12番のサッカー背番号が持つ意味とは?サポーターの象徴から意外な役割まで徹底解説

サッカー豆知識

サッカーの試合を観戦していると、選手たちが背負う「背番号」に自然と目がいきますよね。エースナンバーの「10番」やストライカーの「9番」など、特定の番号に特別なイメージを持つ方も多いでしょう。 では、「12番」にはどのような意味があるのでしょうか。実はこの12番、サッカーというスポーツの根幹に関わる、非常にユニークで重要な意味合いを持つ番号なのです。

多くのチーム、特に日本のJリーグでは、背番号12を「12番目の選手」すなわちサポーターの番号として扱っています。 ピッチに立つ11人の選手と共に戦うサポーターへ敬意を表し、あえて選手には割り当てないクラブも少なくありません。

その一方で、海外のクラブや代表チームでは、控えのゴールキーパーや様々なポジションの選手が12番を背負い、ピッチで輝きを放っています。 この記事では、サッカーにおける背番号12が持つ多様な意味、その番号を背負った有名選手、そしてJリーグと海外での扱いの違いなどを、サッカーを最近見始めた方にも分かりやすく解説していきます。

 

サッカーにおける背番号12の意味とは?

サッカーにおける背番号12は、他の番号とは少し違った特別な意味合いを持つことが多く、その扱いはリーグやクラブの文化によっても異なります。ここでは、背番号12が持つ主な意味や背景について、3つの側面から掘り下げていきましょう。

「12番目の選手」としてのサポーターの象徴

サッカーは11人で行うスポーツですが、ピッチで戦う選手たちを力強く後押しするサポーターの存在は、勝敗を左右するほど重要です。そのサポーターを「12番目の選手」と称え、敬意を表す象徴として背番号12が使われることが非常に多いのです。

この考え方は特にJリーグで広く浸透しており、多くのクラブが背番号12を「サポーターズナンバー」として定めています。 これは、選手だけでなく、ファン・サポーターもチームの一員として共に戦っているという一体感を示すためのものです。 そのため、該当するクラブでは、選手が背番号12を着用することはありません。スタジアムで販売されるレプリカユニフォームで、自分の好きな番号や名前を入れる際に「12」を選ぶサポーターが多いのも、こうした背景があるからです。

サポーターが作り出す応援の雰囲気、大歓声は、ホームチームの選手たちの背中を押し、アウェイチームにとっては大きなプレッシャーとなります。まさに12番目の選手として、チームの勝利に貢献していると言えるでしょう。この文化は、クラブとサポーターの強い絆を象徴する、日本サッカーの素晴らしい特徴の一つです。

ゴールキーパーの控え選手としての役割

サポーターズナンバーとしての意味合いが強い一方で、国際大会や海外のクラブチームでは、背番号12は選手、特に控えのゴールキーパー(GK)が着用することが一般的です。

サッカーの背番号は、もともとポジションごとにおおよその番号が割り振られていました。 正GKが「1番」をつけ、ディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)、フォワード(FW)と、ポジションが前になるにつれて番号が大きくなっていくのが伝統的な考え方です。 スターティングメンバーの11人が1番から11番までを着用すると、必然的に控え選手の先頭が12番となります。 そして、控え選手の中で最も重要なポジションの一つがGKであるため、2番手GKが12番を背負うケースが多く見られるのです。

ワールドカップやオリンピックのような大きな国際大会では、登録メンバー全員(例えば23人)に1番から23番までの番号を割り振る必要があります。 このようなルールがあるため、サポーターズナンバーとして欠番にすることはできず、誰かが12番を着用しなければなりません。 その際に、控えGKが選ばれることが多いのは、こうした歴史的経緯とルールが関係しています。

固定番号制と変動番号制での違い

現在、世界のほとんどのプロサッカーリーグでは、シーズンを通して選手が同じ背番号を着用する「固定番号制」が採用されています。Jリーグでも1997年からこの制度が導入されました。 この制度のもとでは、各選手が自身の愛着のある番号や、クラブの伝統を象負う番号を選ぶことができます。背番号12をサポーターズナンバーとして欠番にする文化も、この固定番号制があってこそ成り立っています。

しかし、かつては試合ごとにスターティングメンバーが1番から11番までを着用する「変動番号制」が主流でした。 例えば、ある試合で先発だった選手が次の試合で控えに回った場合、背番号も変わるという仕組みです。この変動番号制の時代には、控え選手は12番以降の番号を着用するのが通例でした。

この時代の名残から、今でも「12番以降は控え選手」というイメージを持つ人がいます。しかし、固定番号制が定着した現代サッカーにおいては、12番以降の番号にも特に制約はなく、選手が自由に選ぶことができます。 そのため、DF、MF、FWといった様々なポジションの選手が、自身のこだわりや好みで12番を選んで活躍するケースも増えており、番号の持つ意味合いも多様化してきていると言えるでしょう。

背番号12を背負った世界の有名選手

背番号12はサポーターの象徴や控えGKの番号と見なされることが多いですが、この番号を愛用し、世界的な名声を得たフィールドプレーヤーも少なくありません。彼らは、12番が特別な輝きを放つ番号であることを証明してきました。ここでは、背番号12を背負ってピッチを駆け抜けた世界のスター選手たちを紹介します。

マルセロ(レアル・マドリードなど)

背番号12と聞いて、多くのサッカーファンが真っ先に思い浮かべるのが、ブラジル代表でも活躍した左サイドバックのマルセロ選手でしょう。

彼はスペインの名門レアル・マドリードに在籍した2006-07シーズンから退団するまで、一貫して背番号12を着用し続けました。 その後、移籍したオリンピアコスや古巣のフルミネンセでも同じ12番を選んでいます。 攻撃的なプレースタイルと卓越したテクニックで左サイドを支配し、数々のタイトル獲得に貢献したマルセロ選手の姿は、12番の新たなイメージを確立しました。

彼はクラブだけでなく、ブラジル代表でもキャリアの途中から背番号を「6」から「12」に変更しており、この番号への強い愛着がうかがえます。 マルセロ選手は12番を背負う理由について、特別な思い入れがあることを語っており、彼の活躍によって、サイドバックの選手が12番を選ぶことのかっこよさが世界中に広まったと言っても過言ではありません。 彼の後を追うように、レアル・マドリードでは若き才能エドゥアルド・カマヴィンガ選手がマルセロ選手の12番を受け継いでいます。

オリヴィエ・ジルー(フランス代表など)

フランス代表のエースストライカーとして、2018年FIFAワールドカップ優勝にも貢献したオリヴィエ・ジルー選手も、背番号12と縁の深い選手の一人です。 身長193cmという長身を活かしたポストプレー(前線で体を張ってボールを収めるプレー)やヘディングの強さが魅力のFWですが、アーセナルFC在籍時には背番号12を背負ってゴールを量産しました。

FWの選手は、点取り屋を象徴する「9番」や「11番」を選ぶことが多い中で、彼が12番を選んだことは少し意外に思われるかもしれません。 しかし、彼はアーセナルだけでなく、キャリアの初期にブレイクしたトゥールというクラブでも12番を着用していました。 ジルー選手はその後、チェルシーFCやACミランへ移籍し、キャリアの多くで「9番」や「18番」を着用していますが、アーセナル時代の12番のユニフォーム姿は多くのファンの記憶に刻まれています。 彼の活躍は、背番号12がFWの選手にとっても輝ける番号であることを示しました。

その他、各国の名選手たち

マルセロ選手やジルー選手のほかにも、背番号12を背負って活躍した名選手は数多く存在します。

選手名 主な着用クラブ ポジション 国籍 特徴
ジョン・オビ・ミケル チェルシー MF ナイジェリア 長年にわたりチェルシーの中盤を支えた守備的MF。10シーズン以上12番を愛用した。
ジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルスト バルセロナ DF オランダ バルセロナ時代に長く12番を着用。左サイドバックとして2度のリーグ優勝に貢献。
ティエリ・アンリ フランス代表 FW フランス クラブでは14番が有名だが、代表キャリア初期には12番を着用していたレジェンド。
マルコ・ファン・バステン オランダ代表 FW オランダ 史上最高のFWの一人と称される名選手。彼も代表で12番を背負ったことがある。

このように、ポジションやプレースタイルに関わらず、様々な選手が12番を着用し、それぞれの物語を紡いできました。彼らの存在が、背番号12の持つ意味をより豊かで多層的なものにしているのです。

Jリーグで背番号12を輝かせた選手たち

海外では多くの名選手が背負ってきた背番号12ですが、日本のJリーグにおいては少し特別な立ち位置にあります。前述の通り、多くのクラブがサポーターズナンバーとして扱っているため、12番の選手を見かける機会は海外リーグに比べて少ないのが実情です。 しかし、その中でも12番を背負い、サポーターの記憶に残る活躍を見せた選手や、独自の文化を持つクラブも存在します。

Jリーグにおける背番号12の扱い

Jリーグでは、多くのクラブが背番号12を「12番目の選手=サポーター」の番号として欠番にしています。 例えば、浦和レッズ、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島といったクラブは、公式に12番をサポーターのための番号と位置づけています。 この文化はJリーグ発足初期から徐々に広まり、今ではリーグ全体に根付いた慣習となっています。

そのため、J1リーグ全体を見ても、シーズンによっては12番を着用する選手がごく少数、あるいは一人もいないということも珍しくありません。 これは、選手とサポーターの一体感を重視するJリーグならではの光景と言えるでしょう。

しかし、すべてのクラブが12番を欠番にしているわけではありません。クラブの方針や歴史によっては、選手に12番を割り当てているチームも存在します。そうしたクラブでは、他の番号と同じように、選手が自らの意思で、あるいはクラブからの期待を背負って12番を着用しています。

日本代表や各クラブで12番を背負った選手たち

サポーターズナンバーのイメージが強いJリーグですが、過去には日本代表や各クラブで12番を背負って活躍した選手もいます。特に、ワールドカップなどの国際大会では、規定により1番から登録人数までの番号をつけなければならないため、必ず12番の選手が存在します。

日本代表では、過去に様々な選手がワールドカップで背番号12を着用しました。 呂比須ワグナー(1998年フランス大会)
城彰二(1998年フランス大会)※大会中に変更があったとされる
土肥洋一(GK、2006年ドイツ大会)
西川周作(GK)

このように、FWの選手からGKの選手まで、様々なポジションの選手が代表の12番を背負ってきました。

クラブレベルでも、浦和レッズに所属していたGK鈴木彩艶選手や、サガン鳥栖のGK深谷圭佑選手(2022シーズン時点)など、12番を着用した選手がいます。 Jリーグで12番を着用する選手は少数派であるため、かえってサポーターからの注目を集め、特別な存在として記憶に残りやすいのかもしれません。

サポーターズナンバーとして欠番にしているチームも

改めてになりますが、Jリーグにおいて背番号12の最も大きな特徴は、多くのチームがサポーターズナンバーとして欠番にしている点です。 この文化は、ファンを大切にするJリーグの理念を象徴しています。

以下は、背番号12をサポーターズナンバーとしている主なJリーグクラブの例です。(情報は変動する可能性があります)

  • 北海道コンサドーレ札幌
  • 鹿島アントラーズ
  • ガンバ大阪
  • ヴィッセル神戸
  • サンフレッチェ広島
  • モンテディオ山形
  • ベガルタ仙台

これらのクラブのサポーターは、自分たちの番号である「12」に誇りを持ち、ユニフォームにもその番号を入れて選手たちを応援しています。選手がピッチで戦い、サポーターがスタンドから声援を送る。その一体感が、背番号12という一つの数字に込められているのです。このように、Jリーグにおける背番号12は、単なる数字以上の、クラブとサポーターの絆を繋ぐシンボルとして機能しています。

ポジションで見る背番号12の役割

背番号12は、サポーターズナンバーや控えGKの番号というイメージが強いですが、フィールドプレーヤーが着用する場合、特定のポジションに偏る傾向はあるのでしょうか。ここでは、ディフェンダー、ミッドフィルダー、フォワード、そしてゴールキーパーという各ポジションにおいて、背番号12がどのような役割を持つ選手に選ばれやすいのかを見ていきましょう。

ディフェンダー(特にサイドバック)での着用例

背番号12を着用するフィールドプレーヤーの中で、比較的多く見られるのがディフェンダー(DF)、特にサイドバック(SB)の選手です。 その最も象徴的な例が、先ほども紹介した元レアル・マドリードのマルセロ選手です。 彼の圧倒的な攻撃力と華麗なテクニックは、世界のサッカーファンに「12番=攻撃的なサイドバック」という強烈な印象を植え付けました。

伝統的に、サイドバックの背番号は右SBが「2番」、左SBが「3番」とされることが多いですが、固定番号制の現代では、選手が自由に番号を選べます。その中で、あえて12番を選ぶ選手は、マルセロ選手のように攻撃参加を得意とし、チームのチャンスメーカーとしての役割も担うプレーヤーが多い傾向にあります。守備だけでなく、ドリブルやクロスで攻撃の起点となる、現代的なサイドバック像と12番のイメージが重なるのかもしれません。

ミッドフィルダーやフォワードでの着用例

ミッドフィルダー(MF)やフォワード(FW)の選手が12番を着用する例ももちろんあります。MFでは、チェルシーで長年活躍したジョン・オビ・ミケル選手のように、中盤の底で守備を安定させるバランサータイプの選手が着用していました。 彼の存在は、12番がチームを支える献身的な役割を象徴する番号にもなり得ることを示しています。

FWでは、オリヴィエ・ジルー選手がアーセナル時代に12番を背負って活躍したことが有名です。 また、元マリ代表のフレデリック・カヌーテ選手も、セビージャFCで12番をつけ、長身を活かしたポストプレーと得点感覚でチームを牽引しました。 彼らのように、エースナンバーとされる「9番」や「10番」ではなく12番を選ぶストライカーには、独自のこだわりや哲学を持つ個性的な選手が多い印象です。チームのために体を張り、周りの選手を活かすプレーもできる、万能型のFWに似合う番号と言えるかもしれません。

ゴールキーパーが12番を選ぶ理由

やはり、背番号12と最も結びつきが強いポジションの一つがゴールキーパー(GK)です。 これは、先発の11人が1番から11番までを着用し、その次の番号である12番が控え選手の筆頭、特に第2GKに与えられることが多いという歴史的経緯に基づいています。

特に、ワールドカップや大陸選手権などの代表チームが集う大会では、この傾向が顕著に見られます。正GKが「1番」、第3GKが最も大きい番号(例えば「23番」)を着用し、その間の第2GKが12番を背負うというパターンは、サッカー界の慣例のようになっています。

Jリーグにおいても、12番を着用する数少ない選手はGKであることが多いです。 これは、サポーターズナンバーとしていないクラブが、伝統的な番号の割り振り方を踏襲している結果と考えられます。チームの最後の砦であるGKというポジションは、常に準備を怠らず、いつ出番が来てもいいように備えておく必要があります。その重要な役割を担う控えGKの番号として、12番は非常にふさわしいと言えるでしょう。

まとめ:サッカーの背番号12はチームとサポーターを繋ぐ特別な番号

今回は、サッカーにおける背番号「12」が持つ多様な意味について掘り下げてきました。

この記事で解説したポイントを振り返ってみましょう。

  • サポーターの象徴: 特にJリーグでは、12番は「12番目の選手」としてサポーターに捧げられ、欠番とされることが多い。
  • 控えGKの番号: ワールドカップなどでは、正GKの「1番」に次ぐ控えGKが12番を着用するのが一般的。
  • 個性的な名選手たち: DFのマルセロ選手やFWのジルー選手など、ポジションを問わず多くのスター選手が12番を愛用し、独自の輝きを放ってきた。
  • 多様化する役割: 固定番号制の現代では、サイドバックからフォワードまで、様々な役割を持つ選手が12番を背負っている。

このように、サッカーの背番号12は、単なる控え選手の番号ではなく、チームとサポーターの絆を象徴したり、あるいは特定のスター選手の代名詞となったりする、非常に多面的な意味を持つ特別な番号です。

次にサッカーを観戦する機会があれば、ぜひ12番のユニフォームに注目してみてください。それがスタンドで揺れるサポーターの背中にあれば、クラブへの深い愛情の証です。もしピッチ上の選手が背負っていれば、その選手がどのような想いでその番号を選んだのか、どんな役割を期待されているのかを想像してみるのも、サッカーの新たな楽しみ方になるはずです。

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