃へ参加した後にボールを失うと、左右のセンターバックは広い範囲を守らなければならず、中央のカバーとサイドへの対応を同時に求められます。
日本がボールを奪った直後に中央で細かくつなぎすぎるとスウェーデンの帰陣が間に合いますが、早い段階で外側へ運べば、センターバックを本来の位置から引き出せます。
| 弱点になりやすい場所 | 生まれる条件 | 日本の狙い |
|---|---|---|
| 3バックの外側 | ウイングバックが高い | 斜めのランニング |
| アンカーの両脇 | 中盤が前へ出る | 鎌田大地が受ける |
| 最終ライン背後 | 前向きにプレスする | 上田綺世へ早いパス |
| 逆サイド | 守備が片側へ集中 | 大きなサイドチェンジ |
特に日本のシャドーが外側へ流れ、ウイングバックが内側や背後へ走るような位置交換を行えば、スウェーデン側は受け渡しの判断を迫られます。
ただし外側を狙うことだけに集中すると中央の守備人数が不足し、ボールを失った後に2トップのカウンターを受けるため、攻撃参加する人数と後方へ残す人数のバランスが欠かせません。
オランダ戦の大敗が残した課題
オランダ戦後のポッター監督の発言では、試合の入りが悪かったこと、守備を改善する必要があること、途中で配置を調整して内容が良くなったことが示されています。
スウェーデンはシュート数ではオランダを上回る場面を作りながらも5失点しており、攻撃機会を作れなかったというより、危険な場所でのボールロストと守備への切り替えの質に問題があったと考えられます。
ポッター監督は日本戦で攻撃力を捨てるのではなく、攻撃を始める前の配置を整え、失った際に少なくとも4人から5人が中央を守れる状態を作ろうとするでしょう。
その修正によって日本が速攻を出しにくくなる一方、スウェーデンの攻撃人数は減るため、日本が焦れずに試合を進めれば、後半に勝利が必要なスウェーデン側から配置を崩す展開へ持ち込めます。
日本戦で変えてきそうな点

スウェーデンは日本戦を引き分け狙いだけで進めにくく、勝ち点と得失点差を意識しながら得点を奪う必要があるため、守備一辺倒になる可能性は高くありません。
一方でオランダ戦のように序盤から前へ出て失点すると試合計画が崩れるため、開始直後は守備の安定を優先し、時間の経過とともに前へ出る人数を増やす段階的な戦い方が有力です。
先発の基本形を大幅に変更するより、同じ3-1-4-2の中でウイングバックの高さ、中盤の役割、プレス開始位置を変える方が、準備期間の短い代表チームでは実行しやすいでしょう。
立ち上がりを慎重にする
最も可能性が高い変更は試合開始直後の守備位置であり、オランダ戦で早い時間に2失点した反省から、日本の最終ラインまで無理に追わず、中央を閉じた状態から試合へ入ると予想されます。
2トップは日本の3バックへ一直線に飛び込むのではなく、中央の中盤へ入るパスを消しながら外側へ誘導し、日本がタッチライン際でボールを持った瞬間に圧力を強めるでしょう。
| 時間帯 | 予想される守備 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 開始直後 | 5-3-2で中央を閉じる | 早い失点を避ける |
| 前半中盤 | 限定的な前線プレス | 日本のミスを誘う |
| 後半序盤 | ウイングバックを上げる | 得点機会を増やす |
| 終盤 | 前線の人数を追加 | 勝利を取りに行く |
この流れになれば日本は序盤から無理に縦へ急ぐ必要がなく、相手の2トップを横へ動かしながら、スウェーデンの中盤と最終ラインの間隔が広がる瞬間を待てます。
ただしスウェーデンが慎重に見える時間帯でも、ロングボール一本で2トップへ届ける力があるため、日本は攻撃時にも後方の人数を減らしすぎないことが大切です。
中盤の守備人数を増やす
オランダ戦では中盤が前へ出た背後を使われ、3バックが広い範囲を守る場面が増えたため、日本戦ではアンカー周辺の選手を近づけ、中央の密度を高める修正が考えられます。
表示上は同じ3-1-4-2でも、一人のインサイドハーフが低い位置へ下がれば実質的には3-2-3-2となり、日本の鎌田大地やシャドーが中央で前を向く場面を減らせます。
- アンカーの両脇を空けない
- インサイドハーフの一人を低くする
- 片側のウイングバックを残す
- 逆サイドだけを高く上げる
- 2トップは前線に残す
この配置では守備の安定を保ちながら2トップへのカウンターを残せるため、日本の攻撃力とスウェーデンの得点必要性の両方を考えた現実的な選択です。
日本は中央に人数が多い状態で無理な縦パスを入れず、サイドチェンジを繰り返して低い位置に残った選手を動かし、守備ブロックの横幅を広げる必要があります。
交代で一気に攻撃的になる
スウェーデンは先発から極端に攻撃的な形を取るより、試合状況を見ながら後半に前線やサイドの選手を投入し、段階的にリスクを高める可能性があります。
同点のまま終盤へ入って勝利が必要になれば、片方のウイングバックをより攻撃的な選手へ代え、インサイドハーフを一列上げ、3-4-3や3-3-4に近い形で日本の最終ラインを押し込むでしょう。
反対にスウェーデンが先制した場合は2トップの一人を残して5-4-1へ移行し、日本の中央を閉じながらカウンターで追加点を狙う選択もできるため、得点状況による変化を見逃せません。
日本は交代選手の名前だけでなく、誰がアンカーの隣へ移ったか、どちらのウイングバックが高くなったか、2トップの一人がサイドへ移動したかを確認すると、ポッター監督の狙いを読み取りやすくなります。
日本が狙うべき攻略ポイント

日本がスウェーデンを攻略するには、2トップとの正面からの競り合いを繰り返すより、その2トップへ良い状態でボールを届けさせないことが重要です。
攻撃では3バックの外側とアンカーの両脇を使い、守備ではスウェーデンの後方のパスコースを限定することで、相手の長所を抑えながら弱点へ進入できます。
チュニジア戦の4得点によって日本の攻撃には勢いがありますが、同じ人数を無条件に前へ出すのではなく、スウェーデンの速攻を管理した状態で攻めることが勝利への条件になります。
最初の配球役へ圧力をかける
イサクとギェケレシュを最終ラインだけで完全に抑えるのは難しいため、日本は3バックやアンカーが顔を上げた状態で前線へパスを送る回数を減らす必要があります。
日本の前線はセンターバックへ闇雲に走るのではなく、アンカーへの縦パスを消しながら片側へ誘導し、スウェーデンの攻撃方向を限定することが重要です。
- 中央への縦パスを最初に消す
- 片側のセンターバックへ誘導する
- ウイングバックへのパスに連動する
- バックパスを合図に前へ出る
- 逆サイドは長いパスに備える
この守り方が機能すればスウェーデンは精度の低いロングボールを選びやすくなり、日本のセンターバックも前向きな状態で競り合えます。
一度プレスを外された際は奪い返そうと追い続けず、中盤と最終ラインを下げて中央を閉じ直すことが、2トップに広大なスペースを与えないために必要です。
外側から内側へ進入する
スウェーデンの3バックを中央から直接崩そうとすると、センターバックとアンカーに挟まれやすいため、まず外側へボールを運んで守備陣の横幅を広げる方法が有効です。
ウイングバックを外へ引き出した後、その背後へシャドーが走る動きや、センターバックの外側へ上田綺世が流れる動きを入れれば、スウェーデンの守備に受け渡しの迷いを生み出せます。
| 日本の動き | 動かされる相手 | 生まれる場所 |
|---|---|---|
| ウイングバックが大外で受ける | 相手ウイングバック | 内側のパスコース |
| シャドーが外へ流れる | 外側のセンターバック | 中央の進入路 |
| 上田綺世が手前へ下がる | 中央のセンターバック | 最終ライン背後 |
| 逆サイドへ展開する | 守備ブロック全体 | 大外の一対一 |
日本には伊東純也、中村敬斗、堂安律ら異なる方法でサイドを攻略できる選手がいるため、同じ側で攻撃を繰り返さず、相手の対応に応じて人選と立ち位置を変えられます。
クロスを上げる際も単純に高さで競うのではなく、相手センターバックとウイングバックの間へ低いボールを送り、後方から入る鎌田大地らが合わせる形を狙いたいところです。
カウンター管理を優先する
日本が最も避けたいのは、攻撃中に中央でボールを失い、イサクとギェケレシュが前向きに走れる状態を作ることであり、得点を奪いに行く時間帯ほど後方の配置が重要になります。
両ウイングバックが同時に高い位置へ上がる場合は、中盤の一人をセンターバックの前へ残し、スウェーデンの2トップへ入る縦パスを先に遮断できる状態を保つ必要があります。
ボールを失った直後に奪い返せない場合は小さな範囲で追い回さず、相手の前進を遅らせながら帰陣し、少なくとも最終ラインと中盤が同時に対応できる人数をそろえるべきです。
日本がボールを持つ時間を増やしながら速攻だけを与えなければ、勝利が必要なスウェーデンは時間とともに前へ出ざるを得ず、その段階で日本の速い攻撃を生かせる空間が広がります。
戦術の軸と日本戦の変化を押さえよう
グレアム・ポッター監督の戦術は、決まったフォーメーションを守り続けることではなく、3バック、アンカー、ウイングバック、2トップの関係を相手に応じて変え、最も前進しやすい経路を作る点に特徴があります。
現在のスウェーデンでは3-1-4-2が基本となり、イサクとギェケレシュの2トップ、アヤリらの中盤、両ウイングバックを組み合わせた攻撃が最大の武器ですが、攻撃参加後の守備と3バック外側のスペースには明確な危険があります。
日本戦ではオランダ戦の5失点を踏まえ、序盤を5-3-2で慎重に進めること、中盤の一人を低い位置へ置くこと、片側のウイングバックを残すこと、試合終盤に交代で攻撃人数を増やすことが主な変更候補です。
日本はスウェーデンの後方へ組織的に圧力をかけ、3バックの外側とアンカーの両脇を使いながら、攻撃時にも2トップへのカウンターを管理できれば、ポッター監督の可変戦術に振り回されず、自分たちのテンポで試合を進められるでしょう。



