ドブレーテとは?サッカーの「1試合2得点」や「二冠」を意味する言葉をわかりやすく解説

サッカー豆知識

サッカー観戦をしていると、「ドブレーテ」という言葉を耳にすることがありませんか?「今のゴールでドブレーテ達成です!」といった実況を聞いて、なんとなく「2点取ったことかな?」と想像はつくものの、正確な意味や由来までは知らないという方も多いのではないでしょうか。

実はこの「ドブレーテ」、単に1試合で2得点するという意味だけでなく、チームの偉大な記録を示す場合にも使われる奥の深い言葉なのです。この記事では、サッカー用語の「ドブレーテ」について、その意味や語源、ハットトリックとの違い、そしてシーズンを通しての偉業である「ドブレーテ(二冠)」についても詳しく解説していきます。この記事を読めば、あなたもサッカー通に一歩近づき、試合観戦がさらに楽しくなること間違いなしです!

ドブレーテとは?2つの基本的な意味を解説

サッカーで使われる「ドブレーテ」という言葉には、大きく分けて2つの意味があります。 一つは1人の選手が1試合で2得点を挙げること、もう一つは1つのチームが1シーズンで2つの主要なタイトルを獲得することです。

どちらも「2」という数字が関連しており、サッカーの世界では賞賛に値する記録として扱われます。特に、試合の流れを大きく左右する個人の活躍や、シーズンを通したチームの強さを示す輝かしい功績として、ファンやメディアの間で頻繁に使われる言葉です。この章では、まず個人記録としての「1試合2得点」の意味を中心に、その語源や他の記録との違いを詳しく見ていきましょう。

ドブレーテの基本的な意味は「1試合2得点」

ドブレーテの最も一般的な意味は、1人の選手が1試合のうちに2つのゴールを決めることです。

例えば、ある試合でA選手が前半に1点、後半に1点を決めた場合、「A選手はドブレーテを達成した」と表現されます。 立て続けに2ゴールを決める必要はなく、試合開始直後と試合終了間際のゴールであっても、同じ選手によるものであればドブレーテとなります。

サッカーにおいて1試合で複数得点を挙げることは、その選手の得点能力の高さを証明するものです。特に、チームが劣勢の場面でのドブレーテや、重要な試合でのドブレーテは、試合の勝敗を決定づける非常に価値のあるプレーとして高く評価されます。

ストライカーや攻撃的なポジションの選手にとっては、ドブレーテを記録することが自身の評価を大きく高めることにつながるのです。 また、得点王争いにおいても、ドブレーテをどれだけ記録できるかが重要な要素となります。ファンにとっても、応援する選手がドブレーテを達成する瞬間は、試合観戦における大きな喜びの一つと言えるでしょう。

由来はスペイン語の「doble(2倍)」

「ドブレーテ(doblete)」という言葉は、スペイン語で「2倍」や「二重」を意味する「doble(ドブレ)」が語源です。 これが転じて、「2つのもの」や「2回」といった意味で使われるようになりました。 そのため、スペインや南米などスペイン語圏の国々では、サッカーに限らずバスケットボールなど他のスポーツでも、2つの記録を同時に達成した場合などに「ドブレーテ」という言葉が使われることがあります。

サッカーにおいては、この「2つの」という意味から、「1試合で2得点」や「1シーズンで2つのタイトル」という2つの意味で定着しました。特に、スペインのプロサッカーリーグ「ラ・リーガ」の中継を見ていると、実況や解説者が頻繁にこの言葉を使っているのを耳にすることができます。 日本のサッカー中継でも、海外サッカーに詳しい解説者などが使うことが増えてきており、徐々に認知度が高まっています。 このように、言葉の由来を知ることで、なぜ「2」に関連する記録で使われるのかがより深く理解できますね。

ドブレーテと似た言葉との違い(ハットトリックなど)

サッカーには、ドブレーテ以外にも1試合での複数得点を表す言葉がいくつか存在します。最も有名なのが「ハットトリック」でしょう。ハットトリックは、1人の選手が1試合で3得点することを指します。 ドブレーテが2得点であるのに対し、ハットトリックは3得点と、その難易度はさらに高くなります。

また、1試合2得点を表す言葉は、国や言語によって呼び方が異なります。ドブレーテはスペイン語ですが、他の主要なサッカー強豪国では以下のように呼ばれています。

言語 呼び方 カタカナ読み
英語 brace ブレイス
イタリア語 doppietta ドッピエッタ
ドイツ語 Doppelpack ドッペルパック
フランス語 doublé ドゥーブレ

このように、様々な呼び方が存在しますが、意味はすべて「1試合2得点」で同じです。 例えば、イングランドのプレミアリーグでは「ブレイス」、イタリアのセリエAでは「ドッピエッタ」という言葉が一般的に使われます。 日本では特定の呼び方は定着していませんが、「2ゴール」や「マルチゴール」などと表現されることが多いです。 世界のサッカー中継を楽しむ際には、これらの言葉を知っておくと、より現地の雰囲気を味わうことができるでしょう。

もう一つの意味「ドブレーテ(二冠)」とは?

ドブレーテには、個人の記録だけでなく、チームとしての偉業を示すもう一つの重要な意味があります。それが、1つのクラブチームが同じシーズン内に2つの主要なタイトルを獲得する「二冠」です。

長いシーズンを戦い抜く中で、複数のコンペティション(大会)を並行して勝ち進むことは非常に困難です。選手層の厚さ、戦術の柔軟性、そして心身のコンディション維持など、多くの要素が求められます。そのため、シーズンの終わりに2つの栄冠を手にすることは、そのクラブが本物の強者であることを証明する、非常に名誉なことなのです。この章では、チームの偉業としての「ドブレーテ」について、その種類や達成の難しさを掘り下げていきます。

シーズンを通しての偉業「二冠達成」

サッカークラブは通常、1シーズンを通して複数の大会に参加します。例えば、日本のJリーグクラブであれば、国内リーグ戦である「J1リーグ」、カップ戦の「ルヴァンカップ」、そしてプロ・アマ問わず参加するオープントーナメント「天皇杯」などです。これらの大会のうち、2つの大会で優勝することを「二冠(ドブレーテ)」と呼びます。

例えば、あるクラブがその年のJ1リーグで優勝し、さらに天皇杯でも優勝した場合、「二冠を達成した」と称えられます。 この記録は、シーズンを通して安定した強さを維持し続けた証であり、クラブの歴史に燦然と輝く成果となります。ヨーロッパの強豪クラブに目を向ければ、国内リーグと国内カップ戦、あるいは国内リーグとヨーロッパのクラブ王者を決めるUEFAチャンピオンズリーグといった、さらに過酷な組み合わせでの二冠達成が目標となります。 このように、チームとしてのドブレーテは、クラブの総合的な実力を示す重要な指標なのです。

国内リーグと国内カップのドブレーテ

チームが達成するドブレーテの中で、最も一般的で目標とされるのが「国内リーグ戦」と「国内カップ戦」の二冠です。 これは、その国のサッカーシーンにおいて、シーズンを通して最も強いチームであることを証明する組み合わせと言えるでしょう。

国内リーグ戦は、年間を通じて総当たりで対戦し、最も多くの勝ち点を獲得したチームが優勝する長期戦です。安定したパフォーマンスと、怪我人などが出た場合にも対応できる選手層の厚さが不可欠です。
一方、国内カップ戦は、一発勝負のトーナメント方式で行われる短期決戦です。勢いや勝負強さが求められ、リーグ戦とは異なる戦い方が必要になります。

このように、全く性質の異なる2つの大会を制覇することは、そのチームが実力と勝負強さの両方を兼ね備えていることを意味します。例えば、イングランドではプレミアリーグとFAカップ、スペインではラ・リーガとコパ・デル・レイ(国王杯)の組み合わせがこれにあたります。 日本では、J1リーグと天皇杯の二冠がこれに相当し、過去に多くのクラブがこの偉業に挑戦してきました。

国内リーグと欧州カップのドブレーテ

国内での二冠もさることながら、サッカー界でさらに大きな名誉とされるのが、「国内リーグ戦」と「大陸別のクラブ選手権」の二冠です。ヨーロッパのクラブにとっては、自国のリーグ戦と、ヨーロッパ最強クラブを決める「UEFAチャンピオンズリーグ(CL)」のタイトルを同時に獲得することがこれに該当します。

国内リーグで安定した戦いを続けながら、並行してヨーロッパ中の強豪クラブとの厳しい戦いを勝ち抜かなければならないため、その達成難易度は極めて高いと言えます。毎週のように行われる国内リーグ戦に加え、ミッドウィークにはCLのための海外遠征が組まれることもあり、選手たちは肉体的にも精神的にも過酷なスケジュールを強いられます。

この偉業を成し遂げたチームは、国内だけでなく、大陸全土にその名を轟かせることになります。過去には、スペインのレアル・マドリードやFCバルセロナ、イングランドのマンチェスター・シティなどがこのドブレーテを達成し、その時代の最強クラブとしてサッカー史にその名を刻んでいます。 さらに、これに国内カップ戦を加えた「三冠(トレブル)」は、クラブが目指すことのできる最高の栄誉とされています。

達成が難しい理由

ドブレーテ、特に二冠の達成がなぜそれほど難しいのでしょうか。その理由は主に3つ挙げられます。

第一に、過密な試合日程と選手のコンディション維持です。複数の大会を勝ち進むと、週に2試合をこなすのが当たり前になります。移動による疲労も蓄積し、選手は常に怪我のリスクと隣り合わせです。主力選手が一人でも長期離脱すれば、チーム力は大きく低下してしまいます。全選手がシーズンを通して高いコンディションを維持し続けることは至難の業なのです。

第二に、求められる戦術の多様性と選手層の厚さです。長期戦のリーグ戦と、一発勝負のトーナメント戦では、求められる戦い方が異なります。相手チームや状況に応じて戦術を柔軟に変化させ、それを実行できる質の高い選手が揃っていなければ、両方の大会で頂点に立つことはできません。控えの選手も含めたチーム全体の総合力が問われます。

そして第三に、対戦相手からの徹底した分析と対策です。強いチームであればあるほど、ライバルチームからのマークは厳しくなります。徹底的に戦術を分析され、弱点を突くための対策を練られます。そうした厳しい包囲網を打ち破り、勝ち続けるためには、常に相手の分析を上回る進化が求められるのです。これらの困難を乗り越えたチームだけが、二冠という栄光を手にすることができます。

ドブレーテを達成した有名選手たち

サッカーの歴史において、数多くのスター選手がドブレーテ(1試合2得点)を記録し、ファンを魅了してきました。重要な試合で勝負を決める2ゴールを挙げたり、圧倒的な得点力でドブレーテを量産したりと、その活躍は様々です。ここでは、現代サッカーを代表するスーパースターや、日本を代表する選手の中から、特にドブレーテという記録で語られることの多い選手たちを紹介します。彼らのプレーを思い浮かべながら、ドブレーテの価値を再確認してみましょう。

リオネル・メッシ:数々のドブレーテ記録

現代サッカーの象徴ともいえるリオネル・メッシ選手は、そのキャリアを通じて数えきれないほどのドブレーテを達成してきました。 彼のドブレーテは、単に数が多いだけでなく、その一つひとつが芸術的です。巧みなドリブルで相手ディフェンス陣を無力化してから決めるゴールや、意表を突くフリーキック、味方との華麗な連携から生まれるゴールなど、そのパターンは多彩を極めます。

特にFCバルセロナ時代には、スペインリーグやチャンピオンズリーグの舞台で、幾度となくチームを勝利に導くドブレーテを記録しました。劣勢の試合を一人の力でひっくり返してしまう彼のプレーは、まさに圧巻の一言です。重要な一戦になればなるほど、彼の左足から生まれる2つのゴールが勝敗を分けました。メッシ選手にとってドブレーテは、特別な記録というよりも、彼の日常的なパフォーマンスの一部であったと言えるかもしれません。彼のプレーは、ドブレーтеがいかに試合に大きな影響を与えるかを雄弁に物語っています。

クリスティアーノ・ロナウド:決定力の象徴

リオネル・メッシ選手と並び、長年にわたり世界のサッカー界を牽引してきたクリスティアーノ・ロナウド選手もまた、驚異的なペースでドブレーテを量産してきたストライカーです。 彼の最大の武器は、なんといってもその圧倒的な決定力です。左右両足から放たれる強烈なシュート、驚異的な跳躍力を活かしたヘディングなど、あらゆる形からゴールを奪うことができます。

マンチェスター・ユナイテッド、レアル・マドリード、ユヴェントスといった世界のビッグクラブでプレーし、それぞれのリーグで得点王に輝いてきた実績が、彼の得点能力の高さを証明しています。特に大舞台での勝負強さは際立っており、チャンピオンズリーグの決勝トーナメントなど、絶対に負けられない試合でチームを救うドブレーテを何度も記録してきました。 常にゴールを狙い続ける貪欲な姿勢と、それを確実に結果に結びつける技術とパワーは、まさにゴールゲッターの鑑と言えるでしょう。ロナウド選手のドブレーテは、彼の純粋なストライカーとしての価値を象徴しています。

日本人選手のドブレーテ記録

もちろん、日本人選手も国内外のリーグでドブレーテを記録し、活躍しています。Jリーグの歴史を振り返れば、中山雅史選手が1998年に記録した4試合連続ハットトリックはあまりにも有名ですが、その間にもドブレーテを含む多くの複数得点を記録しています。 また、Jリーグの歴代最多得点記録を持つ大久保嘉人選手や、佐藤寿人選手といったストライカーたちも、キャリアを通じて数多くのドブレーテを達成し、チームの勝利に貢献してきました。

近年では、ヨーロッパのトップリーグで活躍する日本人選手が増え、その舞台でドブレーテを達成するニュースも珍しくなくなりました。例えば、イングランドのプレミアリーグで活躍する三笘薫選手や、スペインのラ・リーガでプレーする久保建英選手などが複数得点を記録すれば、日本国内で大きな話題となります。彼らが世界の強豪を相手にドブレーテを達成することは、日本のサッカーファンに大きな夢と希望を与えてくれます。今後も、日本人選手が世界の舞台でドブレーテを記録し、活躍してくれることに期待が高まります。

サッカー観戦がもっと楽しくなる!ドブレーテに注目してみよう

ドブレーテの意味を知ると、これまで何気なく見ていたサッカーの試合が、また違った視点から楽しめるようになります。単なる「2点目」ではなく、「ドブレーテ」という言葉を意識することで、試合の展開や選手のパフォーマンスに対する理解が深まるはずです。ここでは、ドブレーテに注目することで、サッカー観戦がさらに面白くなるポイントをいくつかご紹介します。

試合の流れを変えるドブレーテ

サッカーの試合において、1人の選手が2得点を挙げるドブレーテは、試合の流れを劇的に変える力を持っています。 例えば、0-1で負けている状況で、エースストライカーが同点ゴール、そして逆転ゴールとなる2点目を決めたとします。このドブレーテによって、チームは一気に勢いづき、スタジアムの雰囲気も最高潮に達するでしょう。逆に、相手チームにとっては精神的なダメージが大きく、守備の集中力が切れやすくなります。

また、試合が膠着している場面で立て続けに2ゴールが決まることもあります。1点目で相手の守備バランスを崩し、その隙を突いて畳み掛けるように2点目を奪うのです。こうしたドブレーテは、試合の均衡を破り、一方的な展開を生み出すきっかけになることも少なくありません。次に試合を観戦する際は、「この選手がドブレーテを達成すれば、試合は決まるかもしれない」といった視点で見てみると、よりスリリングな試合展開を楽しめるはずです。

選手の調子を測るバロメーター

ドブレーテは、その選手のコンディションやパフォーマンスの良さを測る分かりやすい指標にもなります。コンディションが良い選手は、動きにキレがあり、シュートの精度も高まっています。ゴールへの嗅覚が研ぎ澄まされ、良いポジションに顔を出せる回数が増えるため、自然と得点のチャンスも多くなります。

もし、普段はあまり得点をしないような選手がドブレーテを達成したら、その日は「ゾーンに入っている」と言えるほど絶好調なのかもしれません。逆に、チームのエースストライカーがなかなかドブレーテを記録できず、1試合1得点に留まる試合が続いている場合は、少し調子を落としているか、相手チームから厳しいマークを受けて苦しんでいる可能性が考えられます。このように、ドブレーテの有無に注目することで、選手の調子の波を読み解き、試合の行方を予想する楽しみ方もできるのです。

ドブレーテ達成時の実況解説にも注目

ドブレーテの意味を知った上でサッカー中継を見ると、実況や解説者の言葉がより深く理解できるようになります。例えば、実況者が「今日2点目!ドブレーテ達成です!」と叫んだ時、それは単に2点目が入ったことを伝えているだけでなく、その選手の素晴らしい活躍を称賛し、試合の大きなターニングポイントであることを示唆しています。

特にスペインやイタリアなど、それぞれの国で2得点を意味する言葉が定着しているリーグの中継では、現地の熱狂的な実況を聞くことができるでしょう。 「ゴラッソ!(スーパーゴール)」といった言葉と共に、「ドブレーテ!」や「ドッピエッタ!」という叫びが聞こえてくれば、そのゴールの価値が非常に高いものであることが臨場感たっぷりに伝わってきます。言葉の意味を知ることで、実況解説が試合を盛り上げる重要な要素であることを再認識でき、海外サッカーの観戦も一層楽しくなるはずです。

まとめ:ドブレーテを知ってサッカーの奥深さに触れよう

この記事では、サッカー用語「ドブレーテ」について、2つの主要な意味を中心に解説してきました。

  • 個人の記録としてのドブレーテ: 1人の選手が1試合で2得点を挙げること。選手の得点能力の高さを示す指標。
  • チームの記録としてのドブレーテ: 1つのクラブが1シーズンで2つの主要タイトルを獲得する「二冠」のこと。チームの総合的な強さの証明。

ドブレーテは、スペイン語の「2倍」を意味する言葉が由来であり、同じく1試合2得点を意味する言葉が英語の「ブレイス」やイタリア語の「ドッピエッタ」など、国によって様々であることもご紹介しました。

1人の選手の活躍が試合の流れを大きく変える興奮、そして1年を通してチーム一丸となって偉業を成し遂げる感動。ドブレーテという一つの言葉には、サッカーというスポーツの持つ多様な魅力が凝縮されています。次にサッカーを観戦する機会があれば、ぜひ「ドブレーテ」に注目してみてください。選手の一挙手一投足や、チームが目指すシーズンの目標がより明確になり、これまで以上に深く、そして熱く、サッカーの世界を楽しむことができるでしょう。

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